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愛しの六本木

2009-10-12 | 時代の光景U+203CU+FE0E
用事で待ち合わせの時間まで、ブラブラ慣れない街を散策してみた。

若い頃は、何かと用事や仕事で、六本木界隈にいることが多かった。

あれから、いくつもの星が流れヒーロー達は老いて介護が必要となった。

今じゃ滅多に訪れることもなく、ライブや映画とかで、年に数回あるかないかの六本木。

すっかり縁のない遠い街になってしまった。

そして、すっかり街も変わったのかと思いきや。
全く変わってないことに驚いた。

相変わらずアジアの戦後をそのまま演じていた。

ある意味、六本木は戦後東京の世界遺産である。

俺もあの頃、結局ただの西洋乞食だったのだろうか。

水溜まりから神様が現れる。

値踏みされたがる黄色い女と、ビール片手に値踏みしている白い男に問いかける。

王様の耳をみたことがあるかい。

あの頃もどこかでいつも感じてた。

言葉にならない感傷とその景色。

どこにでもあるアジアの風景だ。

物の通りがわかってきたアジアの女子は、気づかない振りをして通り過ぎる。

物の通りがわかってきたアジアの男子は、ただ目をそらす。

アジアの点と線。

今夜、僕等はまた一つアジアの片隅に点を描くのだ。

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