80ばあちゃんの戯言(2)

聞いてほしくて(つづき)

ワンガリ・マ-タイさん(2)

2017-02-09 14:32:10 | 最近の出来事
29歳の時ワンガリ・マータイさんは実業家のムワンギ・マタイさんと

結婚しました。3人の子供にも恵まれ、夫は国会議員に立候補しました。

マータイさんは大学の仕事や植林の活動、家事や育児に関わりながら、

夫の選挙活動を助け、夫は国会議員に当選。ところが或る日夫は突然家財

を持ち出し家を出たのです。

結婚から8年、マータイさん37歳の或る日、マータイさんが仕事を終え、

家に帰ると、家の中のものが殆どなくなっていました。

いったいどういうことと言うマータイさんの問いかけに、だんな様が家の

ものを車に積んで出て行かれましたと言う返事。マータイさんは夫は何故

出て行ったのか、自分は出来るだけのことをしていたつもりだったのに

何が、悪かったのかと自問自答しました。

夫は自分の離婚を有利にするために、マータイさんが議員と寝たと、マス

コミにデマを流しました。当時のケニヤは男性社会、そんな中で彼女の学歴

の高さと社会的地位の高さが人々のねたみとなり、夫の言葉を信じてしまっ

たのです。

ワンゲチさん(アメリカに一緒に留学した友達)

”新聞が書く彼女と実際の彼女とはあまりにも違っていました。ケニヤでは

女性があまりに成功すると、妬みから批難され、糾弾されたりするのです。

時には売春婦呼ばわりされるくらいです。女性は、そういうターゲットになり

やすいのです。”

結局、マータイさんは裁判に負けました。だが、このことが、マータイさん

の闘志に火をつけたのです。

マータイさん

 ”私は自分のことを女性だと思ったことはありません、自分が意識したのは

 自分の能力と可能性だけです。(マータイさんは男性優位の裁判を批判。)

 担当した裁判官が無能だとか、 買収されたとか言うつもりはありません。

 誰が、裁判官だったとしても、 結局、同じ判決が下っただろうと思います。”

その発言は法廷侮辱罪に問われ、マータイさんは懲役6ヶ月の刑で刑務所に入れ

られましたが、 友人達の奔走でなんとか3日後に釈放されました。

この時、マータイさんの気持ちは決まっていました。

マータイさん

”私は人に悪いことも、法を犯したこともない。なのに何故こんな目に会わなけ

ればならないのか、わたしに誹謗中傷の責任をとらせ、女性の主張が通るよう

にするには、彼ら男性と同じ土俵で闘うしかないと解った。”



マータイさんは大学を辞職し、国会議員への立候補を決意したのですが、提出

書類に不備があると、立候補は認められず、職を失い、借りている家

からも追い出され、愛する3人の子もなくしてしまったのです。

そんなどん底に落ちてしまったマータイさんが、どうして強権政治を行う大統領に

勝利を収められるようになったのか(つづく)