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TV対局で「待った」、加藤九段処分 将棋連盟 (朝日新聞) - goo ニュース
*将棋は『指す』と言い、囲碁は『打つ』と言う。
将棋の駒はバチンバチンと駒音高く打ちつけるのではなく、本来は押すようにして静かに移動させるものだということは、当の『駒打ちつけ派』の代表たる故升田幸三第三代実力制名人も述懐していた。
しかし実際には盤側にバチバチ『空打ち』してから勢いをつけて盤面に打ちつける棋士も多かった。今時代は変わり、とりわけ『チャイルド・ブランド』と呼ばれた羽生四冠らの世代以降の現在の主力メンバーには、駒音も殆ど立てず静かに『指す』棋士が多い。丸山九段(元名人)などは「借りてきた猫のように(?)」申し訳なさそうに静かに指す。
ただ気合か念力か、羽生四冠が時折見せる「盤に駒を埋め込んでしまう(!)」かのような力の籠った『ネジネジ指し(?)』は有名である。将棋は一つの盤を挟んで対局者が相対する、1対1の言わば『精神の格闘技』的色彩が強いから、感情移入というかのめり込む程度が私らの想像する範囲を越えていると思う。
*古参の棋士らに今も残る『駒音高く打ちつけ派』の代表格が今回問題となった加藤一二三九段である。私は偶然この銀河戦を見ていた。加藤九段は対局中の仕草が派手で有名かつ人気のある人で、かく言う私もファンなのである。
十八歳でA級八段まで登りつめ当時『神童』とさえ言われた強豪で、大山・升田の全盛期にぶち当たったため割りを食っている世代の一人である。故ヨハネ・パウロⅡ世にも謁見を果した熱心なカトリック信者で、将棋会館の廊下を賛美歌を歌いながら歩くこともある(あった?)そうだ。教会の行事があると対局後の『感想戦』もほどほどにそそくさと退出してしまうらしい。
*『感想戦』というのは勝負に決着がついた後、第三者も加わった『局後の検討』を意味する言わば『符牒』だからこれを公的に使うのは疑問と私は考えるが、NHKも『囲碁将棋チャンネル』も平気で公的に使っている。囲碁では『局後の検討』と言い『感想戦』などとは言わない。『感想戦』には「もう一回闘え!」という非情な響きがあるが、プロである以上今後の闘いへの影響が出たらいけないので、誰も本音など言わないでお茶を濁すケースが多いのである。自分の本当の読み筋を明かしたりなどしたら、それだけで自分の個人情報を他の棋士全員に公開することになるからである。
昔故木村名人は相手を『二度負かす(二度泣かす)』と言われた。実際の対局で負かした上『感想戦』になっても「あんたがそう指すなら私はこう指す!」と言い返して「どうやったって俺が勝つんだ!」とでも言いたいのか、絶対に譲らなかったそうである。「水に落ちた犬は撃て」か、ちょっと違うかな?
*加藤九段は対局に没頭すると動きが激しくなる、空咳は連発する、記録係に何回も何回も自分の残り時間を確認する、膝立ちになってズボンをズルズル引き上げる・・・このズボン摺り上げの癖については、かつて大内九段が苦情を公開したことがある。彼にその仕草をされると、自分の目の前で彼の股間がゆさゆさ揺れるから、これは適わないというのである。
*まだある。昼食・夕食に天丼だったか、同じ丼ものを連発して注文し、おやつには板チョコをバリバリ食べるという健啖家ぶりに、将棋に集中するあまり食事も喉を通らない相手はげんなりしてしまうらしい。敵が多いのか食事にまで文句を言われているのである。
*現会長の米長九段とのある日の対局中には、長考派の加藤九段は相手が席を外している間に相手の座席の側に回って、そこに腰を下ろして更に長考に沈んでいたらしい。帰って来た米長九段も負けてはいられないと、加藤側の席にすわったという。
*加藤九段は長考派なので終盤には殆ど秒読みに追われる。それでも直接公開されることのない公式対局では1分間の余裕があるが、TV対局となるとその半分の30秒以内に指さないと《時間切れ負け》になってしまう。
時間に追われ秒読みに追われた加藤九段の指し手は傍目にも近年頓に歯切れが悪いのである。見ていると時間切れ後(寸前?)までチョンチョンと盤上に置いたばかりの自分の駒をいじっている。
*そんな中でこの事件が起きた。残り1分の考慮時間という段階で加藤九段はいつまでも駒を突付いていたが、読み上げ係の女流棋士は「9」で秒読みを止めてしまったので対局相手の阿部八段から「ちゃんと(秒を)読んで下さいよ!」とのクレームがついた。
テレビは(音声だけだが)対局中断の様子まで流すという異例の放送をした。その中で加藤九段は「指は離していません(から《待った》ではありません)よ」としきりに苦しい言い訳をしていた。結局残りの1分もそこで使い尽くしたということでその場は収まったのかと私は思っていた。
*着手した駒から指を離せば着手は完了したと見做されるから、それ以降の着手の変更は《待った》なのである。チョンチョン突付いてから駒を裏返したのならこれは厳密には《待った》である。放映後多くの視聴者から抗議があったというからその通りなのだろうが、私自身は加藤九段を応援する人間だからそのへんは全く記憶に無い。
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*将棋は『指す』と言い、囲碁は『打つ』と言う。
将棋の駒はバチンバチンと駒音高く打ちつけるのではなく、本来は押すようにして静かに移動させるものだということは、当の『駒打ちつけ派』の代表たる故升田幸三第三代実力制名人も述懐していた。
しかし実際には盤側にバチバチ『空打ち』してから勢いをつけて盤面に打ちつける棋士も多かった。今時代は変わり、とりわけ『チャイルド・ブランド』と呼ばれた羽生四冠らの世代以降の現在の主力メンバーには、駒音も殆ど立てず静かに『指す』棋士が多い。丸山九段(元名人)などは「借りてきた猫のように(?)」申し訳なさそうに静かに指す。
ただ気合か念力か、羽生四冠が時折見せる「盤に駒を埋め込んでしまう(!)」かのような力の籠った『ネジネジ指し(?)』は有名である。将棋は一つの盤を挟んで対局者が相対する、1対1の言わば『精神の格闘技』的色彩が強いから、感情移入というかのめり込む程度が私らの想像する範囲を越えていると思う。
*古参の棋士らに今も残る『駒音高く打ちつけ派』の代表格が今回問題となった加藤一二三九段である。私は偶然この銀河戦を見ていた。加藤九段は対局中の仕草が派手で有名かつ人気のある人で、かく言う私もファンなのである。
十八歳でA級八段まで登りつめ当時『神童』とさえ言われた強豪で、大山・升田の全盛期にぶち当たったため割りを食っている世代の一人である。故ヨハネ・パウロⅡ世にも謁見を果した熱心なカトリック信者で、将棋会館の廊下を賛美歌を歌いながら歩くこともある(あった?)そうだ。教会の行事があると対局後の『感想戦』もほどほどにそそくさと退出してしまうらしい。
*『感想戦』というのは勝負に決着がついた後、第三者も加わった『局後の検討』を意味する言わば『符牒』だからこれを公的に使うのは疑問と私は考えるが、NHKも『囲碁将棋チャンネル』も平気で公的に使っている。囲碁では『局後の検討』と言い『感想戦』などとは言わない。『感想戦』には「もう一回闘え!」という非情な響きがあるが、プロである以上今後の闘いへの影響が出たらいけないので、誰も本音など言わないでお茶を濁すケースが多いのである。自分の本当の読み筋を明かしたりなどしたら、それだけで自分の個人情報を他の棋士全員に公開することになるからである。
昔故木村名人は相手を『二度負かす(二度泣かす)』と言われた。実際の対局で負かした上『感想戦』になっても「あんたがそう指すなら私はこう指す!」と言い返して「どうやったって俺が勝つんだ!」とでも言いたいのか、絶対に譲らなかったそうである。「水に落ちた犬は撃て」か、ちょっと違うかな?
*加藤九段は対局に没頭すると動きが激しくなる、空咳は連発する、記録係に何回も何回も自分の残り時間を確認する、膝立ちになってズボンをズルズル引き上げる・・・このズボン摺り上げの癖については、かつて大内九段が苦情を公開したことがある。彼にその仕草をされると、自分の目の前で彼の股間がゆさゆさ揺れるから、これは適わないというのである。
*まだある。昼食・夕食に天丼だったか、同じ丼ものを連発して注文し、おやつには板チョコをバリバリ食べるという健啖家ぶりに、将棋に集中するあまり食事も喉を通らない相手はげんなりしてしまうらしい。敵が多いのか食事にまで文句を言われているのである。
*現会長の米長九段とのある日の対局中には、長考派の加藤九段は相手が席を外している間に相手の座席の側に回って、そこに腰を下ろして更に長考に沈んでいたらしい。帰って来た米長九段も負けてはいられないと、加藤側の席にすわったという。
*加藤九段は長考派なので終盤には殆ど秒読みに追われる。それでも直接公開されることのない公式対局では1分間の余裕があるが、TV対局となるとその半分の30秒以内に指さないと《時間切れ負け》になってしまう。
時間に追われ秒読みに追われた加藤九段の指し手は傍目にも近年頓に歯切れが悪いのである。見ていると時間切れ後(寸前?)までチョンチョンと盤上に置いたばかりの自分の駒をいじっている。
*そんな中でこの事件が起きた。残り1分の考慮時間という段階で加藤九段はいつまでも駒を突付いていたが、読み上げ係の女流棋士は「9」で秒読みを止めてしまったので対局相手の阿部八段から「ちゃんと(秒を)読んで下さいよ!」とのクレームがついた。
テレビは(音声だけだが)対局中断の様子まで流すという異例の放送をした。その中で加藤九段は「指は離していません(から《待った》ではありません)よ」としきりに苦しい言い訳をしていた。結局残りの1分もそこで使い尽くしたということでその場は収まったのかと私は思っていた。
*着手した駒から指を離せば着手は完了したと見做されるから、それ以降の着手の変更は《待った》なのである。チョンチョン突付いてから駒を裏返したのならこれは厳密には《待った》である。放映後多くの視聴者から抗議があったというからその通りなのだろうが、私自身は加藤九段を応援する人間だからそのへんは全く記憶に無い。
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