中高年の山旅三昧(その2)

■登山遍歴と鎌倉散策の記録■
最初に左下の“カテゴリー”を選んで,クリックして下さい.

カッコウが啼き出した丹沢塔ノ岳(今年29回目)

2008年06月17日 16時44分59秒 | 丹沢の山旅

                <雲に囲まれた尾根道:富士山は見えない>

          カッコウが啼き出した丹沢:塔ノ岳
               (第29回目)
               (単独山行)
           2008年6月16日(月)


■少々早く大倉を歩き出す
 梅雨の合間をみて,塔ノ岳へ出掛ける.
 急に思い立って出掛けるので,自宅で朝食を摂る時間がないので,途中,コンビニで,少々余計に食べ物を仕入れて,電車の中で,モソモソと食べる.
 例によって節約型のナントカキップを使って,小田急渋沢へ出る.
 渋沢発2番バスは空いている.登山客はほんの数名しか乗っていない.バスの前の方に,ご常連のローギヤー氏が,飄然と座っている.
 そそくさとストレッチを済ませて,7時31分にバス停大倉を歩き出す.何時もと比較して,少々早めの出発である.

■ネコ論文のシナリオを考えながら・・・
 6月も中旬である.天候が晴れてくると,随分と蒸し暑くなる.
 昨夜,パソコンに向かっている内に,柄にもなく22時頃までも頑張ってしまった.その報いで,今朝は何となく眠くて,身体が重い.それに,先ほど電車の中で,急いで食べたサンドイッチが原因なのか,多少胸焼けがする.
 「ああ~・・・今日は辛いな~ぁ・・・どうしようか」
と思いながら,登り始める.
 登山道の状態は,最初,まあ,まあ,だったが,高度が増すにつれて,次第に湿っぽくなる.私は,黙々と登り続ける・・・・すると,先日ブログに頂戴したコメントを,ふと,思い出す.それは,「ネコは飼い主に似ているか」というテーマである.
 言われてみれば,尊仏山荘のOさんは,営業部長のミー君に良く似ているかも知れないな・・・もし,このテーマで論文を書くとしたら,どんな風に纏めようか.そんなことを考えながら,何となく登り続ける(この件(くだり)は,ブログに登録済み).

■頑張る同年輩
 でも,人間の行動って,不思議である,心の中は「ネコ論」に,気を取られているのに,ふと我に返ると,ちゃんと歩き続けている.でも,高原の家との分岐で,ラップタイムを記録するのを失念してしまう.
 正気に戻って,分岐を通過して,雑事場ノ平へ歩き始める.丁度その時,前を歩いている年輩の男性に追いつく.私は,
 「今日は暑いですね・・・」
と他愛のない挨拶をする.この挨拶が切っ掛けとなって,暫くの間,雑談をしながら,一緒に登り続ける.
 お話をしている内に,彼と私が同じ年齢だと分かる.
 「先週,1ヶ月半振りにバカ尾根を登りましたが,5時間も掛かっちゃいました・・」
と彼が言う.もし,3時間半程度で登れるのならば,一緒に登ろうかとも思ったが,さすがに5時間ではお付き合いできない.
 「申し訳ありませんが,先に行かせて貰います・・・」
とお断りして,先を急ぐ.

■へろへろで駒止茶屋を通過
 8時08分に見晴茶屋を通過する.この辺りまで来ると,何となく重いと感じていた体調も平常通りに回復している.私は無理をしないように気を付けながら,長い登り坂を登り続ける.8時23分に一本松を通過する.そして,8時37分に駒止茶屋に到着する.大倉を歩き出してから,駒止茶屋まで,もう,1時間06分も掛かっている.1時間が目標だったので,すでに6分も超過している.今日は,山頂まで,良くて2時間20分台,まごまごしていると2時間30分はオーバーするなと予測する.
 やがて,平坦な尾根道に出る.涼しい風が尾根を吹き抜けている.ただ,今日も辺り一面に雲が立ち込めていて,富士山は全く見えない.どこからともなく,ツツドリの鳴き声が聞こえてくる.私の前後には,誰も居ないようである.私は静かな尾根道を楽しむようにして,先へ進む.
  
       <山麓のアジサイ>                  <修行僧山を下る>

■カッコウが啼いている
 8時54分に堀山ノ家を通過して,急な岩稜に取り付く.廻りには珍しく人気が全くない.私はマイペースで登り続ける.体調が回復してきたので,楽なペースで登り続けることができる.
 9時12分に萱場平に到着する.ここで定点観測用の写真を撮る.梅雨時にしては,今日は地面が良く乾いているようである.このとき,遠くの方から.カッコウの啼き声が聞こえてくる.今年の夏,始めて聞くカッコウの啼き声である.
 私は休憩を取らないまま登り続けて,9時33分,無事,花立山荘に到着する.この辺りより上の標高が高い所は,すっかり霧に覆われている.山荘前のベンチには人気がない.ここまでくると,カッコウの声が一層良く聞こえてくる.
 花立場の手前で,ご常連のTさんとすれ違う.相変わらず大倉から2時間前後で山頂まで登られているようである.Tさんは,
 「この所,天気が悪いんで・・・今月は3日,休みましたよ・・・」
と愚痴る.
 花立場のコルで,今度はご常連の三角髭さんとすれ違う.お互いが元気なことを確認しあう.

                       <今日の萱場平>

■尊仏山荘にて
 10時丁度に,塔ノ岳山頂に到着する.今日はローギヤー氏に追い越されることもなく,何とか無事に山頂に到着できた.今日のラップタイムは,大倉から山頂まで,2時間29分,辛うじて2時間30分を廻らずに到着することができた.山頂は無風.雲が多いものの,直射日光が遮られ,とても心地がよい.山頂では2人の登山客が休憩を取っている. 尊仏山荘に入る.今日の小屋番はOさん.
 1番バスで来られたご常連が,私の顔を見るなり,
 「ネコはあっちにいるよ・・・」
とボデーランゲージで教えてくれる.
 10時丁度の山頂の気温は,+18.8℃.絶好の気温である.ご常連のTさんも居る.お腹をさすりながら,
 「どうもメタボ気味で・・・」
と自嘲する.
 Oさんが,
 「昨日,人が死にましたよ・・・」
と物騒なことを話し出す.
 「堀山ノ家辺りで・・・40才代の男性.どうやらくも膜下出血だったようで・・・詳しいことは分かりませんが・・・」
 この話を伺って,私も今年辺りは脳ドッグに入らなければと不安になる.
 つづいて,Tさんが,赤ワインの貯蔵法について語り出す・・・つい先日のテレビで紹介された話である.あのテレビでは,家庭で赤ワインを保管するには,冷蔵庫の野菜かごが一番だと言っていた.
 「どうせ安いワインしか飲まないけれど,冷蔵庫に入れておけば,常温に放置した高級ワインより美味いなんて・・・良いこと聞いたよ」
私も同感.

               <雲も美しい塔ノ岳山頂からの眺望>

■また同年齢の方に会う
 営業部長には会えなかったが,そろそろ下山しようと思う.
 10時28分に,尊仏山荘を後にする.山頂にはそよ風が吹いていて,何とも気持が良い.季節は確実に廻っているなと実感する.こんなに心地よい天気ならば,ユックリと下山しようと心に決める.ノソノソと金冷シを目指して下り続ける.登ってくる登山者と,時々すれ違う.
 10時38分に金冷シを通過する.そして,花立場の手前の上りで,「5時間掛かっちゃった」と言っていた老人をすれ違う.
 「やっと,今頃,ここですよ」
と老人は自嘲気味に挨拶する.
 「飛んでもないです! 今日はずっと速かったですね」
と彼を慰める.
 10時51分に花立山荘を通過する.山荘前のベンチはガラ~ンとしている.誰も居ない.いくら平日とはいえ,誰も居ないとは珍しい.

■瀕死の子鹿
 その後も,のんびりダラダラと下り続ける.
 12時18分頃,高原の家からの登山道と合流点に近付く.一人の男性が,携帯電話で頻りに誰かと連絡を取り合っている.合流点に近付くと,小さな子鹿が,私の直ぐ近くから飛びだしてくる.そして,ヨタヨタと分岐点から少し離れた所で立ち止まっている. 彼が私に話しかけてくる.
 「あの子鹿・・・死にそうなんですよ.さっきまで,鳴いていましたよ.立っているのがヤッとのようです.もう身体に蝿が沢山止まっています・・・母鹿とはぐれたようです.このまま放置したら,間もなく死んじゃいますよ.」
と一気に説明する.
 「あの鹿ですか?」
私は心細そうに立ちつくす子鹿は,本当に気の毒だなと思う.でも,今,地元では鹿の食害に脅かされていて,鹿の駆除をしている最中である.
 「下へ連れて行こうかとも思いますが,人間が触れたら,臭いが付いて,母親が面倒見なくなっちゃうんでしょうね」
と彼は言う.
 私は内心で,ひょっとしたら母親は射殺されてしまったのではないかと,不吉なことを考える.
 
        <山麓からの眺望>                 <瀕死の子鹿>

■大倉に帰着
 仮に子鹿を捕まえようとしても,何も道具もないし,経験もない私達にはどうにもならない.
 私は,何ともやり切れない気持のまま,ここを立ち去るしかなかった.ただ,母鹿が無事でいるように願うだけである.とはいえ,真偽のほどは良く分からないが,食害だけではなく,鹿がヤマヒルを丹沢中に広げる害獣だという説もある.
 12時42分に大倉に到着する.
 12時52分のバスに乗車する.まだ,大半の登山客は,下山していないらしくて,バスに乗った登山者は,たった2人だけだった.

[ラップタイム]

 7:31  大倉歩き出し
 7:36  登山口
 7:45  丹沢ベース
 7:52  観音茶屋
 8:06  雑事場ノ平
 8:08  見晴茶屋
 8:23  一本松
 8:37  駒止茶屋
 8:46  堀山
 8:54  堀山ノ家
 9:10  戸沢分岐
 9:12  萱場平
 9:33  花立山荘
 9:43  金冷シ
10:00  塔ノ岳山頂 着
=======================================
10:38  塔ノ岳山頂 発(+18.8℃)
10:38  金冷シ
10:51  花立山荘
11:09  萱場平
11:11  戸沢分岐
11:25  堀山ノ家
11:33  堀山
11:42  駒止茶屋
11:55  一本松
12:08  見晴茶屋
12:10  雑事場ノ平
12:24  観音茶屋
12:30  丹沢ベース
12:33  登山口
12:42  大倉 着

[山行記録]

■登攀・下降高度
  1201m

■水平移動距離   6.5km

■登攀所要時間
  大倉発      7:31
  塔ノ岳山頂着  10:00
  (所要時間)  2時間29分(2.48h)
 登攀速度   1,201m/2.48h=484.3m/h

■下降所要時間
  塔ノ岳山頂発  10:28
  大倉着     12:42
  (所要時間)  2時間14分(2.23h)
 下降速度   1,201m/2.23h=538.6m/h
                         (おわり)
次の記事
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/1d926876e616a463907f60ba6967118f
前の記事 
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/b40c6e923c173f9945dd778e60506bec



最新の画像もっと見る

4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
コメント有り難うございます. (flower-hill_2005です)
2008-06-19 09:11:04
suzukaさま
度々のコメント,有り難うございます.
マチャピチの情報,有り難うございます.
近々,私のブログの中に「ペルー旅行記」(仮称)を開設するつもりでおります.
どうぞ,よろしくお願いします.
返信する
マチャピチ (suzuka)
2008-06-19 07:59:19
いるかのミュージック。。というラジオ番組が土曜の朝7時にある。昔10年以上前、猫の声の音楽を流した
猫の集会で多数の猫のなきごえだった。我が愛猫はかなり興奮し、一目散にラジオの方向にむかい。一生懸命探し回っていた。医学部28年理系薬系は8年の勤務だった。彼らも、山を趣味とする人は多、。分生の教授はおならを録音していた。ある薬学の教授はリタイア後琴の教授に。私も琴を弾く、ひばり、ちどり、、鳥の声の曲がそういえば、ある。風鈴はうるさいという同僚もいた。ペルーはかなり、旅なれた人でも頭痛に苦しんだ。でも知性も感覚も十分満足できる。
返信する
コメント有り難うございました. (Flower-Hillです.)
2008-06-18 14:43:39
suzuka様
ペルーの高山病,大変でしたね.
私も高山には弱い方ですので,ペルー旅行には少々心配しております.最高地点の標高が約5800メートルもあるので,本気で用心しています.
同行者がパルスオキシメーターを準備し,私も,本日,医師から処方箋をもらって,ダイヤモックスの手配をしました.
ネコの声の録音は,尊仏山荘の営業部長にお願いするしかありませんが,彼は無口で,あまり鳴いてくれません.従って,録音は,多分無理だと思います.
この辺で・・・
返信する
高山病 (suzuka)
2008-06-18 09:51:49
ペルーは平成17年2月に行った。高山病で5キロ以上はやせて帰国した。頭痛と食欲不振、まったく食べられなかった。スイスでも中国黄龍でもかかった、この経験からチベットはあきらめた。ガトーが猫だが、犬はみても猫はみかけなかった。録音のチャンスは???
昨日17日ラジオで泣くこと(人間が)のレクチャーを医者がし、なるほど、動物実験を平気でやれる人間のコメントとかんじた。犬や猫にはかんきわわまってなき涙をながすことはしないと断言した。枕草子に犬もなみだをながすのですねとかかれている。かんきわまるという感情は犬でも猫でもある。私の脳エネルギーが動き出してきた。
返信する

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。