野に還る

ペンタックスをザックに
野山に花や鳥、虫たちを追う。
身を土に返すまでのほんの一時
さあ野遊びの時間の始まりだ。

奥多摩むかしみちを歩く

2018-11-19 20:52:49 | ハイキング

今日は11月19日。節季でいうと立冬の第三候となる。立冬第三候は

「金盞香」「きんさんかんばし」とよむ。金盞は金の盃を意味し、冬

雪の中に咲く水仙、の異名となっている。尚、スイセンはヒガンバナ科の

多年草で、東西問わず神話や伝説の題材として取り上げられている。

 さらには雪中花や雅客などのたいそう趣のある異名もある。

 

 私の育った東北では水仙は3月から4月にかけて雪解けの頃に咲き始める。

12月に咲く関東に住んでもう40年近くになるというのに、いまだに年明け前に

咲く花の姿に座りの悪い違和感を覚える。幼い頃に培われた季節感は

拭い去れずにどうやら一生ついて回るようだ。

 

  奥多摩駅の近くの駐車場に車を止めて歩く。 暫くはバス道を歩き、その後右に折れて

古道に入っていく。

 

 

 むかしみちの看板がある

 

 急な羽黒坂の途中にある羽黒三田神社

 

 少し歩くと小河内ダムの建設に使われたトロッコ軌道が見えてくる。

暫くこの軌道跡は見え隠れしながら、むかし道と並行していていく。

 

 

 

 道沿いにはたくさん道祖神が祀られていて、花や水が絶えることがない。

 

 

 車一台がやっと通れる狭い道に沿って集落が点在する。

 

 日当たりの良い斜面に季節外れのタチツボスミレが咲いていた。

 

 周りの景色はすっかり晩秋の装いだ。

 

 昭和の匂いが濃い建物が次々と現れ、不意にタイムスリップしたような錯覚に陥る。

 

  アイテムはトタン板とマキ

 

 そしてドラム缶とシャベル

 

 むかし道からいったん青梅街道に降りる。ここ檜村橋は紅葉の名所。

 例年、橋からの渓谷の紅葉が素晴らしいのだが、今年は少しだけ早かったようだ。

 

 

 境の集落山の斜面を切り崩し、道を通し家を建てている。

 

 唐辛子が陰干ししてあった

 

 時の重みのままに沈み込んでしまった廃屋は屋根が人の背丈より低い。

 

 見上げると高みにはトロッコ軌道と銀杏の樹

 

 

 道沿いの道標

 

 渓谷沿いに立つ民家。こんな眺めを見ながら寝起きする暮らしは一体どんなだろう。

 

 

 

 川の向こうの斜面には色とりどりの紅葉がひろがる

 

 5分ほど歩く再び次の集落が現れる。

 

 この家のイチョウの黄葉は毎年素晴らしいのだが、今年は見ごろはもう少し先のようだ。

 

 冬に備えてたくさんの薪が蓄えられている。

 

 両脇には枯葉が寄せられている。

 

 

 この集落を過ぎた辺りからむかしみち一番の紅葉の名所

惣岳渓谷となる。

 

 

 しだらく橋

 

 

 橋からの紅葉

 

 

 

 街中では殆ど見ることがなくなったトタン塀の家

 

 

 この惣岳渓谷付近には 馬の水飲み場、縁結び地蔵尊、玉堂の歌碑、虫歯地蔵尊、牛頭観音

と名所が続く。

 

 

 

広場にあるのは消防訓練の建物

 

 木に覆われ、草むらに包まれ人の住んだ家は、主を失ってからは

速やかに自然に帰っていく。

 

 長くなったのでこの辺で。

 


最新の画像もっと見る