中高年の山旅三昧(その2)

■登山遍歴と鎌倉散策の記録■
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春たけなわの丹沢:塔ノ岳(今年15回目)

2009年03月22日 21時38分46秒 | 丹沢の山旅

                   <花立場を登るご常連>

         春たけなわの丹沢:塔ノ岳(今年15回目)
                (単独山行)
             2009年3月21日(土)

■大混雑の3番バス

 春の三連休である.残念ながら,今日,土曜日以外の天気は余り良くないようである.今日は塔ノ岳に登るしか選択肢はない.私は迷わずに今年15回目の塔ノ岳詣でに出掛ける.
 ここ数日の間では,今朝が,放射冷却のために,一番寒いと天気予報が言っていた.しかし,3月中旬ともなれば,いくら寒いといっても,寒さは多寡が知れている.むしろ,昨日午前中降り続いた雨が,塔ノ岳山頂付近では雪になっていないかが心配である.
 5時10分に自宅を出発する.もう東の空が少し明るくなり始めている.随分と夜が明けるのが早くなったなと実感する.

■大混雑の3番バス
 久々に大船から東海道線で小田原を経由して渋沢に出る.藤沢からフリーパスを使う場合に比較して,500円ほど高くなるが,その分,乗換回数も少なくて,実に楽.それに,所要時間も30分ほど短くなる.
 休日,渋沢発の3番バス(平日の2番バス)は,これまでの経験から,大変な混雑が予想される.私は,渋沢駅の跨線橋に一番近い車輌に乗り込む.そして,渋沢駅に到着すると同時に,年甲斐もなく,ダッシュして,バスに乗り込む.勿論,悠々と座ることができた.窓際の座り心地の良い席に座って,一一呼吸する.同じ電車に乗っていた登山客が,次から次へと乗り込んでくる.瞬く間に空席が無くなっていく.
 そのとき,何と山旅スクール5期のIさんが,乗り込んでくる.私の隣の席に座って,
 「・・・今日は,flower-hillさんが,きっと塔ノ岳に登ると思っていましたよ・・」
と図星.
 Iさんは,今回,1人で塔ノ岳へ挑戦してみるという.山旅スクールで言ういわゆる「自立した登山者」を目指すのだろう.私は,一緒でも,別行動でも一向に構わない.どうせ土曜日で,水戸黄門のテレビもない(これは冗談).遅くなっても,どうということはないが・・・

■山旅スクールのノシイカさん
 お互いに別行動ということで,私は7時40分にバス停大倉を,何時も通り,1人で歩き出す.私の直ぐ前を,ご常連のローギヤー氏が歩いている.
 「・・・お早うございます.済みません.また,例によって,花立ぐらいまで先に行かせて貰います・・」
と挨拶して,ローギヤー氏の前に出る.
 私の前後には,沢山の登山客が数珠繋ぎに連なっている.大半の登山者は,たまにしか登山をしていない方々なので,超ユックリペースで登っている.何となく厭な言い方かもしれないが,先行している登山者が道を塞いでいるので,なかなか思うような速度で歩くことができない.仕方がないこととはいえ,多少,イライラする.それでも,道幅の広い所で,少しずつ追い抜かせて頂く.
 8時28分に一本松を通過する.そして,平坦な尾根道に差し掛かる.尾根道の取っ付きのベンチで,1人の女性が休憩を取っている.何気なく通過しようと近付くと,なんと山旅スクール5期のノシイカさんである.
 「あれ,今日は・・・」
とノシイカさんが私に挨拶をする.予期しない所で,ノシイカさんに会ったので,私も大変驚く.
 「今日,トドさんが登ってくるって聞いていたので,私も出てきました・・」
 「トドさんとは,同じバスでしたよ.後,15分か20分もすれば,トドさんも追いつきますよ・・」
 「どうしようかな・・・でも,私,1人で登ってみます・・」
 「じゃあ・・私も先に行きます.30分ぐらいは,尊仏山荘で待っていますよ・・・」
 私は,予定通り,1人で歩き続ける.

                   <堀山の尾根からの富士山>

■ご常連のK大Nさん
 8時40分に,駒止茶屋を通過する.歩き出してから,ピッタリ1時間である.この所要時間から察して,今日の自分の調子は,まあ,まあ,普通といえよう.
 やがて,堀山の尾根に出る.今日は富士山が良く見えている.例によって,富士山の写真を撮る.
 8時50分,堀山を通過する.登山道は多少泥濘だが,まあ,まあ,歩きやすい.私は歩行速度を速める.そして,8時56分,堀山ノ家を通過する.小草平からも富士山が良く見えている.ベンチには10人ほどの登山者が休憩を取っている.
 すぐに岩稜地帯に入る.何となく調子よく登り続ける.途中,何人かの登山客を追い抜くが,逆に中年のベテラン男性に追い抜かれる.
 狭くて長い階段道を登り詰めて,9時12分に戸沢分岐を通過する.戸沢分岐から萱場平までの会談をユックリと登っている男性がいる.後ろ姿に何となく見覚えがある.近付くと,K大Nさんである.
 「今日は,暫く振りです・・・済みません,先に行かせて貰います・・」
と挨拶して,Nさんの先に出る.
 そういえば,前回(3月15日)も,ピッタリ同じ所で,K大Nさんを追い越していた.

                  <萱場平の地面の状態は良い>
              ※たまたま,後ろ姿のK大Nさんが画面に入った.

■ご常連のTさん
 萱場平で定点観測の写真を撮る.このとき,何となく足が疲れてきたような気がする.そこで,歩行速度を少し落として,身体に無理がかからないように注意する.それに,今日は気温がかなり高いので,意識的に給水するように努力する.
 やがて,花立山荘手前の階段に差し掛かる.この階段を登り切るのに,大体6~7分掛かる.ウンザリである.私は長い階段の上の方を見てガッカリしないように,足元だけ見ながら,
 「ほんの5~6分の辛抱だ・・とにかく一歩一歩登るんだぞ・・・」
と怠惰な自分の心に,絶えず言い聞かせる.
 花立山荘の少し手前で,前方から下山してくる男性が,私に声を掛けてくる.
 「・・やあ,flower-hillさん・・・」
声の主は,ご常連のTさんである.私は,驚きながら,
 「あれ・・今日は随分とお速いですね」
と挨拶する.
 何時もならば,花立場へ向かう坂道ですれ違うのに.今日は花立山荘に到着する前である.私が遅いか,Tさんが速いかのどちらかである.Tさんが言う.
 「・・この所,調子が良くて,(山頂まで)2時間を切っています・・」
 「相変わらずすごいですね・・・ところで,山頂の気温はどのくらいありましたか?」
 「+4℃.暖かでした・・・」
 「昨日はどうされましたか・・雨でしたが?」
 「さすがに,昨日は登りませんでした・・」

                 <花立山荘のベンチは大にぎわい>
           ※この中に,ご常連の三角髭Tさんとご常連の女性が居る.

■ご常連の三角髭Tさん
 9時33分,何とか花立山荘に到着する.堀山ノ家からの所要時間は37分.35分で歩けば上々だが,少々遅い.
 「でも,まあ,1週間空けての山行だから,仕方がないな・・・」
と自分に言い聞かせながら,山荘を通過しようとする.山荘前のベンチは登山客で,ほぼ満席である.そのとき,
 「・・ほら,あの方がflower-hillさんですよ・・」
と言っている男性の声が聞こえてくる.ビックリして見ると,ご常連の三角髭Tさんが,日焼けした顔でニコニコしている.やはりご常連の女性と雑談の真っ最中である.私はお二人に軽く会釈をする.女性が,Tさんに質問する.
 「ところで,Tさん.毎日,登っておられるんですか・・・」
 「ええ・・でも,三ノ塔に登ることが多いです.あちらの方が,空いているんで・・」
 女性が私にも質問する.
 「私は,塔へは,せいぜい,週に2回程度ですよ・・・」

            <山頂直下の登山道:ご常連のMさんが下ってくる>

■登山客で賑わう塔ノ岳山頂
 花立山荘で雑談していたので,少々,時間が押してくる. 
9時48分に,やっと金冷シを通過する.これでは,10時前に山頂に到着するのは無理なようである.なあ,なるようになれで,ユックリペースに変えて歩き続ける.先ほど雑談したご常連の女性が,私のすぐ後に付いてくる.私も背後霊のように,前の人の後を付けて歩くことがあるが,逆に背後霊が後に付くと,とても厭なものである.
 私は,金冷シから最初の階段で,やや歩行速度を上げて,女性との距離を広げる.そして,平坦な場所でさらに歩行速度を上げて,女性との距離を広げる.後を振り返っても見えなくなったのを確かめて,最後の階段に差し掛かる.
 すると,前からご常連のMさんが降りてくる.お互いに一言,二言,挨拶をする.そこでまた失速.最後の階段を登り詰めて,10時01分に塔ノ岳山頂に到着する.今日の大倉から山頂までの所要時間は,2時間21分.途中で雑談をしたとはいえ,やっぱり20分を切ることができなかった.
 休日なので,山頂には,沢山の登山客が屯している.
 私は何時ものように,山頂からの眺望を写真に収める.今日も,富士山,南アルプスの山々がとても良く見えている.

                <塔ノ岳からの富士山,南アルプスの眺望>

■尊仏山荘
 尊仏山荘に入る,先客は,ご常連が数名である.今日の小屋番は,営業部長ミー君の忠実な僕,Oさん他.山頂の気温は+4.0℃.暖かい.
 先客の中に,戸沢分岐辺りで追い越されたご常連が居る.
 「さきほど追い越されましたが,どのくらいの時間で登られたんですか・・」
と伺ってみる.
 「・・う~ん・・そうですね.2時間ぐらいかな・・・」
 私も,決して遅い方ではないが,2時間前後で登ってこられるご常連に比較すると,情けなくなるほど遅い.最も,他人と比較しても詮無いことだ.要は,自分自身の過去,現在,未来を比較することだ.そんなことは,頭の中では,十分分かっているのだが・・・

 営業部長のミー君は,あいにく不在である.ニャーニャー鳴きながら,恋人探しにでも行っているんだろうか.とにかく,会えなくて残念である.

■ユックリと下る
 私は大倉12時42分発のバスに乗りたいと思う.ユックリ下山したいので,余裕を見て,10時20分に尊仏山荘を出発する.外に出ると,さすがに寒い.雲が少し出てきたようである.
 山頂を少し下った所で,K大Nさんとすれ違う.さらに,下った所で,さきほど一本松でお会いした山旅スクール5期のノシイカさんとすれ違う.ノシイカさんは随分と元気なようである.
 沢山の登山客が列になって登ってくる.登山者に混じって,大きな荷物を背負ったチャンピョンが登ってくる.軽く挨拶をする.
 10時35分,花立場を通過する.露岩帯を下っていると,同じバスに乗り合わせた山旅スクール5期のIさんが登ってくる.今日のIさんは調子が良さそうである.Iさんは,
 「前回よりも,大分速く登っていますよ・・・」
と満足げである.
 その後も,時計を見ながら,ユックリと下山し続ける.途中でややノンビリしすぎて,見晴茶屋から先は随分と速度を速める.そして,12時26分,予定の時間に大倉バス停に到着する.同じバスに乗り合わせたローギヤー氏も,私と前後して,大倉に到着する.
 一般の登山客が下山して来るには,まだ時間が早い.12時40分のバスは空いている.暖かな春の陽ざしが車内に射し込んでくる.日溜まりが心地よくて,だんだんと眠くなる.小田原経由で,14時30分頃,無事,帰宅.
 家には,北鎌倉に住む孫娘一家が遊びに来ている.

             <堀山ノ家:松ぼっくりで作った装飾品を売っている>

[ラップタイム]

 7:40  大倉歩き出し
 7:59  観音茶屋
 8:13  見晴茶屋
 8:40  駒止茶屋
 8:50  堀山ノ家
 9:33  花立山荘(9:36まで雑談)
 9:44  花立場
 9:48  金冷シ
10:01  塔ノ岳山頂 着
=============================================
10:15  塔ノ岳山頂 発(+4.0℃)
10:41  花立山荘
11:21  堀山ノ家
11:38  駒止茶屋
12:01  見晴茶屋
12:12  観音茶屋
12:26  大倉 着

[山行記録]

■水平歩行距離
     7.0km(片道)

■累積登攀下降高度    1201m

■登攀所要時間(休憩時間を含む) 
  大倉発        7:40
  塔ノ岳山頂着    10:01
  (所要時間)  2時間21分(2.35h)
 登攀速度  121m/2.35h=511.1m
 水平速度  7.0km/2.35h=2.98km/h

■下降所要時間
  塔ノ岳山頂発    10:15
  大倉着       12:36
  (所要時間)  2時間11分(2.18h)
 下降速度  1201m/2.18h=550.9m/h
 水平速度  7.0km/2.18h=3.21km/h
                          (おわり)

「丹沢の山旅」の前回の記事
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/bfdf8fbf6ea3af88c860bf47090ffb86



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