チェーンスーパーの駐車場に大きなガジュマルの木がある。景観条例で切らずに残した。買い物は細君に任せ木陰で一服しようと思い、丸い花壇の縁、ベンチ状に腰かける。すると先客がいて白髪頭の小柄なお爺ちゃんでストライプ柄のポロシャツと灰色のズボン、手にはスーパーの小さなレジ袋。何かじゃべり続けて居るので、独り言かと思ったら私に話しかけていることに気が付く。
なんて美しい首里言葉か。昔のTV郷土劇場(沖縄ローカル)で聴いたか、40年以上も前に我がお婆ちゃんから聞いて以来だ。とても丁寧で上品。言っていることを標準語に訳すると「お兄さん、その灰皿(野外用の大きな銀色)を私の近くに移動してくれないか?足が悪いからお願いね」。本来なら100%方言で返したいが半分、民族の主体である言葉を失いつつある私は無言で灰皿を移動してあげるのみ。お爺ちゃんの感謝の言葉に嬉しくなって微笑んでしまう。それから、お爺ちゃんの独り言(少し痴呆気味なのです)が始まり、四角いちり紙を買いたいがお金は有ったか?千円?あ、4千円ある、これで買えるか足らないかと繰り返すので「ちり紙、千円しないはずですよ」と教えてあげる。標準語にすれば味気ないが、お爺ちゃんの首里言葉の美しさに幸せな私。その後、買い物を終えた細君と荷物を運んでいるとお爺ちゃんがトイレットペーパー売り場に無事到達したのを見てホッとした。
豚々ジャッキー帰りで2回もラッキーでした。美味い、美しい言葉
よんでくれてありがとうございます