こないだ館山でソゲ(ヒラメ)を釣った磯竿・・・ガイドを交換したばかり。(過去記事参照)
洗っておこうと全体にシャワーをかけ、くっついているイワシのウロコなどを洗い落とした。 この振出竿、ソゲに引っ張られて海に落っこちたので、竿内部にも海水が入ったと思われたので、竿尻を外してジェット水流を内部に流し込んだ・・・
そこまではよかったのだが・・・洗い終わって洗い場に目をやると・・・なにやら落ちている。 なにかな?っと思ってよ~く見ると・・・なんとトップガイドと、それに続く移動式のガイドが2個固まって落ちていた。
この竿が振出し竿であることも忘れ、竿尻からジェット水流を流し込んだので、中空のブランクが勢いよく飛び出したんだな。 竿先が飛び出して洗い場のコンクリートを突いていたのだろう・・・トップガイドのパイプの根本でポッキリと折れているではないの! 細いんだから磯竿のTipは・・・
こないだガイドの修理をやったばっかなのにな~・・・ぶつぶつぶつ
んで、よく見ると、トップガイドの先端は極細で、ガイドパイプの外径が1㎜ちょうど。 とすると、内径は0.8~0.9㎜くらいか・・・どうやってパイプに詰まっている竿の断片を取り除くのか・・・それが問題だ。
内径に入るドリルなんて見当たらない。 縫い針だけ・・・入るのは・・・
仕方がないのでライターでパイプを焼いてみた・・・すると・・・中に詰まっていたものが燃えてパイプから炎が出てるではないかっか。 この竿・・・グラスファイバー製のはず。 グラス繊維って燃えるの? 塗料かな炎は?・・・
いったんパイプを真っ赤に焼いて、マチ針で内部をぐりぐりすると・・・黒い粉が出てくる。 グラスが焼けて粉になったのか? なんどもなんどもグリグリを繰り返し、ティッシュで細い紙縒りを針に巻き付け、お掃除を繰り返した。 針先がパイプの先端まで届いたと思われた。
次の問題は、残った穂先の先端が、この細いパイプに入るだろうか・・・という問題。
竿は黒い塗料で塗装されているが、内部はガラス繊維のようだ。 とりあえず、1000番の耐水ペーパーを2つ折りにして先端を削る。
削ってはパイプに合わせ、を続けること焼く30分・・・やっと目いっぱい入るところまで削った。 細いので繊細な作業だ。
Tip先端の細さ・・・指でつまんで竿を持ち上げても、くにゃくにゃと曲がるだけで折れる風情はない。 なんでトップガイドの根本で折れたのか? 縦に力が働いたからだろう。 竿は90度方向に曲げても折れないようにできているのだから・・・
そして接着・・・
90分硬化のコニシボンド(2液性エポキシ)を練り、竿先とパイプの内部に塗り込む。 パイプ内部にはマチ針でないと入らないので、何度も何度も入れ込む。
そして竿先をパイプに入れると・・・竿先が出てきちゃう。 パイプ内部の空気が外に出られなくて、竿先を押すので出てきてしまうのだ。 これはフライロッドを作るときにフェルールを竹に接着するときにも起こる問題だ。
解消法は、パイプをライターで軽く熱して、エポキシが緩んだ時に一気に押し込むと、内部の空気がブビッと出る・・・筈なんだが・・・出ない・・・パイプが細すぎるのだ・・・間に隙間がないのだ。
仕方がないので、糸でパイプとトップガイドを固定。 エポキシが硬化するまで90分間この状態で養生する。 乾燥後に糸を外す。
・・・ということで、ソゲを初めて釣った竿の修理完了。
でも、あのときこの竿、海に落ちても沈まずに浮いていたな・・・スピニングリールが付いていたにもかかわらず・・・浮いていた。 振出し竿で密閉度が高く、内部の空気が結構な浮力を持つんだね。 沈んでいたら取り返せなかったね。
とにかく、ソゲを釣った竿だ・・・大事に使うことにしよう。
またソゲ釣るど~。