中高年の山旅三昧(その2)

■登山遍歴と鎌倉散策の記録■
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冬の西丹沢:屏風岩山を三角ルートで一回り

2012年01月21日 04時45分10秒 | 丹沢の山旅

                             <屏風岩山の東側尾根から富士山を眺める>

[復刻版]   冬の西丹沢:屏風岩山を三角ルートで一回り
            (湘南カラビナ隊)
          2006年1月20日(金)


<登山地図>



<プロフィールマップ>



注;このプロフィールマップは,この記録とは反対回りに作られている.
  計画段階では,このプロフィールマップ通りの順路で廻ろうかと考えていたが,下りが余りに急峻に
  思われたので,実際は,このマップとは逆回りに歩いた.


■屏風岩山の東尾根ルート
 丹沢の屏風岩山は魅力的な山である.これまで何回となく屏風岩山を訪れているが,何時も大滝峠上から二本杉峠へ抜ける登山道しか通ったことがなかった.そこで,今回,湘南カラビナ隊有志4名は,大滝橋,屏風岩山,大滝峠上を繋ぐ三角ルートに沿って山行を楽しむことにした.
 事前に25,000分の1の地形図,エリアマップ,文献等による入念な調査を行い,プロフィールマップを作成してコースの概要を把握する.
 プロフィールマップをみると,東尾根を下るルートは,最後の大滝沢へ下る付近が極めて急傾斜でザレいる可能性があるようである.そこで,今回は東尾根を突き上げて屏風岩に登り,そこから大滝峠上へ出て,東海自然遊歩道に沿って,大滝橋まで下るルートを辿ることにする.

■登山道の入口を探す
 私達は御殿場線谷峨駅から,富士急湘南バスに乗車し,9時12分にバス停「大滝橋」に到着する.
 軽くストレッチをしてから,9時23分に歩き出す.
 天気予報では,日中は曇で寒く,夜から雪になるという芳しくない天候である.実際に現地に来てみると,曇ってはいるものの,風が殆どなく,あまり寒くない.むしろ登山日和である.
 大滝沢の右岸の林道を歩き始めてまもなく,沢の対岸の川岸にイノシシの飼育小屋が見える.2匹のイノシシが小屋の中を歩き回っている.さらに進んで峯山橋を渡り,今度は大滝沢の左岸を進む.この辺りまでくると林道と川の落差は小さくなって,容易に川岸へ降りることができる.
 進行方向の左側(つまり川の右岸)を入念に見ながら,林道を登ってきたつもりだが,東尾根への登山口が見つからない.地図で確かめると,すでに屏風岩東尾根への入口を通り過ぎていることは確かである.
 そこで,今来た道を引き返して,堰堤脇から河原へ降り,対岸に渡ってみる.川の右岸を少し下ると,登山口らしい谷筋がある.
 谷筋の入口に東京電力の看板が建っていて,柵の中に入らないように注意書きがしてある.ここから谷を見上げると,湧水が凍り付いた大きな岩が立ちはだかっているのが見える.ここを登るのは,山登りに素人の私達には,明らかに危険である.

<東京電力の看板;ここからは登れない>

■急傾斜の道を登る
 私達は引き返して,再び自然遊歩道に戻る.さらに下流に下り,峯山橋を渡り返す.そこからさらに200mほど下って,イノシシの飼育場が見下ろせる付近で立ち止まる.
 良く見ると,道路に接した右岸に,大滝沢に向かってV字型に2本の谷が合流している.地図を参照して,この2本の谷のどちらかが登山口に違いないと確信する.
 子細に眺めると,向かって右側の谷には,入口から少し登った右岸に虎ロープが張ってあるのが見える.ここに違いないと確信して,急坂の露岩帯を登る.そこから先には,虎ロープに沿って,極めて急でザレたジグザグ道が続いている.

<登山道入口と道路を挟んで反対側にイノシシの飼育場のような小屋が見える>


<二つの谷が合流する登山口>

■ミツマタの群生地
 いざ歩き出してみると,このジグザグ道は,意外に良く整備されている.所々に半ば腐った木のハシゴが現れる.山道には枯れ葉が厚く積もっていて,とても滑りやすい.
 10時20分,海抜585m地点に達する.ここで小休止.給水と衣服調整をする.
 急坂はこの辺りで終わりになり,ここからは少しなだらかな登り道になる.ところどころの立木に数字が赤ペンキで書かれている.私達が小休止した所にある木の幹に「10」と大きく書いてある.
 暫く進むと檜林に入る.林の中のトラバース道を登っていく.
 10時29分に620m地点に達する.ミツマタの群生地である.まだ,つぼみのミツマタを見ながら,ジグザグのザレ道を登る.

<ミツマタの群生地>

■鹿除けの柵に沿って稜線に出る
 10時38分,680m地点に達する.正面に鹿除けの金網柵がある.金網に沿って,ミツマタの稜線を登りつづける.バラ線の柵や金網柵に沿って,やや不明瞭な山道を登り続ける.

<鹿除けの柵に沿って登り続ける>

■心地よい稜線歩き
 再びミツマタの群生地の中に出る.木の階段が続く.日当たりの良い傾斜地である.ほどなく,やや痩せた稜線に出る.
 進行方向左側の稜線際に虎ロープが張ってある.稜線の右側はかなり鋭く切れている.
 11時18分に広い稜線に出る.この辺りは落葉樹に覆われていて,とても気持ちが良い.山道の傾斜がなだらかになり,いかにも丹沢の稜線という雰囲気である.進行方向右側にこんもりとした森林に覆われた形の良い山が見える.立ち止まって地図と磁石を使って,周囲の山の山座同定をする.その結果,目の前の山は権現山だと分かる.

<木の枝の間から権現山が見える>

■見晴らしの良い小ピーク
 やがて檜と広葉樹が混ざり合った見通しの良い尾根道になる.尾根の幅も随分と広くなっている.
 11時32分,標高865m地点に達する.右手に鹿除けの金網が始まる.
 11時48分.標高965m峰に到着する.さらに進むと,山道は2方向に分岐する.どちらを辿るのが正解かで迷うが,尾根筋に沿った右手の道を選ぶ.結局,左手の道も,1030m峰の手前で,再び合流している.ここから,さらに進み,両側に鹿除けの柵がある坂道を登り切る.そこからは眺望が利く気持ちの良い稜線道になる.
 12時6分に,3本の広い尾根が交わる標高1045mの山頂に出る.すぐ目の前には,檜の立木に覆われた屏風岩山が見えている.木の間から山頂の広場が透けて見える.その左には山裾まで雪に覆われた見事な富士山が見えている.神々しいほど美しい富士山である.
 薄日も射してきた。風もなくポカポカと暖かいところである.ここで昼食にする.富士山を眺めながらの昼食は最高である(冒頭の写真参照).

<暖かい日射しを浴びながら昼食を摂る;富士山が良く見える>

■屏風岩山頂に到着
 昼食を終えて,12時30分に歩き出す.稜線を少しばかり下り,登り返すと,12時39分に屏風岩山の山頂に出る(標高1051m).山頂は,冷たい風が吹いていて寒い.
 記念写真を撮り合って,12時43分には,稜線沿いに大滝峠上を目指して歩き出す.
 山頂からすぐに急な下り坂になる.小さなアップダウンを繰り返しながら進む.山道の両側には熊笹が生えていて,私達の視界を遮る.

<屏風岩山頂に到着;人影はなくとても静かである>

■少々道に迷う
 12時57分に進行方向右手から大きな尾根が合流する山に到着する.地形図に記載されている989m峰かと思ったが,子細に地形図を眺めると,どうも違うようである.さらに,ほんの数分進むと,再び右手から尾根が合流する山に到着する.どうやらこちらが本当の989m峰らしい.この辺りは,とても紛らわしい地形になっている.
 さらに進む.
 13時27分に道路をふさぐ大きな倒木を通過する.前回,逆方向から歩いたときにも,この倒木を乗り越えて通過したことを鮮明に覚えていた.ここで,今歩いているコースに間違いないことを確信する.
 13時11分,道が大きく右にカーブする.直感的に,
 「おかしいな・・・」
と思ったが,同行のKさんがドンドン先へ進む.私も念のため,もう少し先へ進もうと思う.ここから見通しの良いのどかな尾根道を数分進むと,再び三叉路に出る.おかしいなと実感する.そこで,念のため右手の道を進んでみると,その先が嶮しく谷間に切り込んでいる.その先は危なそうである.すぐに引き返して,左手の道を辿ってみる.こちらも,すぐに道がなくなり,鹿の糞が沢山転がっている檜林に入り込んでしまう.
 先へ行ってみたいという衝動に駆られるが,「安全第一」と心に言い聞かせて,再び先ほどの右カーブのところまで引き返す.
 13時15分に振り出しに戻る.
 ここで,10分ほど時間をロスしたことになる.正しい道は右カーブが始まる竹藪の中にあった.正しいコースの入口が藪に覆われているので,とても見にくい.先ほどは,油断もあって,ついつい見逃してしまった.ここで,常に方位磁石で,自分が進んでいる道の方向を確かめることが重要という基本的なことを再認識した次第である.

■朽ちたベンチ
 13時30分,大滝峠に到着する.路肩に腐り果てたベンチがある.もう廃道になっているのか,笹藪の中に道の痕跡が見える.
 13時34分に信玄平への分岐(925m)に到着する.同行者のKさんが,分岐から少しばかり信玄平道を入り込んでみる.彼によると,道路は荒れていて,木道も腐っている.どうやらザイルで確保しなければ歩けないらしい.この道はもともと東海自然遊歩道の一部だったが,今は安全な尾根道に遊歩道は切り替えられているようである.

<腐ったベンチ>


<廃道に近い登山道入口>

■大滝峠上から大滝橋へ下る
 ここから急坂を一気に登り,13時45分に大滝峠上に到着する.ここからは東海自然遊歩道を下るので,一気に気が楽になる.休憩後,13時40分に大滝峠上を出発し,遊歩道を下る.
 この一般登山道は,さすがに歩きやすい。いつもこの道は登りに使っているので,久々に下りを歩いてみると,新鮮な印象を受ける.
 13時45分避難小屋に到着する.15分ほど休憩して,再び歩き出す.
 15時28分に,今朝,登り始めた登山道の前を通過する.そして,ゲートを通過して,15時41分にバス停大滝橋に到着する.

<今回の登山道入口前を再び通過>

■バス停中川橋へ
 バスの時間まで小1時間ほどの合間がある.バス停の周りには何もない.ただバスを待っているのでは寒くて仕方がない.そこでバス停中川まで歩くことにする.山間の自動車道路をテクテクと歩きながら下る.そして,16時11分にバス停中川に到着する.
 16時35分に,新松田行のバスに乗車する.乗客は私達4人だけである.そして,17時03分に谷峨駅に到着する.
 登山道では,誰にも会わなかった。

<バス停中川橋>

<ラップタイム>

10:08   屏風岩東尾根登り口歩き出し
10:29   620m地点.ミツマタの群生.尾根に出る
10:38   680m地点.鹿除けの金網に突き当たる
10:54   775m地点.ヤセ尾根に出る
11:00   800m地点.小休止(11:03まで)(虎ロープを張った稜線)
11:18   880m地点.広い幅の稜線に出る(落葉樹に囲まれた広い空間)
11:32   865m地点.鹿除けの金網柵が始まる
11:48   965m峰到着.立ち休憩(11:49)
11:56   1030m峰
12:06   1045m峰.三方から稜線が集まる(12:30まで昼食)。
12:39   屏風岩山山頂着(1057m)(12:43まで休憩)
12:57   贋989m峰通過
13:00   989m峰通過
13:11   道を間違えて右へ入り込む
13:25   元へ戻る(ロスタイム24分)
13:30   大滝峠着(13:32まで休憩)
13:34   信玄平分岐(13:40まで休憩)
13:45   大滝峠上(14;00まで休憩)
14:33   避難小屋着(14:44まで休憩)
15:28   東尾根登口前
15:40   車道に出る
15:41   バス停「大滝橋」(15:44まで休憩)
16:11   バス停「中川」着

[山行記録]

■水平歩行距離
          10.2km

■累積登攀高度          858m

■累積下降高度                      937m

■所要時間(休憩時間込み)
 大滝橋 発                           10:08
 中川   着                           16:11
 (所要時間)           6時間03分(6.22h)
 水平歩行速度         10.2km/6.22h=1.64km/h

                                     (おわり)
注;塔ノ岳ご常連の皆様にお薦めのコースである.
  ただし逆回りはやめた方がよい.

「丹沢の山旅」の前回の記事
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/ecec91418482dc5093197aade1312190
「丹沢の山旅」の次回の記事
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/b37a05a5ed5af09216c01a418911c46d

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[編集後記]

2012年1月21日(土)


 昨日から待望の雪である.丹沢の雪景色はさぞかし綺麗だろう.
 でも,残念ながら,今日は用事があって出掛けられない.今,御膳4時30分.これから準備をして出掛ければ,渋沢の1番バスに十分間に合うのに・・・・
 明日,明後日も別件があって,丹沢はお休み.来週の土曜日も別の用事でふさがっている.ということは,平日の合間を見て,小田原で“階段2段飛び駆けっこ”を繰り返すってことか・・
 トホホ・・・・
                                 (愚痴おわり)


  



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