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😠国民民主の要求が実現しないなら日本は後進国だ#2024/12/10 # 😠村上 尚己#アセットマネジメントOne株式会社

2024-12-12 09:04:09 | 連絡
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村上 尚己
エコノミスト
アセットマネジメントOne株式会社 シニアエコノミスト。
東京大学経済学部卒業。
シンクタンク、外資証券、資産運用会社で国内外の経済・金融市場の分析に従事。
2003年からゴールドマン・サックス証券でエコノミストとして日本経済の予測全般を担当、2008年マネックス証券 チーフエコノミスト、2014年アライアンスバーンスタン マーケットストラテジスト。
2019年4月から現職
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2024年も残るところあとわずかとなり、今年を振り返る話題も多くなってきた。
日本株市場は3月22日に日経平均株価が一時4万1000円に達する大幅高となり、アメリカ株をアウトパフォームして、年前半は世界の投資家から注目を集めていた。
 😠 円安リスクに過度な対応、日本株は年後半盛り上がらず
だが、7月の通貨当局による円買い介入、そして日銀の利上げ開始をうけて、8月初旬に日本株市場は急落した。 
その後、ドナルド・トランプ氏の大統領再登板への思惑が揺れ動く中で、アメリカ株が最高値更新を続けた一方で、日経平均株価は3万8000円台~3万9000円台付近で方向感なく推移している。
よほど大きな変動でもない限り、2024年は「アメリカ株>日本株」となり、日本株市場は「盛り上がらない年だった」と位置付けられるだろう。
日本株市場に関しては、コーポレートガバナンス強化、新NISA(少額投資非課税制度)制度の導入、などの効果を強調する論者が多かった。
実際には、日本株のパフォーマンスを決めるのは、金融財政政策が妥当に行われるか、経済成長が実現するか否かであることが改めて確認されたということだ。
 一方、アメリカでは実質経済成長率は2%を超える成長が続いて、インフレ率が落ち着いた。
これはジェロームパウエル議長率いるFRB(連邦準備制度理事会)の金融政策がうまくいった帰結である。
一方で、日銀による7月の利上げは性急な利上げだったと位置付けられる。「2%インフレ」実現に達しない中で、引締めは慎重に行うべきだったにもかかわらず、「円安リスク」に過度に反応した政策ミスだったということだろう。
2025年はトランプ次期政権の政策、FRBの政策対応がうまくいくかは不透明だが、2期目となるトランプ次期大統領のマクロ安定化政策は引き続き、大きな問題は起こらない、と筆者は予想している。
一 方で、日銀による前のめりな利上げが続きそうだ。
このため、アメリカ株市場はPER(株価収益率)などの指標では割高ではあるが、経済ファンダメンタルズの観点から、日本株に期待することは2025年も難しい、と筆者は考えている。
ただ、石破政権のもとで、今後の財政政策次第では、来年の日本株市場の姿が変わる可能性がある。
所得減税、消費減税を掲げて総選挙で躍進した国民民主党の主張を、石破政権がどの程度取り入れるかで、日本の財政政策が変わるためだ。
 財政政策が拡張的に作用すれば、2025年の日本経済は停滞から脱する。
もし日銀の利上げが前のめりで実現しても、財政政策の押し上げ効果が上回り、2025年の日本株は、アメリカを超えるパフォーマンスが期待できる。 
 😠国民民主党の主張は穏当、実現できないなら「後進国
もっとも、国民民主党が提案している所得減税は、トランプ次期政権が掲げる税率の引き下げは伴っておらず、基礎控除などの引き上げによる減税である。各種の控除金額の引き上げは、過去数年起きたインフレに対応して引き上げられるのだが、これは多くの先進国でも行われている当然の政策措置である。
いわゆるブラケットクリープ問題への対応であり、アメリカのように所得税率の基準となるテーブルは、インフレ率に合わせて毎年調整すべきである。
その意味で、国民民主党が主張する減税は、基礎控除だけに限定されているのだから、実はたいしたことはない。
インフレの上昇に対応せずに、税制を調整しければ一方的な増税である。
他国同様にインフレに応じて、控除や税率基準を調整するのは、減税というよりは、過度な税負担を行わないという至極当たり前の政策である。
 国民民主党が掲げる基礎控除などの引き上げの根拠は、最低賃金の引き上げ幅に対応しており、自民党などは、これが過大だと考えているようだ。
ただ、先述したとおり、インフレに応じて、税率テーブルを調整していないのだから、国民民主党が主張する基礎控除の大幅引き上げは、かなり穏当な政策に位置付けられる。
 近年、税収が過去最高で増え続ける一方で、家計の可処分所得の増加はかなり緩やかだった。
インフレ率の上昇が続いているにもかかわらず、税制を維持して、インフレタックスの負担が増えていることが大きく影響している。
これを是正するのは常識的な対応ではあるが、仮に実現しないのならば、「後進国」の政策対応と言わざるをえない。
 日本経済の1990年代半ばからの「失われた20年」は金融財政政策の失政によってもたらされたことが、アベノミクスの成果によって、多くの人が認識するに至った。
アベノミクス発動で、日銀の執行部が変わり日本の金融政策はアメリカと同じ水準に追いついたのだが、「第2の矢」である財政政策は、コロナ禍の緊急時の非常期を除き、総じて緊縮的な政策が続いていた(消費増税が2014年、2019年の2回行われた)。  
 緊縮的な財政政策が続く中で、インフレ率の上昇に税制が適切に調整されない怠慢によって、インフレタックスによる家計の負担が高まっている。それゆえ、穏当ながらも減税を主張する国民民主党が躍進するのは、必然だったということである。
 😠「財政政策転換」実現なら、2025年は日本経済の転機に
日本経済は正常化に近づいたが、まだ道半ばにあると筆者は位置付けている。やはり、経済正常化の完全実現を阻んでいるのは、極めて保守的な財政政策である。
ただ、国民民主党の躍進によって、財政政策が、アメリカなどと同様に2025年からまっとうに機能するシナリオがみえてきた。
アベノミクス発動から時間はかなり経過してしまったが、安倍政権が目指した財政政策の転換が10年越しに実現する可能性がでてきた、ということである。日本経済復活の最後の障害を克服するに至れば、2025年は日本経済にとって大きな転機になるだろう。
😟 😨😖😬 😓 本稿で示された内容や意見は筆者個人によるもので、所属する機関の見解を示すものではありません。本記事は「会社四季報オンライン」にも掲載しています)




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