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モノとは、人の存りかたそのものでした。モノノケ、など魂という意味もあるのでしょう。作品というモノもそのように大きく捉えていったほうがよいように思う。日本人は長きに渡りそれらの見方を育んできた。
日本の風土が培ってきたものは、果たす役割をますます大きくしているように感じます。山川草木変化に富み、多様な自然に恵まれ、大陸からも大海からも、あらゆるものや考えが流れつく先としての場、内と外との折り合いをつけることで生きてきたと思う。狩猟採取と農耕、自然崇拝と仏教。人間の抱え込んだ大きな矛盾のそれぞれを根絶やしにするのではなく、生かし合う方向で折り合いをつける知恵を紡いできた。ふたつのものに通ずるひとつを見て取り、大きな循環に即し、そのつながり、八百万を尊ぶという感覚の蓄積は大切な財産であり、これからの可能性だと思えます。
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