家づくり、行ったり来たり

ヘンなコダワリを持った家づくりの記録。詳しくは「はじめに」を参照のほど。ログハウスのことやレザークラフトのことも。

プライスレスな家のスペック

2005年01月17日 | 家について思ったことなど
「プライスレス」なる流行り言葉をもたらしたCMを見ていて、ふと思いつき、家のスペックにおいて以下のような分類をしてみた(当然のことながら、主観かつ大雑把)。

・プライスを付けられるもの、付けられそうなもの
広さ、建材、空調機器、水周りの住宅設備機器、照明機器、防音性能、換気性能、断熱性能、気密性能、耐震・免震性能、防蟻

・プライスを付けられないもの、付けにくいもの
外観、内観、眺望、採光、通風性能、掃除のしやすさ、照明のレイアウト、住人に適した動線、素材の経年変化、収納物の出し入れのしやすさ、理由不明の居心地の良さ

 ほかにも、分類すべき住宅の構成要素があるかもしれないがご容赦のほど。

建築素人である私の勝手な分類にすぎないが、並べてみると、何かいろいろなものが見えてくる気がする。
<その1>
 プライスを付けられるスペックはハード面からのコストアプローチがしやすいからであって、付けられないものの多くはソフト的な付加価値である。
例えば照明器具にはプライスがあるが、それらをどのように配置するかという技術に定価的なプライスはつけにくい。どんなにいい器具を使おうとも配置次第で台無しになることだってありうるので、配置の仕方には間違いなく価値がある。
<その2>
 住宅の良さを論じるのにプライスが付けられるものばかり題材にしてもしょうがない。特に、施主を絡めた最近の家づくりの議論を聞いていると、この方面の話が多く、何か欠けている感が否めない。プライスレスな価値を放っておいて、いい家ができるとは思えない。
<その3>
 プライスがつけられる要素のグレードを高めることは、ローコスト化を難しくする。何も工夫しないままコストを落としたら「安かろう悪かろう」になりそう。いいローコスト住宅とは、もしかしたらプライスレスな価値の拡大を目指すことによって価格以上の満足感を得たものではないのか。
<その4>
 建築家のテクニックはプライスレスな価値部分に、より大きく機能する(注)。プライスレスなものに無理にプライスをつけるとすれば、設計への対価の一部分になるのかも。
<その5>
施主の知恵・能力・経験を加えることによって機能が向上する可能性のある要素はプライスレスなものの方に多い。

 分類をにらめっこしていれば、まだ何か浮かんできそうだが、とりあえずここまで。

 (注)必ずしもすべてプラス方向とは限らない。例えば、掃除のしやすさ。家の中に大きな足場を組まなきゃ掃除できないような住宅を平気な顔してつくる建築家はそこそこいるもよう。

1/15、16の現場

2005年01月17日 | 建築現場記録
 写真は庭の南東方向から見た風景。越屋根の垂木が並んだ図が気に入っている。今回の進捗とは関係ない。

 2階ではワークショップの机や、書斎の本棚など造作家具の取り付けが始まっていた。がらんどうの空間が、徐々に生活のための空間へと変貌していく感じ。
 14日に設計事務所と工務店で打ち合わせがあり、詳細仕様について確定したようで、これから追い込みが期待される。

 これまでの進捗具合から、計画どおりの日程での竣工は無理であることは目に見えていた。近々、工程を正式に再調整する場が設けられる。
遅れは、昨年秋の悪天候のせいもあるが、設計と施工で建てながら調整していく事項が多い家づくりであるせいでもある。人間系の部分による遅れはなんとかなる場合もあれば、どうにもならない場合もある。
工期の短縮には役に立たないので、現在ぐだぐだとその原因究明をするつもりはない。手を抜いて遅れているということはなく、むしろ、手を入れようとして遅れている感もあり、遅れはマイナス面ばかりではない。
とはいってもこの状況を歓迎するということはありえず、なんとかなる部分で少しでも遅れを取り戻してもらいたい。