風景写真春秋

残日録代わりの風景写真です。
もちろん「日残りて、昏るるに未だ遠し」という意味合いです。

日本映画ベスト11~20

2016-09-02 | その他
 先日掲載しました「日本映画、外国映画ベスト10」が、訪問者数、その後の閲覧数を見る限り、意外と好評だったようです。
 そこでまたもや風景写真・旅写真以外ですが、2匹目のドジョウをねらって、第二弾まずは「日本映画ベスト11~20」を掲載いたします。
 今回もまたすべて、私が持っているDVDの中から選んでいます。(気に入ったもののみ買っていますが、高くて買えないものもあります。)
 もとよりトンチンカンでピンぼけの感想も少し記載しています。

⑪「デルス・ウザーラ」 監督・黒澤明 出演・ユーリー・サローミン マキシム・ムンズーク
 本当はソ連映画、または日ソ合作くらいだが、私は日本映画として扱う。シベリアのウスリー地方、地質調査などのためやってきた軍人と案内の現地民の猟師との感動の交流。虎の襲撃、猛吹雪、数々の困難。解氷、凍てついた大地、どこまでも続く緑の樹海、雄大な大自然の映像がすばらしい。原作の翻訳本を読んで映画化が待ち望まれていた。前半部のテンポが少し遅すぎる。


⑫「赤ひげ」 監督・黒澤明 脚本・黒澤明ほか(原作・山本周五郎) 音楽・佐藤勝 出演・三船敏郎 加山雄三 香川京子 山崎努  
 ていねいに丹念に作られた、黒澤映画が最後に放った名作ともいえる。感動するのだが、黒澤と周五郎に共通する説教くささがなければ、もっと上位に入った作品。様々な雪のシーンの映像がすばらしい。 


⑬「明日の記憶」 監督・堤幸彦 原作・荻原浩 音楽・大島ミチル 出演・渡辺謙 樋口可南子 香川照之
 渡辺が特別プロデューサーとしても参加。非常に重い、涙腺が緩むような作品だが、見終わった後になぜか不思議な、ほっとしたようなさわやかな感じが残った。


⑭「天空の城ラピュタ」 監督・宮崎駿 原作・宮崎駿 音楽・久石譲
 宮崎アニメでは唯一DVDを持っている作品。浮かんで空を飛べたらいいなとは、昔も今も持っている大いなるあこがれ。イギリスのウエールズ地方を仮想舞台としたファンタジックなストリーと映像が秀逸。


⑮「雨月物語」 監督・溝口健二 脚本・川口松太郎ほか(原作・上田秋成) 出演・森雅之 京マチ子 田中絹代
 霧をうまく使い、湖北地方の風景を白黒の陰影に富んだ映像で描く。能を見ているような京マチ子の表情と動きがすばらしい。


⑯「無法松の一生」(1958年製作) 監督・稲垣浩 脚本・稲垣浩ほか 出演・三船敏郎 高峰秀子
 参考までに1943年製作、稲垣浩監督、阪東妻三郎主演の同作もあげた。戦時中は軍部の、戦後はGHQの検閲を受けて削除された部分があり、戦後、稲垣監督が新たに撮り直した。阪妻にぶら下がっているこどもは長門裕之。


⑰「同胞(はらから)」 監督・山田洋次 脚本・山田洋次 出演・倍賞千恵子 寺尾聡 渥美清
 最初に見たときはおもしろくなく見放した。二度三度と見直すうちに評価が変わってきた。八幡平の麓に広がる広大な村を舞台にした、田舎の青年団が演劇を主催する実話に基づく話。題名の「同胞」は内容とそぐわない。「ふるさと」くらいでいいのだが。


⑱「乱れ雲」 監督・成瀬巳喜男 脚本・山田信夫 音楽・武満徹 出演・加山雄三 司葉子 森光子
 交通事故で夫を失った妻と加害者の青年。青年への憎悪がやがて・・。十和田湖を舞台としたメロドラマ。こんなのを入れたのか。友人たちの嘲笑が聞こえてくるが、めげずに入れた。


⑲「上意討ち」 監督・小林正樹 脚本・橋本忍(原作・滝口靖彦) 音楽・武満徹 出演・三船敏郎 加藤剛 司葉子 仲代達矢 
 ベスト10で入れた「切腹」と同じく、武士社会の欺瞞、不条理などを描いた。ただ、前作ほどには、自らと家族の命をかけても、上意に逆らってともに討ち死にするとの、切羽詰まったものが感じられない。


⑳「ダウンタウン・ヒーローズ」 監督・山田洋次 脚本・山田洋次ほか 出演・薬師丸ひろ子 中村橋之助 柳葉敏郎
 旧制高校廃止の年の松山高校生の青春譜。ノスタルジーあふれた作品。すまけい教師が最後の授業で生徒に言う「従順な羊の群れになるなかれ」。題名はいただけない。山田作品には時々、?の題名がある。


<特別編> 山田洋次監督作品の「男はつらいよ」シリーズは別格扱いだが、一作だけをあげるなら第10作「寅次郎夢枕」、マドンナ女優・八千草薫。
 山田監督はシリーズ48作を、松竹の営業上の要請に応えるという形で、原作、脚本、監督として、ギネスにも載るような長きにわたり作り続けてきた。しかしこれだけの多作となると、優れた作品ばかりとはいえず、私は大雑把に、優れた作品、良い作品、凡作をそれぞれ三分の一ずつとしている。名優・渥美清の死という形で48作で終わりとなったが、やはり長すぎた。私の選んだ凡作は、ほとんどが後期の作品である。


<番外編> これらは映画ではなく、かってNHKで放送されたテレビドラマ。作・山田太一 演出・深町幸男による笠智衆三部作のDVDの中から、気に入りの2作品。なお、残りの1作品は「ながらえば」で、これは持っていない。NHKのDVDはこれでも1本3500円近くし、あまりにも高すぎる。


こちらは藤沢周平原作の「蝉しぐれ」。映画化されたが、映画よりもこちらのテレビ版のほうが優れている。値段は書かないがこちらはもっと高い。


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