心の模様

心の中の一つ一つを整理して、いつか素敵な部屋にしてみたい。

待つ

2016-09-30 | 醜い
心の中に溜めて

積もってしまったものを

吐き出したくなる



吐き出してしまえば

楽になれるから



嫌いなものを嫌いだと言い

嫌なことを嫌だと言って

そっぽを向きたい



でもそれは

言ってはしては

いけないこと



なぜなら

誰も幸せな気持ちに

なれないから



あの子供が

父親を怒鳴り散らして

蹴ったりするのは



あのヒステリーは

母親のヒステリー

母親の代わりにしているの?



人は良いことは

なかなか真似できないのに

悪いことは

簡単に真似できてしまうもの



私は良い人間になりたいって

ずっと思ってる



でも気がつくと良い人間のもつ

心の綺麗さが失われていて

頭を抱えてうずくまる



黒い闇に心が覆われる



こんな時は動かずに

闇が薄くなるのを



時間という

薄め薬が効いてくるまで



じっと待つだけ

再検査

2016-09-28 | 日常
健康診断で引っかかり

要医療なんて書かれて

内容は貧血



そう言えば

お手軽な栄養ドリンクや錠剤

随分お世話になっていることに

気がついた



もしかして

食べ物から栄養が

取れなくなってる?



再検査の封筒渡された瞬間から

周りの人が早く病院に行けって



怖い病気が隠れてるかもって

何でこの人が知ってるのって人にまで

言われてしまう始末



個人情報はどうなってるのー



私は気が重くなる

採血採血採血



また腕を紫色に染めるのか



上手な看護師さんだったら

大丈夫かな



血管がぼろぼろで

採血すると内出血するように

なってるんだとしたら嫌だな



それが一番の気がかり



しょうがなく

病院行くまで言われ続けるから

しぶしぶ渋渋



病気で入院とか

皆の頭には

もう絵ができてるのかな

なんてぼんやり考えてたけど



錠剤を飲むんじゃなくて

レバーを食べてくださいと

注意を受けて終わりだった



ここんとこ

鉄剤を欠かさず飲んでたから

数値が少し上がってきたらしい



病気じゃないじゃんー



期待してた訳じゃないけど

何とも複雑な気持ちになって



ただ今回は

腕が紫色にならなくて



本当にホッとした

ポイントカード

2016-09-26 | 日常
訳わからないポイントカードを

たくさん持っている



自動還元してくれるカードはいいけど

自己申請のいるポイント交換は

しことがない



自己申請って何だか

手続きが面倒そうだし

何より気恥ずかしい



それがいつも行く薬局で

若いかわいい店員さんが



今月の失効ポイントすごいですぅって

もったいないですぅって

教えてくれた



レジの後ろ全体の棚に

ものすごい量の商品が並んでて

その一つ一つが私を選んでって

主張しているように思えた



目の前に゛これはすごい゛の文字が

きらきら光るフライパンがあって



じゃあ、そのフライパンって

つい言ってしまった



手続きはいらなかったみたい

レジでピッで終わったから



薬局でフライパンって

何たが笑えてきて



そしたらその店員さん

私がものすごく喜んでると思ったらしく



まだまだたくさん交換できますよぉって

まるでお菓子をもらおうと

待ってる子供に言うように

可愛く言ったから



私は顔をキュッと引き締めて

もういいですって下を向いた



何だか恥ずかしかったけど

思いがけずもらってしまった

フライパンを握りしめながら



スキップして帰りたくなった



何年経っても

2016-09-23 | 心の片隅
あの時

よくあんな危険な道を

行こうとしてたものだと

いまだに思い出す



ただあの人に負けたくなかった

ただあの人に

おまえすごいなって一言

言ってもらいたかった



そのためなら

何でもできるって

本当に信じてた



あの時あの道を行っていたなら

今私は生きていただろうか



今生きているのは

あの人と張り合うのを

やめたから



あの人を追いかけるのも

待ち続けるのも

やめたから



それはつまり

私が私に戻ったということ



忘れられない

私を壊した愛しい人





時々

2016-09-20 | 心の片隅
なぜだか急に

疎外感でいっぱいになって



優しい言葉を持っている誰かに

メールしてみたくなった



誰にしようと思った時

弱音の吐ける相手を

ことごとく遠ざけてきたことを

思い出す



私の周りに今いるのは

一緒に戦う同士と

ライバルだけ



寂しいなんて言ったなら

一笑に付されてしまいそう



自分で望んだこの環境



誰かを傷つけても

この道で行くと決めたのは私



負けない

弱音を吐かないって



大丈夫

ちょっと疲れただけ



今宵は孤独を抱いて眠って

明日にはそれをも

ばねにしてしまおう



そしてまた一つ

強くなればいい




勝負の行方

2016-09-19 | 願い
さっきまで小雨だったのに

かなりしっかりと降り出して

おまけに風も強まって

次第に濡れそぼっていく



かわいそうなんて

どこかかしこから

声が聞こえてくるけど



わからない人にはわからない

雨に濡れるのも風に吹かれるのも

気持ちいい



雨よもっと降れ



雨が嫌な人には

雨が気持ち悪い人には

必ず勝てるから



風よもっと吹け



風が強いから

うまくいかないと

風に舌打ちする人には

必ず勝てるから



どんな状況も受け入れる

条件は皆同じ



悪い条件をも

味方にしてしまえる人が

必ず勝つと信じてる

パートナー

2016-09-17 | 代わりに
もう少しだけ時間をください



諦めるのは簡単だから

壊すのなんて一瞬だから



今までずっと一緒で

決して仲良くはなかったけど



お互いの実力だけは

認めてきたよね



何もかもがライバルで

容姿も頭も人望も



負けないって

張り合ってしまうことが

時にお互いを傷つけた



でもいつものことじゃなかったの?

いつのまに限界なんてことになってたの?



いらないなんて言わないで

必要ないなんて寂しすぎる



最後までやり遂げるには

お互いが必要だってこと



もう一度思い出して



あなたは大切な人

今私は泣きたくなるほど



自分を変えようと思える程

あなたを必要な人だと感じてる



不道徳

2016-09-15 | 昔々
大人になってからのこと



ある日母が

鬼の形相で

拳を握りしめながら

声を震わせた



あの女

死ねばいいのに



女の影を感じた母が

父の携帯を見て確信したようで



私は知らないけど

家にも遊びに来たことのある

父の部下の女だったらしい



その時の私は

驚きはしたものの

母のような感情にはならなかった



父も普通の人だったんだって

ぼんやり思っただけ



その数年後にその女は

癌で本当に死んでしまったのだけど



癌だとわかった時ぐらいだろうか

父からその女に宛てたメールが

私の携帯に間違って送信されてきた



名前が似ていたから

アドレス帳の上下だったのだろう



そのメールは

思いやりに溢れ愛情に溢れ

そして男を感じさせるものだった



私やその時の母には

決して見せないであろう

別人のような父の顔



私は父に冗談のように

何?って返信しようか

母にこんなの来たって

告げ口しようか

しばらく悩んだ



けれど結局どちらもしなかった



父は気付いたかもしれないけど

私はメールなど

受け取っていない顔を通した



母は自分が怨み殺した

訳じゃないよねって

怖がっていたけど



私は何とも思わなかった

少しでいい

2016-09-13 | 妄想
自分はこんな人間だと

醜い部分もすべて

曝け出さなくていいから



すべてを告白することで

あなたは楽になるかもしれないけど



あなたが楽になった分

私が苦しいから



私はあなたのすべてを

知りたい訳じゃない



私はあなたのすべてを

愛せる訳じゃない



あなたのことを私に

心の綺麗な

優しい人だと思わせ続けてほしい



私もあなたにとって

心安らぐ人でいられるように

努力するから



だから私はあなたに

すべてを話せない



私はあなたを

もしかしたら



愛していないのかもしれないから



プロ

2016-09-11 | 不思議
解決策が見つからなくて

心が曇ったままだったから

思い切ってピンポンを鳴らした



話好きな方だから

こちらが遮って話さないと

伝えたいことが伝えられない



普段ならしないけど

遮って遮って

訊きたい事をどんどん並べる



この人はいくつだろう

皺のないつるんとした顔



以前から知り合いではあったけれど

店主と客という関係だから

個人的なことは何も知らない



私より若いと思ってたけど

話を聞いていると

同世代のようだった



外は雷が鳴りだして

ザアザアというものすごい雨音になって



マンションの一室という

危ういシチュエーションなのに

男を感じさせないこの人は

すごいって変な感心をしてる



悩みは解決してすっきりしたけど

もう少しここにいようと思った



話好きの店主の話は

止まらなくて



私は

えー なるほど すごい

の三語を返すだけで

どんどん続く



雷も雨音もしなくなり

そろそろ帰りたくなったけど



店主の話は

自分の子供時代からずっときて

今 一回目の転職という

佳境に入ってきたらしく



帰る旨を伝えられない



やっとやっとでありがとうと

外に出たら空が青かった



綺麗な空で

心も晴れて

来て良かった



店主の半生を知るなんて

面白いオマケつき



とっても楽しい気分になって

一人笑ってしまった