英語学習は続く・・

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そして原書をたくさん読んで☆
声を上げて読む〜☆

怪人二十面相 116

2023-02-23 19:27:32 | 怪人二十面相

 森の入り口に、散歩の帰りらしい十人ほどの、小学生たちが、立ちどまって、このようすをながめていました。

At the edge of the woods, there were around ten elementary school boys were watching it.

 二十面相は走りながら、じゃまっけな小僧どもがいるわいと思いましたが、森へ逃げこむには、そこを通らぬわけにはいきません。

Twenty Faces thought they were in his way but he had to go through them to get in the woods.

 なあに、たかのしれた子どもたち、おれのおそろしい顔を見たら、おそれをなして逃げだすにきまっている。もし逃げなかったら、ちらして通るまでだ。

They are just children. I can scare thm off with a furious expression. If they didn't, I will just kick them off.

 賊はとっさに思案して、かまわず小学生のむれに向かって突進しました。

The thief considered it and plunged into the crowd of boys.

 ところが、二十面相のおもわくはガラリとはずれて、小学生たちは、逃げだすどころか、ワッとさけんで、賊のほうへとびかかってきたではありませんか。

But he was wrong. The boys did not run away but rushed toward him.

 読者諸君は、もうおわかりでしょう。この小学生たちは、小林芳雄君を団長にいただく、あの少年探偵団でありました。少年たちはもう長いあいだ、博物館のまわりを歩きまわって、何かのときの手助けをしようと、手ぐすねひいて待ちかまえていたのでした。

My readers must have know already. These boys were that detective boys led by Yoshio Kobayashi. They had been walking around the museum, waiting for the cance they could do something to help.

 まず先頭の小林少年が二十面相を目がけて、鉄砲玉のようにとびついていきました。つづいて羽柴壮二少年、つぎはだれ、つぎはだれと、みるみる、賊の上に折りかさなって、両手の不自由な相手を、たちまちそこへころがしてしまいました。

First, Kobayashi darted at Twenty Faces like a bullet. Next, Souji Hashiba, and next, they all piled on themselves on the thief and defeated.

 さすがの二十面相も、いよいよ運のつきでした。
「ああ、ありがとう、きみたちは勇敢だねえ。」

Even Twenty Faces got his luch run out.
"Oh, thank you. You boys are so brave."

 かけつけてきた中村係長が少年たちにお礼をいって、部下の警官と力をあわせ、こんどこそとり逃がさぬように、賊をひったてて、ちょうどそこへやってきた警察自動車のほうへつれていきました。

Just arrived Nakamura thanked them and with some helps of other policemen he took the thief to the poice car.

 そのとき、門内から、黒い背広のひとりの紳士があらわれました。さわぎを知って、かけだしてきた明智探偵です。小林少年は目早く、先生のぶじな姿を見つけますと、驚喜きょうきのさけび声をたてて、そのそばへかけよりました。

At that time there was a gentleman in black suits came out from the gate. He heard the tumult and ran to here. Kobayashi found him and dashed to him with a cry of joy.


「おお、小林君。」
 明智探偵も、思わず少年の名を呼んで、両手をひろげ、かけだしてきた小林君を、その中にだきしめました。美しい、ほこらしい光景でした。この、うらやましいほど親密な先生と弟子とは、力をあわせて、ついに怪盗逮捕の目的をたっしたのです。そして、おたがいのぶじを喜び、苦労をねぎらいあっているのです。

"Oh, Mr. Kobayashi."
Akechi called his name, opened his arms and hugged the boy. It was beautiful, proud scene. With their great friendship, the master and his apprentice achieved an aim catching the thief. And they are happy with their being safe and sound, appreciating eath other.

 立ちならぶ警官たちも、この美しい光景にうたれて、にこやかに、しかし、しんみりした気持で、ふたりのようすをながめていました。少年探偵団の十人の小学生は、もうがまんができませんでした。だれが音頭おんどをとるともなく、せずしてみんなの両手が、高く空にあがりました。そして一同、かわいらしい声をそろえて、くりかえしくりかえしさけぶのでした。
「明智先生、ばんざーい。」
「小林団長、ばんざーい。」

All policemen were lined up, impressed by this beautiful scene and watching them quietly. The ten other boys couldn't help anymore. Who knows which one started, all the hands were raised in the air. Everyone shouted repeatedly with their cute voices.
"Hurray, Mater Akechi!"
"Hurray, Leader Kobayashi!"

The end

 

終わりました☆