2022/5/14付「播磨自動車道(姫路鳥取線に非ず)を経由する唯一の高速バスに乗車」で触れた「光都バスセンター」について、コンセプトと実情を紹介します。
播磨科学公園都市は兵庫県たつの市・佐用町・上郡町にまたがっており、相生市にも隣接していますが、それぞれの自治体の中心部からは相当離れた山の上で、いわば「現代の高野山」のノリです。開発した兵庫県は住宅地も準備したものの入居率ははかばかしくなく(商業施設はミニスーパーとコンビニくらいしかない)、SPring-8をはじめとした研究施設の職員や関係者、民間企業の工場の従業員、兵庫県立大学とその付属高校・中学校の学生・生徒は毎日麓から通ってきています。
兵庫県としては、地域の魅力を高めるため、都市中心部の芝生広場に交通結節点となるバスターミナルを整備し、さらにその隣接地に地域住民及び来訪者が交流できる施設を整備しました。それが「光都バスセンター」です。まず2021年春にバスターミナルがオープンし、2021年11月に交流施設がオープンしています。
https://web.pref.hyogo.lg.jp/kc12/harima/koutsukessetsu.html
https://web.pref.hyogo.lg.jp/kc12/harima/buscenter.html
https://www.kobe-np.co.jp/news/seiban/202111/0014878155.shtml
開設時の説明資料には、「播磨自動車道全線開通に向け、大阪、神戸方面等の高速バスの誘致を図ります」の意味合いの記載もあります。
しかし、開設後1年以上経過しても、まだまだ目論見通りにはいっていません。
何よりも、乗り入れるバスの本数があまりにも少ないわけですね・・・ 播磨科学公園都市のバス路線図(各自治体のコミュニティバスは非掲載)を見ると一目瞭然です。
https://www.shinkibus.co.jp/rsn/pdf/westshinki.pdf
最も便数の多い相生駅とSPring-8を結ぶ路線(神姫バスグループが運行)の場合、平日で30便以上あるうちの4便、土休日で十数便のうち1便しか乗り入れず、他はバスセンターを横目に通り過ぎます(近接地の「芝生広場」バス停には全便停車)。コミュニティバスは全便乗り入れていますが、現状では交通結節点にはなっておらず、バスの待機場的な役割にとどまっています。
また、高速バスも以前から運行している対姫路の平日のみ2往復体制は変わらず、今のところ神戸や大阪を結ぶ高速バスの運行開始の話は聞こえてきません。
以下は、GWの合間の平日夕方の様子です。
敷地は広いです。ここ始発のバス1台が待機していますが、人影はありません。(大学・高校・中学・研究施設・工場からは離れています)
窓口は無人で、交流施設の中にいた人は自習に励む学生さん1名のみ、軽飲食の提供コーナーは閉まっていました。図書コーナーにはそれなりに本が置かれています。
MaaSの実証実験用の超小型電気自動車も置かれています。何故か豊田市のナンバーがついています・・・
隣の芝生広場もとにかくだだっ広いです。反対側からだと、交流施設がはるか彼方に見えます。