中高年の山旅三昧(その2)

■登山遍歴と鎌倉散策の記録■
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藤村詩碑:浅間山登頂記(11)

2006年10月20日 08時56分51秒 | 関東・伊豆箱根・上信越

 
 ■藤村詩碑
 小山敬三美術館を出た私は,粋月橋を渡って,藤村詩碑の方へ向かった。
 この詩碑は,私が幼少の頃から既に現在地にあったので,とにかく古いものである。詩碑は,往時と少しも変わっていない。私が幼少の頃,遠来の客があると,とにかく懐古園を案内する。そして,この詩碑の前で記念写真を撮ることが多かった。これまで,この詩碑の前で,一体何枚の写真を撮ったのか見当もつかない。

                     <藤村詩碑>

 私は詩碑を改めて読み直してから,さらに先へ進んで,水の手展望台に登る。今年の初夏に,ここを訪れたときは,登り口の石垣が崩れそうになっていて,展望台には登れなかった。だが,いつの間にか立派な鉄製の階段が設置され,今日は展望台にも登れた。しかし,無機質で,無粋な鉄製の階段は,何となく周辺の風情に,馴染んでいないように思える。何とか,もっと周辺の風情に馴染んだ味わい深い階段に作り直してほしいと思う。


■水の手展望台

 水の手展望台には,1組の若い男女が,千曲川を眺めている。邪魔をしてはまずいかなと思ったが,引き返すわけにも行かないので,軽く挨拶して,少し離れた場所から,眼下に蛇行する千曲川を眺める。実に懐かしい風景である。千曲川は蛇行しながら小県方面に流下している。その先に,布引観音が安置されている断崖が連なっている。すぐ眼の下には,水力発電所とダムが見える。

         <水の手展望台から千曲川を望む> 
 左手の南佐久の方を見ると,千曲川の左岸に河岸段丘が盛り上がって見えている。後を振り返ると,浅間連峰が見える。山頂付近には,暗雲が立ち昇っている。不気味な雲を見ていると,明日の登山が気になってくる。手前の空には,半円形の大きな虹が空一杯に架かっている。
 水の手展望台を後にして,高浜虚子句碑の前を通過する。この辺りは昔の馬場である。ここには沢山の桜の木が植えられている。私は馬場をそのまま急ぎ,富士見台に立ち寄る。残念ながら,今日は富士山が見えない。
 動物園に向かう白鶴橋を渡る。深い谷間に架けられた吊り橋である。谷底には千曲川に下る小径がある。
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 幼少の頃,夏になると,頻繁に,この小径を伝って,千曲川へ水遊びに行った。夕方になると,この谷を登って,エッチラホッチラと家に帰る。谷底から上を眺めると鬱蒼とした木々が覆い被さるように繁茂している。そして,高いところに吊り橋が架かっているのが見える。谷間では蝉がうるさく鳴いている。小諸在住の弟によれば,今は,もう,この谷を下る人は,殆どいないらしい。       
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 橋を渡り終えて,動物園に入る。昔ながらのチマチマとした檻が並ぶ動物園には,余り興味が湧かない。それよりも,小さな空間に閉じこめられている動物が,何とも可愛そうである。私は,ほとんど動物は見ないまま通り過ぎる。
 16時30分頃,一旦,料金所を通り抜けて,懐古園の外へ出る。料金所の右手前に建っている徴古館に入る。竹箒を持った男性老人が,どこからともなく現れて,私の入場券を受け取る。そして,また何処かへ消えてしまう。                                                                                      (つづく)



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