<塔ノ岳山頂の霧氷>
温かい日射しを浴びて登る丹沢:塔ノ岳(今年5回目)
(単独山行)
2011年1月22日(土)
■大倉のご来光
西の空に,雲間の月がまん丸に煌々と輝いてる.寒くて誰も居ない住宅街の道を,湘南モノレールの最寄りの駅まで急ぐ.
「何で,こんなに早くて寒い時間にわざわざ出掛けるの・・?」
と私の心に潜んでいるもう一人の私が,頻りに愚痴を言っている.正直なところ,かく言う表の私も,何を好き好んで,朝一番の電車に乗るのか良く分からない.
今日は土曜日.半分居眠りをしながらガラガラの湘南電車で小田原へ向かう.電車の中が少し寒いので身を縮めていると,身体のあちこちが段々と強張ってくる.
小田急線渋沢駅から大倉行の1番バスに乗車する.暫くすると下り電車が渋沢駅に到着したらしくて,沢山の登山客がドヤドヤとバスに乗り込んでくる.バスはたちまちの内に満席となる.三角髭のTさん,M田さん,K大Nさんなどご常連の皆さんの顔も沢山混じっている.また,どういう訳か韋駄天のTさんが,今日は居ない.
7時少し前に,バスは大倉に到着する.ご常連の皆さんはソソクサと登山を開始する.私はまたモタモタ.ついに15分後の2番バスの乗客と一緒になってしまう.
東の空から太陽が昇り始める.もう冬至から大分日が経っているが,空が明るくなる時間は一向に早くならないような気がする.
<大倉の日の出>
■自分の影を踏みながら・・
この所の乾燥した天気で,山麓の登山道はカラカラに乾ききっている.歩きやすい.ただ,登山道に入った途端に,登山靴が砂埃で汚れてしまう.今朝の気温は,大分温かいようである.
歩き出してみると,身体が少し重い.どうやら快調とは言えないようである.そこで,歩き出のペースは少し抑え気味にする.
韋駄天組は,もうとっくに私の先を行っているが,登山口付近から観音茶屋付近までの間に,同じバスに乗り合わせた沢山の登山客を追い抜かせて貰う.
観音茶屋を過ぎて,やや急な石ころ道に入った辺りで,K大Nさん追いつく.
「おはようございます」
「やあ・・(お会いするのは)2週間ぶりですね・・」
「実は,先週の日曜日,山仲間と一緒に大山へ行ってきました・・随分と沢山の登山客でしたが,客層が塔ノ岳とは違いますね」
「そうでしょう・・・塔ノ岳に較べると山に馴れていない人が多いでしょう.山のマナーも余り良くないでしょうね.」
「はあ,そうですね・・」
「塔も日曜日より土曜日の人たちの方がマナーが良さそうですね・・」
お二方と見晴山荘まで,ご一緒してからお別れ.ここから単独山行になる.お二方と雑談しながらユックリ歩いたので,ラップタイム的には,2~3分遅れたような気もする.
8時14分,駒止茶屋を通過する.大倉からの所要時間は1時間04分.少し遅いが,まあ,こんな所だろう.
気温は2℃.この辺りから,日中溶けずに凍り付いたままの霜柱が見え始める.
上の方に人の気配がする.ウッドさんである.ウッドさんは,左手を上げて,
「やあ・・・」
と私に声を掛けて駆け下りていく.ウッドさんの背中の鈴がチンチンと音を立てている.
大倉の尾根に差し掛かる.冬枯れの木々を抜けて日光が射し込む.自分の影を踏みながら,尾根道を進む.実に気分が良い.今日も富士山が,とても良く見えている.
■萱場平
堀山の家から急な登り坂になる.途中,若手の登山者数名に追い越される.若い方々の体力がつくづく羨ましい.
8時52分,萱場平を通過する.残雪は前回よりも一層少なくなっている.
■花立山荘
時々,頑健な登山者の追い抜かれる.それでも,後7分坂を6分で登って,9時12分に花立山荘を通過する.登り始めてから,2時間を2分オーバーしている.気温は0℃.相変わらず富士山が良く見えている.
山荘前のベンチで,登山客が1人,休憩を取っている.
■花立山の眺望
これまで,ややペースを落としていたためか,今のところ疲労感は全くない.そのまま登り続けて,8分ほどで,花立山山頂に到着する.ここで,何時ものように,富士山と南アルプスを望むパノラマ写真を撮影する.
花立山から金冷シの途中にある2カ所の小さな下り坂は,根雪が凍結.アイゼンを装着するほどではないが要注意.
ここで,毎度のように大柄な男性(スーパージャイアンと命名しよう)に追い抜かれる.スーパージャイアンは,大倉尾根を2時間程度で登っているようだ.
■凍てつく登山道
9時26分,金冷シを通過する.この辺りからは,量は少ないものの凍結した根雪が連続している.
山頂直下の急階段で,下ってくる三角髭のTさんとすれ違う.
■塔ノ岳山頂
9時38分,塔ノ岳山頂に到着する.大倉からの所要時間は2時間28分・・・まあこの程度なら仕方がない.山頂の気温はマイナス3℃.ただ無風なので日向は暖かい.
相変わらず富士山,南アルプスなどの山々の展望が素晴らしい.北側の斜面には僅かながら樹氷が残っている.
■尊仏山荘
尊仏山荘に入る.同じバスに乗り合わせていた韋駄天組がベンチの片隅に座っている.小屋番はOさん他.例によって300円也のお茶を所望する.
私の顔を見るなり,Oさんが2階からミー君を連れ出す.今日のミー君は機嫌がよい.髭を前に広げて,ニャーニャーと盛んに啼く.Oさんが,
「よし・・もういいから2階へ行って寝ていなさい・・」
とミー君を促す.
そうこうしている内に,K大Nさんが山荘に到着する.
「おや・・今日は随分速いですね・・」
「そうなんです・・・この頃,調子が良いんです.でも今日は少し気温が高かったですね・・前回より5分程余計に(時間が)掛かりましたよ」
私には,今日ぐらいの気温が一番登りやすかったが,感じ方は人様々のようである.
ウッドさんのことが話題になる.小屋番のOさんによると,彼は1日に大倉尾根を5往復するそうである.5往復と言えば私の1ヶ月分を1日に登っている計算になる.凄い!
■沢山の知り合いとすれ違いながら下山
今日は休日.バスのダイヤが平日と違う.私は大倉発12時40分のバスにユックリ間に合うように,10時05分に尊仏山荘を出発する.
山頂直下の階段を下っていると,先ほどウッドさんがチンチンと鈴を鳴らしながら登ってくる.
「あれ・・もう登ってこられたんですか,速いですね・・」
ウッドさんは例のポーズで「ヤァ~ッ・・」と言いながら山頂を目指す.
花立山付近で,山旅スクール7期の男性(名前思い出せない)とすれ違う.彼は,現在,ミロクで大活躍している.今日は13キログラムのリュックを背負って登っているという.凄い人だ.
ここで下ってくるウッドさんに追い越される.
登ってくる沢山の登山客とすれ違いながら,ノンビリと下る.何時ものことながら,下りは実に楽しい.今日は柔らかい冬の日射しをタップリ浴びながらの下山である.心地よいので心が弾む.
萱場平手前の階段道で,山旅スクール5期の男性,Iさんとすれ違う.山旅スクール12期の皆さん数名を引き連れての山行である.今日は丹沢山のみやま山荘泊まりとのこと.
萱場平からの急な下り坂で,何時も1番バスに乗っている努力家のOさんとすれ違う.今日は息子さんと一緒である.
見晴山荘手前で,3回目の登山で登ってくるウッドさんとすれ違う.
バスの時間まで,まだタップリ余裕がある.真っ青な空と丹沢の山々を眺めながら,実にノンビリとした気分で下り続ける.こういうのを正に珠玉の時というのだろう.
予定通り,12時32分に大倉バス停着.
<ラップタイム>
7:10 大倉歩き出し
7:29 観音茶屋
<<この間,K大N氏他と同行>>
7:46 見晴茶屋
8:14 駒止茶屋
8:32 堀山の家
9:12 花立山荘
9:25 金冷シ
9:38 塔ノ岳山頂着(-3.0℃)
=====================================
10:05 塔ノ岳山頂発
10:19 金冷シ
10:34 花立山荘
11:14 堀山の家
11:32 駒止茶屋
11:58 見晴山荘
12:13 観音茶屋
12:32 大倉 着
[山行記録]
■水平歩行距離 7.0km(片道)
■累積登攀下降高度 1,269m
■登攀所要時間
大倉 発 7:10
塔ノ岳 着 9:38
(所要時間) 2時間28分(2.47h)
登攀速度 1,269m/2.47h=513.8m/h
■下山所要時間
塔ノ岳 発 10:05
大倉 着 12:33
(所要時間) 2時間27分(2.45h)
下降速度 1,269m/2.45h=518m/h
(おわり)
[加除修正]
2011/1/24 転換ミス訂正
「丹沢の山旅」の前回の記事
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/f826be87cb2bc3cb8ce71b8f7f2c4b26
「丹沢の山旅」の次回の記事
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/f08f43c783b8530568a93c6efddc5706
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最近、お声を掛けて頂けるようになりました。
私も、もっとちゃんとした挨拶をするようにしたいです。「やあ~」では申し訳ありません。
これからもよろしくお願いいたします!
コメント有り難う!!
ウッドさんは私から見たら超人.神様のような方です.
そのウッドさんに私のブログを見て戴いているとは! 大変嬉しいです.これからも宜しくお願いします.
私は他の山へ行く予定がないときは,塔へ週に2回程のペースで登るようにしています.
今週土曜日(1/29)は,用事があって塔へは行けませんが,次の土曜日(2/5)は,天気が良い限り,エッチラホッチラ塔へ参ります.
ウッドさんの元気な姿を拝見すると勇気づけられます.毎回,お目に掛かれるのを楽しみにしています.
今後とも,このブログをどうぞよろしくお願いします.