雑草

いつもは見向きもされない

踏まれても気にされない

道端の雑草　シロツメクサ



今日は

あったーっと歓声を受け

大切に摘まれて

子供たちの手の中に収まっていく



そうして

一本ずつ丁寧に

織り込まれて

花冠に仕立て上げられる



シロツメクサの花冠は皆から

視線をたくさん受け

かわいいっとほめられ

とっても誇らしげに見えた



雑草が主役になる



幸せなひと時

意味不明

まだ僕のことが好きなの？



その人の上から目線が語ってくる



はるか昔

中学の頃にあげたバレンタインチョコに

思いが至りびっくりする



仕事の関係で

偶然出会った同級生



まだ僕のことを忘れられないの？



何人もいる人の中で

端の方から

突き刺すように

私に視線を集中させてくる



あんな昔のことなのに

その自信自惚れは

一体どこからくるのだろう



なぜ義理チョコだと

わからなかったのか

言えなかったのか



今からでも言ってみようか



私はその人の目の前に行き声をかけた

「お久しぶりです。お元気でしたか？」



にっこり笑う私に

あっはいってこちらの気が抜けるくらい

上擦った声で



その人は恥ずかしそうに

ただ下を向くだけだった

幸せなの？

「幸せなの？」

って聞かれたら

私は何も考えないようにしている



なぜなら

聞いた人にとって

私が幸せか不幸かは

そんなに知りたいことではないから



そして

なぜか聞かれた方は

幸せなことよりも

不幸だと感じたことばかりを

思い出すものだから



異性にそれを言われたなら

それは誘惑している言葉で



同性に言われたそれは

不幸だと感じている自分の話を

聞いてほしいの言葉で



だけど

悲しいなって感じるのは



幸せなのって聞く人の中に

幸せを感じてる人がいないってことに

気付いてしまうことだったりする