≪手を動かさねばっ!≫

日常で手を使うことや思ったこと。染織やお菓子作りがメインでしたが、病を得て休んでいます。最近は音楽ネタが多し。

浜松市楽器博物館へまた行った。その4(ピアノその1)

2023-03-09 20:26:06 | 音楽
浜松市楽器博物館へまた行った。その3(クラヴィコード) よりつづく

チェンバロ、クラヴィコードのつぎは初期のピアノ。クリストフォリのピアノから歴史は始まるのだ。
1年前の見学の記事 でアップしたので機構については詳しくは述べない。

クリストフォリ・ピアノ 河合楽器製作所 1995 浜松 現存する3台のクリストフォリ製ピアノをもとに復元したもの
とキャプション。 

浜松市楽器博物館にはクリストフォリの復元ピアノの音の出る仕組みが分かる模型もある。ハンマーが現在のピアノと全然違うというのが分かった。

影踏丸さんという音楽史などの物知りさんが ネットにたくさん記事をアップしていてひじょうに勉強になる。海外の当時の文献を翻訳して読み解ける方なのだ。凄い、一体何者 !?
最近のアップにちょうどピアノの誕生についての記事があって、黎明期のピアノとして クリストフォリのもの以外にタンジェントピアノというものが挙げられていた。わたしは全く知らなかった、有難い。 ピアノの誕生、前編:ドゥルチェ・メロス(鍵盤楽器音楽の歴史、第147回)
タンジェントならクラヴィコードなんじゃ?と思いきや、キーを押している間タンジェントが弦を押さえ続けるわけではなく、固定されていない棒状のタンジェントをポンと打ち上げたり 関節がついていて跳ね上げて弦を打つらしい。音程を決めるのはチェンバロのように弦長なんだな。そこがクラヴィコードとは違う。音ごとにダイナミクスをつけられるという特徴からピアノだというわけだな。
リンク先に タンジェントピアノによるモーツァルト幻想曲ハ短調 K.475 の素晴らしい演奏動画が貼られているのでおススメだ。

クリストフォリのピアノについてはこの2本の記事が詳しい。
ピアノの誕生、中編:クリストフォリの発明(鍵盤楽器音楽の歴史、第148回)
ピアノの誕生、後編:クリストフォリの現存楽器(鍵盤楽器音楽の歴史、第149回)
現存するクリストフォリのピアノは3台しかないけれど、改造してしまって当時の音を再現できない。まだしも復元楽器の方がよいだろう、とのこと。
クリストフォリの設計も時の経過によって変化しているらしい。改良ともいう。

そして、その当時 新たに世に現れたピアノという楽器でどのような曲が演奏されたのだろうか、という記事。
黎明期のピアノのための音楽(鍵盤楽器音楽の歴史、第150回)
浜松市楽器博物館のギャラリートークで、復元クリストフォリ・ピアノによるヘンデルのハープシコード組曲第2集第4番のサラバンドを聴くことが出来た。ピアノといってもずいぶんチェンバロ寄りの高い倍音の多い音に聞こえた。音のアタックというか音のあたまがチェンバロに比べるとずいぶん柔らかかった。




ピアノ ジョン・ブロードウッド John Broadwood & Sons 1802頃 ロンドン 
キャプションには 突き上げ式シングルエスケープメント とある。 クリストフォリから一気に100年経ってしまったな。


弦の上にダンパーではなくてジャックレールが載っている。ちょっと黄色っぽい細長い板だ。その1 で学芸員さんが外したアレと同じようなパーツである。


キャプション。ブロードウッドは現存する最古のメーカーなんですって。





これもブロードウッドのピアノ。やっぱりジャックレールが載っているように見える。
ブロードウッド John Broadwood & Sons 1800~1808 ロンドン 


ペダルが3本ある。真ん中のは低音のダンパーだそうだ。使い分けると効果的な表現が出来るのだろうか?
ダンパーといっても今のピアノのようなダンパーではなくてチェンバロのジャックのような形だけどミュートの機能なのだろう。
キャプションには 1806?突き上げ式シングルエスケープメント とある。浜松市楽器博物館のHP内の所蔵資料データベースと年の表記が違う。





   浜松市楽器博物館へまた行った。その5(ピアノその2) へつづく


 

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