風景写真春秋

残日録代わりの風景写真です。
もちろん「日残りて、昏るるに未だ遠し」という意味合いです。

熊野・丸山千枚田 その3

2016-05-22 | 三重県・山・尾鷲熊野
 三重県熊野市紀和町にある、日本の棚田百選のひとつに選定されている丸山千枚田です。
 これから棚田を離れ、棚田を俯瞰できる場所から写します。

①まずは県道沿いの見晴らしがきくところから写します。
 ここは3、4台しか車が停められないので長くおれず、10枚ほど撮っただけで移動です。












⑤次に、県道沿いの長時間駐車可能なスペースへ車を置き、25分ほどのきつい登りで、熊野古道通り峠道の上の、千枚田展望所へやってきました。


⑥これが展望所から見た、丸山千枚田のほぼ全景です。
 この場所は狭く、10人ほども入ればいっぱいになってしまいます。


⑦いったん、三脚を立てたら移動は出来ず、同じような構図の写真ばかりになってしまいます。


⑧時間経過による水田のきらめきや、あぜ道の青さの変化などを中心に写すことになります。


⑨もうひとつ、くねくね曲がって向こうへ続く、道路のおもしろさもあります。


⑩天気がよすぎて太陽のひかりが強く、夕陽も夕焼けも写すことができません。
 上空を飛行機が少し雲を引いて通過して行きます。





⑫さて、それでも待っているのは、あの道路を車がライトを点けて走ってくれるのを期待しているからです。
 そのライトのくねくねうねる、光跡をねらいたいのです。


⑬時間の経過とともに、水田の色合いが変わって行きます。


⑭実は昨年もこの場所で、車の光跡を撮りに来たのですが1台も車が通らず、結局ブログには掲載できませんでした。
 ことしも嫌な予感がしてきました。


⑮長い時間がたったように感じます。
 10人いた中で、6人は帰ってしまいました。
 一人は星と水田の写真を撮るということで、半徹夜をするようです。
 私もあきらめて、三脚からカメラとリモートコントローラー、ストーンバッグを外しました。
 その時誰かが来たと声をあげました。
 右上方面から車が下ってきたのです。
 大急ぎでカメラとリモコンだけはセットしましたが、その間車は写真の位置まできてしまいました。
 あわててピントが甘く、少しブレています。
 バルブ、73秒です。


⑯先ほどの車は下の建物に入ったので待つことにしましたが、ストーンバッグは付けずです。
 どうにか撮れはしましたが、やはり少しブレています。
 バルブ、109秒です。
 もうしばらく待ちましたが、これきりでした。


 昨年のことを思えば、車が通ってくれただけで御の字です。
 参考までに昨年の少し赤く焼けた空と水田の風景を掲載します。

 <参考>
⑰2015年5月8日。




熊野・丸山千枚田 その2

2016-05-21 | 三重県・山・尾鷲熊野
 三重県熊野市紀和町にある丸山千枚田です。
 ここは日本の棚田百選のひとつです。

①棚田の最上部の展望所付近から、オーナーの棚田のある付近まで下りてきました。


②棚田のオーナーは毎年100組以上の申し込みがあり、棚田7、2haのうち1、6haがオーナー用として活用されています。


③オーナーは年会費3万円。
 手作業による田植えや稲刈りなどの地元のイベントに参加できるほか、新米10㎏などの特典があります。
 今年のオーナーによる田植えは3日後の5月15日でした。


④少し分かりにくいかもしれませんが、オーナーの棚田には畦の際に、木札が差し込まれています。
 木札にはオーナーの番号が書かれています。














⑨石垣には巨石が使われておらず、一見崩れてしまいそうにも見えますが、2011年9月にこの地方を襲って大きな被害を与えた台風の時にも、この棚田はびくともしなかったと、地元の方から聞きました。











⑬きつい農作業です。
 あぜ道に座って一休みです。








 この後、棚田を上から俯瞰する展望所へ移動し、そこで夕景を狙います。
 以下の写真は、以前この場所から写した夕景です。

 <参考> 
⑯2014年5月16日。




熊野・丸山千枚田 その1

2016-05-20 | 三重県・山・尾鷲熊野
 三重県熊野市紀和町にある丸山千枚田です。
 江戸時代には2200枚以上の棚田があったのですが、様々な要因により、一時は530枚程度にまで減りました。
 その後、地元の方を中心とした復元、保全活動により、現在1340枚という日本最大規模の棚田になりました。
 日本の棚田百選のひとつです。
 5月12日の写真です。
 3回に分けて掲載します。

①棚田の最上部から見下ろした風景です。


②この日はまだほとんど田植えが行われていませんでした。





④2本のシュロの木の向こうは、ここのシンボルともいえる大岩です。














⑨右側の人が手にしているのは、代掻きの道具です。
 あれで田をならして、田植えがしやすいようにします。
 ほとんど人力による作業です。


⑩左上に見物人やカメラマンが4人います。
 ここの撮影が終わったら、私もあの付近へ移動します。











⑭正面奥では田植えが始まりました。





⑯強い風の一陣が通り過ぎて行くと、棚田の水面がキラキラと銀色に煌めきます。


 機械が入らない地形のため、田起こしや代掻きなどの重労働もほとんど人力によります。
 高齢者にとってきつい作業です。

 この日はこの場所では、夕景を狙いませんでした。
 参考までに2013年5月9日に、この場所で撮った夕景の写真をご覧ください。

<参考>






 明日はその2です。

北山川・瀞峡 その2

2016-05-18 | 三重県・山・尾鷲熊野
 熊野川の支流の北山川に沿って、国道169号を瀞(どろ)峡近くまで走ってきました。
 三重、奈良、和歌山の各県が入り組んだ、険しい山と深い谷が作り出した複雑な地形ですが、いくつかのトンネルや橋が掛けられ、見違えるに道路改良が進んできています。

①山々の新緑が目にあざやかです。
 深い渓谷の下を碧緑の水が流れ、心地よい五月の風が吹きあがってきます。








④瀞峡です。
 ここは奈良県十津川村です。
 釣り人がひとり、ルアーを投げています。


⑤赤い岩サツキは目立ちます。


⑥水は渦を巻いて複雑な動きをしています。








⑨折から幸運にも、瀞峡めぐりの観光ウオータージェット船がやってきました。
 というわけではなく、1時間に一本の船なので、あらかじめ着く時刻を調べてありました(^^)。


⑩この船は梶やスクリューなど船底への突起物がないため、浅瀬での航行が可能です。


⑪ここが終点です。
 ここで観光客は20分休憩して、船はまた同じルートを戻って行きます。
 私も20数年前、友人と3人で和歌山県川湯温泉で泊まったあと、この観光船に乗ったことがあります。
 船は絶壁の下を高速で走って行くので、迫力はあるのですが、写真はダメでした。


⑫この橋の左側は和歌山県新宮市熊野川町です。





⑭河原へ下りて来ました。
 ここは三重県熊野市紀和町です。
 この付近には観光船の小川口乗船場があります。


⑮もう5㎞ほども下って行けば、北山川は十津川と合流し、熊野川と名を変えて熊野灘に注ぎます。

北山川・瀞峡 その1

2016-05-17 | 三重県・山・尾鷲熊野
 熊野川の支流、北山川は、大台ケ原を源として奈良県、三重県、和歌山県の県境を流れて新宮市熊野川町で熊野川と合流し、熊野灘に注いでいます。
 三重県熊野市神川にある七色ダムから瀞(どろ)峡など北山川をめぐってきました。
 5月12日の写真です。
 2回に分けて掲載します。

①七色ダム湖です。
 このダム湖は上流に設けられている池原揚水発電ダムの下池です。
 電力需要の少ない夜間、余剰電力を使ってこのダム湖に溜まった水を池原ダムに汲み上げ、電力需要の多い昼間、この七色ダムに放流して発電するという仕組みです。


②これはこれで青い静かな湖ですが、この下にはかっての美しい渓谷と美曝が眠っています。








⑤見にくいですが、この中央部に以前の吊り橋のワイヤーが残っています。


⑥こちらはその近くに、新たに作られた橋です。


⑦こちらは趣きのある鉄製の吊り橋です。
 最大負荷重量は1トンです。
 下はスケスケ、渡るとユラユラ揺れます。


⑧ここは全国唯一の飛び地の村、和歌山県北山村です。
 まわりは三重県と奈良県に囲まれています。
 この橋を渡れば、三重県熊野市紀和町です。








⑪観光筏下りの乗り場が見えてきました。


⑫右側が観光筏下りの乗り場です。


⑬もちろん、これだけの水量では筏は岩につかえてしまいますので、その時はダムから観光放流されて水位があがります。


⑭上空に見えているのは、以前使われていた野猿(やえん)と呼ばれている木材運搬用のロープです。





⑯山は新緑、空気は清涼、ウグイスの声が途切れません。


 明日はその2です。