中国の工業生産が11月に市場予想を上回る伸びを示す一方、小売売上高は予想に届かなかった。
景気回復はなおまだら模様で、中国当局には経済の下支えに向けた圧力が強まりそうだ。
国家統計局が15日発表した11月の工業生産は前年同月比6.6%増加。ブ
ルームバーグ調査のエコノミスト予想中央値は5.7%増だった。
比較対象となる前年同月は厳格な新型コロナウイルス対策で伸び悩んでいたため、その反動が出た。
11月の小売売上高は前年同月比10.1%増加。予想の12.5%増に届かず、消費者需要の低迷が中国経済にもたらす脅威が浮き彫りとなっている。
1-11月の固定資産投資は前年同期比2.9%増。市場では3%増加と見込まれていた。
China's Economic Activity Picked Up Last Month
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マッコーリー・グループの中国経済責任者、胡偉俊氏は「ベース効果を除くと、小売売上高や不動産を中心に、中国経済が11月に一段と減速したことは明らかだ」と指摘。
胡氏の最新推計によると、先月の小売売上高は前月比で1.9%減少したという。
習近平指導部は景気支援策の強化を迫られている。
根強い不動産危機がコロナ禍後の経済回復の足を引っ張る一方、デフレ圧力は低位に沈む消費者信頼感を示している。
国家統計局は声明で、「外部の不安定・不確定要因がなお多く、内需も不十分とみられる」と説明。
「経済回復の基礎を強化する必要がある」とした。
〇中国、来年は産業政策重視-大型の需要刺激策は期待薄か
中国人民銀行(中央銀行)は15日、中期貸出制度(MLF)の1年物金利を2.5%に据え置いた。
MLF経由の資金供給は満期到来の吸収分を除いて純額8000億元(約16兆円)と、月間ベースで最大規模となった。
インフラ支出の裏付けとなる国債の増発分を購入する銀行の余力が高まることになる。
MLFを通じた今回の大規模資金供給を受け、預金準備率が近く引き下げられる可能性はその分低くなったと指摘する市場関係者もいる。
〇中国人民銀、MLF金利2.5%に維持-資金供給16兆円と最大規模
オーストラリア・ニュージーランド銀行(ANZ)の邢兆鵬シニアストラテジストは11月の中国経済指標について、今年の政府目標を達成するのに「十分」だと分析。「市場にとって最大の問題は、来年3月に公表される2024年の成長率目標だ」と指摘した上で、人民銀は「一連の逆風に対して何らかの対応」を講じるべきだと述べた。
オーストラリア・ニュージーランド銀行(ANZ)の邢兆鵬シニアストラテジストは11月の中国経済指標について、今年の政府目標を達成するのに「十分」だと分析。
「市場にとって最大の問題は、来年3月に公表される2024年の成長率目標だ」と指摘した上で、人民銀は「一連の逆風に対して何らかの対応」を講じるべきだと述べた。
原題:China’s Mixed Economic Data Unlikely to Quash Growth Worries (2)(抜粋)
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