風景写真春秋

残日録代わりの風景写真です。
もちろん「日残りて、昏るるに未だ遠し」という意味合いです。

熊野・布引の滝 

2016-05-16 | 三重県・山・尾鷲熊野
 三重県熊野市紀和町にある布引の滝です。
 布引の滝という名の滝は全国各地にあり、三重県にもいくつかあります。
 しかし、布引の滝の名にもっともふさわしい滝は、この滝だと私は思っています。
 一巻きの白布を垂らしたような、優美な姿の滝です。
 日本の滝百選に選定されています。
 5月12日の写真です。

①総落差53m、四段に分かれている段曝ですが、一番上の滝は隠れていて、見えません。


②布引の滝は、かっては熊野大峰大河内の行場として、修験者が業を積む場でした。
 滝周辺の森は「きらずの森」として熊野市により保護され、自然林が残されています。








⑤四段目の滝は落差29mを一気に滝壺まで落下します。





⑦滝の直下におりてみました。
 滝壺は青く、清冽な水が流れています。
 





























⑰布引の滝の下流にある荒滝です。
 周辺の新緑があざやかです。




熊野古道 松本峠道 その2

2016-01-25 | 三重県・山・尾鷲熊野
 三重県熊野市の熊野古道松本峠道を歩いています。
 この道の約半分は「紀伊山地の霊場と参詣道」という世界遺産に指定されています。

①②熊野古道にはめずらしい竹林があります。




③峠は標高135m、どこの峠にもよくあるお地蔵さんが立っています。


④⑤これから木本側へ少しだけ下ります。
 この区間は、明治期に組まれた石畳で、世界遺産には入っていません。




⑥熊野古道からはずれて、鬼ヶ城の城跡方面から鬼の花見坂を通って下ります。


⑦熊野灘と七里御浜が見渡せる東屋へ出て来ました。
 ほっとするような、明るい、のびのびとした南海の風景が広がります。
 雲烟たる山並みの向こうに、参詣の人々が目指した熊野三山があります。
 眼下の七里御浜も熊野古道浜街道として世界遺産に指定されています。


⑧熊野市街です。
 左側の手前の岩が獅子岩です。


⑨もう石畳はありません。


⑩常に前方に見える大泊の海がきれいです。


⑪船のむこうは磯崎漁港です。





⑬⑭鬼の花見坂とよばれているように、約2000本のソメイヨシノの並木があります。




⑮~⑰青い澄み切った大泊の海へ下ってきました。
 ここは鬼ヶ城の入り口付近です。









 明日は熊野古道 七里御浜・浜街道です。

熊野古道 松本峠道 その1

2016-01-24 | 三重県・山・尾鷲熊野
 三重県熊野市、熊野古道松本峠道です。
 大泊側に車を置き峠まで上り、鬼ヶ城城跡を経て鬼ヶ城入り口まで下ってきます。
 晴天で古道は木洩れ日が少しわずらわしい感じもします。

①峠の入り口付近から国道42号沿いの清滝遠望。
 清滝は落差35m、国道からも滝の落ち口が見えます。
 あいにく水量は少ないです。


②入り口から峠の頂上部までは、江戸期に造られた石畳で、この間は「紀伊山地の霊場と参詣道」という名称の世界遺産に指定されています。


③④石畳の側面は堅固な石垣です。




⑤石畳はヒノキの根が絡みついているところが多く見られます。


⑥苔の美しい石畳です。











⑩古道をヒノキの香りが包んでいます。











⑭逆光がわずらわしいですが、ヒノキの影が石畳に陰影を作ってくれます。





⑯きょうは平日、誰ひとり会いません。


 峠の近くまで登ってきました。

 明日はその2です。
 青い海を見ながら下ってゆきます。

熊野古道・馬越峠道 その3(下り)

2015-06-09 | 三重県・山・尾鷲熊野
 馬越峠から尾鷲方面へ少し下り、また峠へ引き返して、天狗倉山へ登ったあと、入り口の登山口まで下って行きます。

①~⑤尾鷲方面への道は、紀北側に比べると狭く、坂道も急で、カーブがきつい。
 U,V,S,Z 字にくねる道だ。
 木の根がむき出しのところもあり、うっかり足を乗せると滑るので要注意。
 道の真ん中にリスが1匹いた。
 そっとカメラを出そうとしたが、そのままでいてくれるはずもなく逃げ去った。
 証拠写真がないので、ダメですねこの話は・・(^^;)。










⑥天狗倉山(てんぐらさん)への道は急坂。
 この道は登山道であり、熊野古道ではない。
 道沿いにある岩を割る杉の木。
 傘をさし、三脚を持ち、重いリュックを背負ってのこの道はきつい。


⑦やっと天狗倉山頂上へ登ってきた。
 標高、522m。馬越峠から200m近く登ってきたことになる。
 雨が小止みになり、尾鷲港、尾鷲市街が見えてきた。
 眼下を雲が流れる。


⑧大岩へはソロリソロリとはしごで登る。
 その上から見ると、反対側は雲海。


⑨~⑭峠から紀北町方面へ下って行く。
 また、雨が降ってきた。
 特に下りの石畳は滑るので、神経を使う。
 シダの新緑が雨に濡れ、しみじみと美しい。










 この日出会ったのは、悪天候なので、地元の常連のおじさん一人と、二人づれが二組の計5人のみ。
 今回私が歩いた石畳の古道は、すべて世界遺産に指定されている区間です。

 次回は斎宮のノハナショウブです。

熊野古道・馬越峠道 その2(上り)

2015-06-08 | 三重県・山・尾鷲熊野
 三重県紀北町の馬越(まごせ)峠道を歩きます。
 今回は紀北町の峠の上り口から、馬越峠までを掲載します。
 6月2日の写真です。

①紀北町海山区馬越峠登山口。
 雨が降り続き、後方の山に霧がかかっている。


②~④尾鷲地方は日本有数の多雨地帯。
 豪雨から道を守るための堅固な石畳。
 この石畳の道は、伊勢参りのあと熊野詣でが盛んになった、主に江戸時代に整備されたようだ。






⑤⑥一枚岩の橋。
 古道はこの先小さな流れを 3,4 か所渡る。




⑦~⑬雨に洗われたシダや苔類が色あざやか。
 石畳もヒノキも濡れ光り質感が出る。
 石畳の石は地元産の主に花崗岩が使われている。
 岩を割り、石を削り、運び、敷く。
 人力だけでたいへんな作業だったことだろう。
 おかげで川のように流れるこの地方特有の豪雨にも耐えて、石畳の道は現在でも立派にその役割を果たしている。














⑭峠付近はほぼ平坦な歩きやすい山道となる。
 峠に昔は茶店があったようだが、今は小さな休憩小屋があるだけだ。


 京の都と熊野を西回りで結ぶ熊野古道・紀伊路は平安から鎌倉期にかけて、皇族や貴族の人たちが熊野三山を目指して歩いた道。
 これに対して東回りで入る伊勢路は、江戸時代以降、熊野詣でや西国の札所めぐりの人たちの歩いた庶民の道。

 明日はその3、馬越峠道下りです。