2021年3月に成立した70歳就業確保法に続き、年金改正法案も可決成立した。年金が支給される年齢を遅らせられる幅が75歳まで拡大する今回の年金改正は、さらなる年金支給年齢引き上げの布石ではないかとの声もあるが、この改正でシニアの働き方や転職はどうなるのか。より長く働き続けてほしいという国の意図を感じる年金改正がシニアの働き方や生活に与える影響を考える。
今回、年金改正でポイントとなるのは次の4点だ。
- 年金をもらう年齢を遅らせられる幅が75歳まで拡大する(「繰り下げ受給」)。年金をもらい始めるタイミングは、1カ月単位で遅らせることができ、1年間遅らせると8.4%増額する。70歳からもらう場合は42%増額するが、さらに遅らせればさらに増額するため、75歳からもらう場合は最大84%まで増額する。これが最大のメリットとなる。
- 働くシニアの年金減額基準が緩和
- パートなど短時間労働者への厚生年金適用拡大
- 個人型確定拠出年金(イデコ)に加入しやすくなる。個人型確定拠出年金iDeCo(イデコ)とは、自分自身で掛金を積み立て、さらにそれを運用して老後に受け取る年金だ。掛金を運用する確定拠出年金には企業型と個人型があり、企業が掛金を出すものが企業型、個人が掛金を出すものが今回の年金改正で話題に上っている個人型である。年金改正によって、これまで企業型確定拠出年金(企業型DC)に加入している会社員の多くがイデコを併用できなかったものが、2022年10月から併用可能となる
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