,こr <塔ノ岳山頂>
好い加減にヒルと暑いのカンベンしてよの丹沢;塔ノ岳(今年42回目)
(単独山行)
2013年8月14日(水) 晴;蒸し暑い1日
■朝からトラブル
丹沢塔ノ岳に出掛けようと思う.でも,熱中症が怖い.怖いけど,もう1週間も塔ノ岳からご無沙汰している.そろそろ塔ノ岳を往復しておかないと,体力維持ができないので,思い切って出掛けることにする.
小田原での乗換時間2分のスリルは余り味わいたくないので,今日も,何時もよりも1時間早い4時10分に支度を出発して,大船駅まで歩いて行くことにする.歩程約2.5キロメートル(約7000歩)の山下りである.4時と言えば,夏至の頃は,もう十分に明るかったが,8月も中旬になると,日の出が随分と遅くなっている.まだ,辺りは真っ暗.でも,昨日の熱気が舗装道路に残っていて,気温は26℃もある.
大船駅でSUICAにチャージする…が,どうしたことか発券機に1万円を挿入したのにお釣りが出てこない.少々お待ち下さいというサインが出る.事務所の中では警戒音が鳴っている.
“なんじゃ,これは…”
私はキャンセルボタンを押すが,元に戻らない.1~2分してから,発券機の脇の小さな窓が開いて若い女性職員が,
「どうしましたか…」
と私に聞く.私は事情を説明して,
「5時10分の下り電車に乗りたいので,早くして下さい…」
とお願いする.
「一寸待って下さい…金庫の鍵を開けるのに,ちょっと時間が要りますので…」
…という次第で,かれこれ5~6分の時間が掛かってしまった.
幸いなことに,発車時間まで十分に時間があったので,事なきを得たが,こんなこともあるんだなと再認識させられた.
教訓;“発車間際にSUICAにチャージすることは避けるべし”
■大倉から歩き出す
小田原駅で,ユックリと小田急電車に乗り換える.この“ユックリ感”が何とも心地よい.わざわざユックリして,1本電車をやり過ごして,小田原発6時03分新宿行急行電車に乗車する.6時21分に渋沢に到着する.当然バス停には1番乗りである.
やがて小学校低学年の男の子を連れた年配の男性がバス停に到着する.多分,オジイチャンとお孫さんだろう.過日,2人で大山に登ったので,今回は塔ノ岳だとのことである.
「今日は,4時間半掛けて塔ノ岳まで登るつもりです…山麓は森の中なので涼しいでしょう…」
と仰る.私は,
“何だか変だな…山麓は無風で蒸し暑いはずだが…”
と思うが,敢えて否定することもあるまい.
やがて下り電車が到着したらしく,何人かの登山客がバス停に並び始める.ご常連は超韋駄天のNMさん,三角髭のTDさん,それにTNさんと,顔見知りだが名前が分からない女性だけ.お盆休みのためか若い登山者が多い.バスに何人かの立ち席が出るが,それほどは混雑していない.
バスは7時丁度に大倉に到着する.
歩き出す前に,ちょっとモタモタしていて,何時もより少し遅い7時07分に大倉から歩き出す.歩き出しはTNさんと一緒.でも,スタートダッシュが速いTNさんには,とても付いて行けないし,何よりも熱中症に罹るのが怖いので,TNさんには先に行っていただく.そして,私は慎重に(ノタノタと)登り続ける.
程なく登山道に入る.気温27℃.湿度は低そうだが,気温は相変わらず高い.でも,路面は良く乾いているので,ずいぶんと歩き易い.
■ヒル談義
丹沢ベース付近で,先ほどバス停でお会いしたオジイチャンと子どもに追い付く.この辺りの登山道は石が敷き詰められていて少々歩きにくい,2人は敷石を避けて路肩を歩いている.ただでさえこの辺りはヒル銀座である.私は見るに見かねて,
「この辺りから暫くの間はヒルが沢山居るところです…途中で止まらずに,登山道の真ん中を歩き続けた方が良いですよ…」
とお節介な忠告をする.
「そうですか…やっぱりヒルが居るんですね」
と言いながら,立ち止まって,リュックからヒル隠避の薬剤を取り出して,子どもの足許に吹き付けている.
“薬剤など散布しなくても,サッサと歩けばいいのに…”
と思いながら,先に行かせてもらう.余計なお世話かも知れないが,塔ノ岳山頂まで本当に登れるのだろうかと心配になる.
■見晴階段
7時53分,見晴山荘を通過する.どうやら,ここまでで自分の標準時間より.5分ほど遅いようである.でも,まあ,遅いのは良しとしよう.とにかく無事に塔ノ岳山頂を往復することだ.
見晴階段に差し掛かる.今回は少々間が空いて,1週間ぶりの塔ノ岳である.ハッキリ言って身体がどうも重い.これはもうユックリ登るしかない.
階段下から,何時ものように階段を見上げた写真を撮る.登山者の後ろ姿がチラホラと見える.朝日が木々の間を縫って差し込んでいる.
相変わらず無風.湿度は幾分低いようだが結構蒸し暑い.
やがてモミジ坂に差し掛かる.黙々とマイペースで登り続けて,8時03分に一本松を通過する.
8時07分,勢いよく下ってくるYZさんとすれ違う.
<見晴階段>
■心地よい緑陰の尾根道
8時21分,下ってくるKSさんとすれ違う.
「やあ,やあ,…FHさん.この暑いのによくまあ登ってきましたね」
で,何時ものように握手.
「山頂(の気温)は18℃.涼しくて気持ちが良かったですよ…暑いんで気をつけて…」
「近くの公園でも散歩するつもりで,身体の力を抜いて,ノンビリ登りますよ」
急傾斜の駒止階段を登って,8時27分に駒止茶屋を通過する.大倉からの所要時間は1時間20分.何時もより10分ほど遅いようである.でも,まあ,仕方がないな.
久々の晴天.こぼれ日が美しい堀山の尾根道に入る.
<心地よい緑陰の尾根道>
■富士山は見えない
8時39分,富士山が良く見える場所に到着する.晴天にもかかわらず靄が掛かっていて,残念ながら富士山は見えない.
富士山は見えないが,儀式として見えない富士山の写真を撮る.
<堀山の尾根で見えない富士山の写真を撮る>
■萱場平
8時23分,堀山の家に到着する.
今日は,掘りや蚊の家から花立山荘まで45分ほど掛けて登ろうかと思う.
堀山の家を通過しようとすると,小草平で休憩を取ってた白い頭巾の男性が,いきなり私のすぐ前を歩き出す.この男性,先ほど見晴階段を見上げた写真に写っている方である.いきなり私の前に入り込んだので,少し不作法な人だなと思ったが,どうせ私はユックリにしか登れないので,少し間が空くのを待って,自分ペースを保持しながら登り始める.
相変わらず蒸し暑いが,湿度が低いためか,先週の水曜日に比較するといくらか歩き易いようである.
ノタノタと登り続けて,9時07分に萱場平に到着する.先ほどの白い帽子の男性が,萱場平で休憩を取っている.
私が木道を歩き始めると,また,この男性が私の前に立つ.
「追い越されるのが2回目ですね…」
と挨拶する.
木道の間に繁茂する鬼アザミがますます大きくなっている.
<萱場平>
■花立山荘
先週水曜日に比較すると幾分歩き易いなと重いながら,でも,ユックリと登り続ける.
8時21分,後7分坂の少し手前にある大岩で下山してくるNMさんとすれ違う.何時もは後7分坂を3分の2ほど登ったところですれ違うのに…それだけ今日の私は遅いということだ.
後7分坂を8分掛けて登って.9時30分に花立山荘に到着する.晴れてはいるものの富士山は相変わらず見えない.
階段際のベンチで先ほどの白い帽子の男性が休憩を取っている.私が花立山荘を通過しようとすると,また私のすぐ先を歩き出す.
「今日追い越されるのが,3度目ですね…」
と挨拶する.
<花立山荘>
■花立山
私にとって一番イヤなのが花立山荘から花立山「までの登り坂である.エッチラホッチラ登るしかない.ここまで来れば山頂まで30分程度.速く歩いても,遅く歩いても,もうここまで来ていれば,所要時間に大差はない.そうならば,ノンビリ歩くに限る.
晴れてはいるが,富士山が見えないのが残念.
見晴山荘から11分も掛けて,ようやく花立山山頂に到着する.微風が吹いている.ここまで来ると,随分涼しくなる.何時の間にか汗も引いている.
前方には塔ノ岳が見えている.その上には沢山の夏雲が湧いている.
<花立山山頂>
■塔ノ岳山頂
9時46分,金冷シを通過する.もう山頂に着いたのも同様である.
緑陰を楽しみながら最初の階段を登る.そろそろ下山してくる三角髭のTDさんとすれ違っても良いはずだが,どういう訳がTDさんが現れない.三ノ塔にでも登ったのかな.それとも鍋割山を廻ったのかな,
10時04分,やっと塔ノ岳山頂に到着する.大倉からの所要時間は2時間57分.最悪だが,もともと御身大事,熱中症怖いで登ってきたんだから,長時間掛かったのも当然.とにかく安全に山頂まで登れたことを感謝しなければ…
山頂の気温は20℃.結構涼しい.
途中で私を3回追い抜いた城頭巾の方が山頂で寛いでいる.私が近付くと,ニッコリ笑って,
「ご苦労様…」
と挨拶する.
上空は晴れてはいるが,一面に雲が湧いていて,富士山は見えない.
<塔ノ岳山頂>
■尊仏山荘
山頂で四方の写真を撮る儀式を終える.そして,汗が完全に引っ込んでから,尊仏山荘に立ち寄る.
大倉を私と一緒に歩き始めたTNさんが先客.今日のTNさんの所要時間は2時間46分だったとのこと.私より11分早く到着したことになる.
今日の小屋番はオーナーのHDさんと,WYさん.華伊達美弥雄さんは不在.
何となく癖で300円也のお茶を所望する.
“しまった! サイダーにしておけば良かった”
と思うが後の祭り.
「あ~ぁ…! 今日は(山頂まで)3時間もかかっちゃった!」
と愚痴りながら席に座る(正確には2時間57分だが…).
「速いじゃないですか!」
とHDさんがいう.
私は,「年令の割には」という暗黙の枕詞が付いているのを察知している.
暫くの間,小屋番さんやTNさんと四方山話.
TNさんはナントカという花の写真を撮りに日高(ひったか)辺りまで足を延ばすという.TNさんの元気に脱帽.
「…私,今月19日から30日まで,外国へ行っていますので,今度,塔ノ岳に登ってくるのは,9月になってからです…私が姿を見せなくても,『あいつ,死んじゃった』って言わないで…」
と挨拶してから,11時30分下山開始.
■ノンビリ下山開始
山頂には何時の間にか沢山と登山客が屯している.
お盆のため,今日のバスは土曜日ダイアである.ということは大倉発13時10分のバスに間に合えばいい.涼しい所はなるべくユックリ歩いて,12時55分頃大倉に到着するように下山しようと思う.
塔ノ岳山頂に誰か顔見知りの人が居ないかなと思いながらキョロキョロするが,知った顔は見当たらない.
そういえば,今頃の時期は,沿道で花を見掛けることが少ないような気がする.もっとも花のことはサッパリの私が言うことなので余り当てにはならないが…
それでも,見晴山荘付近では,黄色い花が沢山咲き始めている.確かマルハタケブキという花だと教えて貰ったような気がするが,どうかな?
<花立山荘付近のマルハタケブキ>
■7本100円のキュウリ
今回は全くの一人旅下山.少々寂しいけれど(寂しいなんて嘘ばっかり),速度,時間の自由が利くので有り難い.
勝手気ままに下り続けるが,駒止茶屋を過ぎる頃から,だんだんと蒸し暑くなる.ときどきアブが私の周りを旋回するのには閉口する.
ノソノソと下山し続けて大倉の集落に入る.
野菜の無人スタンドで7本100円のキュウリを衝動買いする.形は少々不揃いだが,何と言っても安いし,新鮮で美味しい.帰宅してから丸かじりをするのが楽しみである.
<7本100円のキュウリ>
■大倉でご常連にバッタリ
12時53分にバス停大倉に到着する.
今日は湿度が高かったためか,衣類はそれほど汗ばんでいない,着替えは持っているが,わざわざ着替えるほどでもない.
洗い場でタワシに付いているヒルを警戒しながら,登山靴の泥を洗い流す.
バス停のベンチに座って,ボンヤリとバスの到着を待つ.すると,突然,常連のMGさんが現れる.
「あれ,(FHさん)来られていたんですか?」
一体何処ですれ違ったんだろう.MGさんは尊仏山荘に立ち寄らなかったとのことなので,私が尊仏山荘に居る間に,塔ノ岳山頂に到着.そのまま下山されたんだろうということになる.
バスが到着する.
バスに乗って,着席して間もなく,今度はTDさんがバスに乗り込んでくる.私が塔ノ岳を登り下りしている間に,TDさんとは一回も会わなかった.これまた不可思議.まあ,イイヤ…
MGさんのお誘いで,3人で渋沢駅ビル内のMister Donutsに立ち寄る.私はホットコーヒーを所望する.可愛い店員が何回も,
「お代わりはいかがですか…?」
と廻ってくる.気に入った! 早速,2杯目のコーヒーを頂戴する.でも,調子に乗ると胃を痛めるので2杯で自粛する.
<何倍でもお代わりできるコーヒー> <真ん中の男性は無関係>
■シャワーでサッパリ
コーヒーブレークを終えて,渋沢発13時47分小田原行急行電車に乗車する.小田原で快速アクティ東京行に乗り換えて,14時57風に大船に到着する.
15時半頃帰宅.まずはシャワーを浴びて,着衣を洗濯する.そして,先ほど購入したキュウリにシオを一つまみ掛けて食べる.サクサクとした歯応えが実に良い.
来週19日からの出発に備えて,自宅近くにある掛付けの内科医で健康診断を受ける.血圧が少々高め.高位正常値とやらである.血圧が高い家系に生まれた私の宿命だろう.その他は異常なしで,まあ海外旅行も大丈夫だろう.
今日は長女,次女のところの孫4人が我が家に勢揃いしている.孫達を見ていると,日頃の憂さが吹っ飛んでしまう(実は憂さなんてもともと無いが…).
今日も熱中症にならずに済んで,良かった! 良かった!
<ラップタイム>
7:07 歩き出し
7:34 観音茶屋
7:53 見晴山荘
8:27 駒止茶屋
8:47 堀山の家
9:30 花立山荘
9:46 金冷シ
10:04 塔ノ岳山頂着(20.0℃)
10:30 〃 発
10:41 金冷シ
10:54 花立山荘
11:30 堀山の家
11:49 駒止茶屋
12:13 見晴山荘
12:29 観音茶屋
12:52 大倉着
[山行記録]
■水平距離 7.0km(片道)
■累積登攀下降高度 1269m
■登攀所要時間(雑談時間を含む)
大倉 発 7:07
塔ノ岳 着 10:04
(所要時間) 2時間57 分(2.95h)
水平歩行速度 7.0km/2.95h=2.37km/h
登攀速度 1269m/2.95h=430.2m/h
■下降所要時間(休憩時間を含む)
塔ノ岳 発 10:30
大倉 着 12:52
(所要時間) 2時間22分(2.37h)
水平歩行速度 7.0km/2.37h=2.95km/h
下降速度 1269m/2.37h=535.4m/h
(おわり)
「丹沢の山旅」の前回の記事
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/dae5332e90988b80cecb0b8702ace70c
「丹沢の山旅」の次回の記事
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/c4252998964c286f2502d585a1c9d94b
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