その1の続きです。
スカイレールに関する情報をいろいろと調べていると、鉄道関係の各種機器類も開発製造しているシンフォニアテクノロジー社の公式サイト内のニュースリリースが出てきました。
「非接触ICカード式出改札システムを納入 ~鉄道関係での本格実用化は国内初~ 広島市安芸区のコミュニティ交通」
https://www.sinfo-t.jp/NewsRelease/new_09.htm
スカイレールが開業した1998年当時のリリース文(当時の社名は神鋼電機)をよくぞ残してくれた・・・という感じがします。
「非接触ICカードを応用した運賃収受システムが本格的に運用されるのは、鉄道関係では国内で初めてです。」(カギカッコ内引用)とあり、スカイレールそのものの技術だけではなく、運賃収受システム面でも日本の最先端を行っていたわけですね。ただ、それ故に後発のシステム(Suicaは3年後の2001年に本格運用開始など)との互換性に乏しく、2013年に至ってシステムの置き換えを余儀なくされたのかも。そして、置き換え後のシステムはコスト面からICOCAとは一線を画したものになりました。
その1内で紹介した日本鉄道賞の応募内容の説明には、以下の文言があります(カギカッコ内引用)。
「ICOCAを利用可能なシステムとするとともに、入退場管理システムをベースとすることで、ICカード内のデータ書換が不要なため、ICOCA利用に伴う関係各所との調整が不要となり、小規模な事業者でもICOCAとの連携が可能となった。」
ここでいう「ICOCAとの連携」は、「スカイレール独自のICカード"SKYRAIL PASS"だけではなくICOCAカードにスカイレールの定期券・回数券機能を載せることができる」という意味合いです。現地にも明確な説明書きは見当たりませんでしたが、スカイレールタウンみどり坂の住民以外がスカイレールの定期券・回数券を持つことは滅多にないはずで、町内会の回覧など別ルートで周知されているのかもしれませんね。
みどり中央駅にも、みどり口駅同様2台の自動券売機が設置されています。ディスプレイ部の右下にICカードを入れるポケットがありますが、これは「手持ちのICOCAにスカイレールの定期券・回数券機能を載せるため」「回数券を同時に複数人が利用する際に、スカイレールの回数券機能が搭載されたICカードから普通乗車券に引き換えるため」のものであり、一般のICOCAでは普通乗車券は買えません。
(つづく)