私は元々はピアノ講師である。
大学を卒業して某大手ピアノ教室の講師をやっていた。
その企業とは代理店を通して個人請負契約を結んでいたけど、
グレードという試験があって、
それが上級になるに従って報酬の%が上がっていく仕組み。
例えば5級だったら60%とかね。
もうそれはきっちりと決まっていた。
代理店の支店のレッスン室でレッスンをするんだけど、
もちろん講師は生徒集めをする必要が無い。
その大手のブランドで生徒は集まってくるし、
一人辞めたとしても、2ヶ月もしないうちにその枠は埋まって、
「先生、また一人お願いします」というわけ。
その教室の講師をしている限り自分自身でチラシを配ったりして、
生徒を募集する必要は一切ない。
その代わり月謝の40%くらいはその企業の取り分になる。
それって当たり前の話しだ。
私は自宅でもピアノ教室をやっていた。
自宅の門扉に看板を付けていただけで、
積極的に生徒集めをしていたわけではないけれど、
割と人が通る道だったので飛び込みでの問い合わせも多かった。
その自宅教室の月謝は、もちろん100%自分の懐に入る。
そしてピアノ教室だけでは心もとないので、
女声合唱団の伴奏や、朝日カルチャー教室の講師、
小学校のPTAコーラスの指揮なんかもしていたし、
出張レッスンもしていた。
それは大抵が子供が学校に行っている朝の時間に行っていた。
ただこういう仕事を回してくれる恩師がいたり、
合唱団でのつながりとかがあって仕事が来ていただけで、
そういうツテのない人はスーパーのレジ打ちとか、
音楽とは関係の無いバイトをしながらピアノ講師もしていたよ。
それは本業で食べていけないから仕方ないのよね。
またそのバイトをしていることを、
契約を結んでいる大手企業が何を言うこともない。
その企業とは請負契約なので私達講師は自営業扱いになる。
なので税金を払うのも確定申告に行っていたのだ。
要するにその大手企業の「社員」ではないということ。
その辺りがピアノ講師の仕事の複雑なところなんだけどね・・・。
本業で食べられないからバイトをする。
それがピアノ関連、音楽関連の人はまだいい方で、
ファストフードとか、レストランのホールとか、
そりゃいろんな人がいたと思う。
大手企業に40%持っていかれているから手取りが少ない。
けれど自分で営業する必要が無い。
「○○ピアノ教室講師」という看板だって背負わせてくれる。
それって・・・・ぶっちゃけて言うと当たり前。
最近のTVを見ていてつくづくそう思う。
くぅ