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徳島バスは2024/10/1に運賃値上げへ=バラバラな初乗り運賃を統一

徳島バスは2024/5/13付で一般路線の運賃値上げを申請しました。実施日は2024/10/1の予定です。

https://www.tokubus.co.jp/files/20240513/0fc756c59fe4f6f46d01970c4d5c2994c9293864.pdf

消費税率改定によるものを除けば32年ぶりの値上げとなります。

平均改定率は上限運賃ベースで31.59%・実施運賃ベースで21.56%を予定しており、区間により110円・120円・130円と3種類ある初乗り運賃は170円に統一されます。徳島市中心部の210円均一区間は250円均一となります。

さて、初乗り運賃が3種類ある理由は、公営バスとのからみです。

前回の値上げ時点では徳島市・鳴門市・小松島市が市営バスを運行しており、それぞれ運賃水準が異なりました。徳島バスの路線も各市営バスの運行エリアでは公営バスに合わせていました。しかし、赤字が嵩むため小松島市は2013/3/31限り・鳴門市は2015/3/31限り市営バスを廃止し、路線は徳島バスに引き継がれましたが、運賃水準については見直すことなく2024年に至っているため、3種類の運賃水準が併存しているわけです・・・ 徳島市営バスも多くの路線が徳島バスに移管されましたが、運賃水準はやはり見直されていません。

このことを、2024/9/30までの運賃が掲載されているページの情報を基に解説します。

1.鍛冶屋原線 <徳島駅前~上板町鍛冶屋原、20世紀末時点から徳島バスが運行>

https://www.tokubus.co.jp/themes/default/pdf/routebus/fare/d40_fare_kajiyabara_kitajimaaizumi.pdf

板野経由の便については四国大学前から北側・不動経由の便については不動橋北から北側では初乗り運賃は120円で、これが本来の徳島バスの初乗り運賃です。両路線ともその直前の停留所相互間の運賃が130円となっているのは、この区間が徳島市営バスに運賃の決定権があるエリアであり、初乗り運賃を徳島市営バスの水準に合わせているからです。

2.鳴門線 <徳島駅前~鳴門市内、20世紀末時点から徳島バスが運行>

https://www.tokubus.co.jp/themes/default/pdf/routebus/fare/d54_fare_naruto.pdf

国道11号経由の各系統については、大津橋バス停を境に、南側の初乗り運賃は120円・北側の初乗り運賃は110円となっています。これは、大津橋以北の鳴門市内はかつて鳴門市営バスに運賃の決定権があるエリアであり、徳島バスもこれに同調していたからです。中喜来バイパス経由の系統は、その境目が「道の駅くるくるなると」バス停になっています。

3.鳴門市協定路線 <北泊線鳴門大麻線引田線

各路線とも鳴門市営バスから引き継いだものなので、全区間で初乗り運賃は110円となっています。引田線は市営バス時代から香川県東かがわ市に越境しています。

4.徳島市受託路線 <不動線など>

各路線とも徳島市営バスから引き継いだもの(徳島バスが徳島市から委託を受けて運行)で、徳島市中心部の210円均一区間以外の初乗り運賃は130円となっています。不動地区の場合、南端のかつて市営バスが運行していたエリアと、それ以外の徳島バスオンリーだったエリアで初乗り運賃に差が出ています。

5.橘線 <徳島駅前~競輪場前~大林~富岡~橘営業所、20世紀末時点から徳島バスが運行>

https://www.tokubus.co.jp/themes/default/pdf/routebus/fare/d51_fare_tachibana.pdf

大林バス停を境に、北側の初乗り運賃は130円・南側の初乗り運賃は120円となっています。これは、大林以北の大半を占める小松島市内はかつて小松島市営バスに運賃の決定権があるエリアであり、徳島バスもこれに同調していたからです。

6.小松島市協定路線 <立江線、小松島立江線和田島線、小松島和田島線、目佐和田島線

各路線とも基本的には小松島市営バスから引き継いだものです(小松島市営バスの主力は小松島市内と徳島市内を結ぶ路線でした)。したがって、徳島市中心部の均一区間以外については初乗り運賃は130円となっています。ただ、あいさい広場<小松島市内に所在>付近で初乗り運賃が120円の区間が存在しており、徳島バスに移管後延長された区間かもしれません。

 

なお、リリース文の末尾には以下の文言があります。

①お客さまの利便性向上を目的に、キャッシュレス決済を導入いたします。(2026 年春予定)
②徳島空港リムジンバスの運賃(軽微運賃)については、現行 600 円から 800 円に改定いたします。
③丹生谷線の運賃については、橘線との競合区間のみ改定いたします。

①について・・・2022/4/8付ブログ記事で書いたとおり、徳島バスは費用面から交通系ICカードを導入する予定はありません。したがって、タッチ決済やQRコード決済になるものと思われますが、詳細発表が楽しみですね。

②について・・・徳島空港リムジンバスは2024/1/27付ブログ記事で書いた通り2024/2/1から中間部のバス停を廃止し運賃は全区間で600円均一となりました。これに伴い高速バスに近い扱いになり、届け出だけで運賃値上げが可能になったようです。

③について・・・山間の那賀町方面に向かう丹生谷線はかつて徳島市中心部から徳島バスが直通していましたが、2024年現在は阿南市街地から先は子会社の徳島バス南部が運行しており、途中の橘営業所での乗り継ぎが必要です。徳島バス南部が運行する区間については、徳島バス本体の路線と被る阿南市街地のみ運賃を値上げし、他は据え置きとなります。

https://nanbu.tokubus.co.jp/themes/default/pdf/rosenbus/timetable/nyudani_timetable.pdf

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