この夏、ぐんま昆虫の森で『カメムシすごいぜ!』展 を観に行った ときに買ったもの。
期せずして共生細菌づいてます。あっ、ネタバレ(別の本)か!?
この本に直接関係ないし、その話はヤメ。
虫って特定のものしか食べない「偏食」が多いよなあ、と漠然と思っていた。
哺乳類だと あっちをつまみこっちをつまみ という感じで、たとえ草食といえでも色々な種類を食べていたり、虫に比べりゃ意外と偏食じゃないな、とは思っておったんである。
まず本文冒頭からそのことについて始まる。
p.2
「これは何か仕掛けが隠されていそうである。
この謎に関しては古くから多くの研究がおこなわれており、現在ではかなりはっきりした答えが得られている。栄養成分が著しく偏った餌資源だけを利用して生活している昆虫は、体の内部に共生細菌を保持しており、餌資源の中に不足している栄養分を共生細菌に合成してもらうことで栄養不足を解消しているのである。」
抗生物質の投与によって共生細菌を取り除いて育てたチャバネアオカメムシの写真はなかなかインパクトがある。
そして、色々な種類の昆虫が共生細菌を持っているらしい。
例えば、アブラムシ類、ゾウムシ類、ツェツエバエ類、ヒトジラミ類、など。ああなるほど、餌が偏っている気がする。
p.4
「これらの昆虫の共生細菌は、単一の共通起源をもつのではなく、昆虫分類群ごとに独自の進化的起源をもっているのだ_」
長い歴史があるらしい。もう切っても切れない仲のようだ。
p.6
「・共生細菌は宿主昆虫の菌細胞の内部に寄生している
・共生細菌は宿主昆虫の母親から子へ垂直伝播される
・共生細菌は宿主昆虫と共種進化している
・共生細菌のゲノムサイズが非常に小さくなっている」
ここまで教えちゃってからのカメムシなんですよ。
カメムシといえば母親が卵を守る行動が有名である。さあ、それと垂直伝播を掛け合わせるとどういう面白いことが出てくるでしょう? というのがこの本の醍醐味である。
生き物って面白いねえ!
ひるがえって、ヒトがどうか、というと、腸内細菌ネタはずいぶん耳にするようになったし、皮膚常在菌とか、われわれの体にはすっごく沢山の種類や量の菌がいるらしい。
そのうちその分野で面白い本に出会うことを期待している。
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