東北運輸局報令和5年5月11日号によれば、福島県会津地方の猪苗代町と隣接する北塩原村で路線バスを運行する「磐梯東都バス」が9月末限りで全路線を廃止する旨の申請を行ったとのことです。
https://wwwtb.mlit.go.jp/tohoku/content/000295292.pdf
廃止の理由は、「以前より、少子高齢化による利用者の減少に対応すべく、徹底した合理化を進め路線の維持に努めてきました。しかし、今般の新型コロナウイルスの影響により、更に利用者が激減し、路線の維持が困難となり、事業廃止という苦渋の決断をせざるを得ない状況に至ったため。」(カギカッコ内引用)となっています。
磐梯東都バスは首都圏でタクシーや貸切バスを営業する東都自動車グループの一員で、2003年に設立され会津地方で路線バスの運行を開始しました。当初は喜多方駅と裏磐梯高原<系列のホテルあり>を結ぶ観光路線のみでしたが、翌2004年に(地元の会津バスが古くから運行していた)猪苗代駅と裏磐梯高原を結ぶ路線に参入し競合が発生しました。その後磐梯東都バスはさらに町内路線を拡大し、一方の会津バスは路線を縮小し、最終的に2011/9/30限りで猪苗代営業所を閉鎖して町内路線から完全撤退(残っていた路線は磐梯東都バスに引き継ぎ)しています。
https://news.aizubus.com/entry/2011/08/11/100000
https://www.aizubus.com/pdf/kouzi.pdf
現在磐梯東都バスが運行する路線は観光路線と生活路線の両面を持っています・・・路線図はこちら 昨今は観光客の移動手段としての路線バスの位置づけは都市部以外では低くなっているものの、沿線住民への影響は多大です。
このブログを書いている時点では磐梯東都バスの全路線廃止に関する内容を取り上げたメディアは皆無のようですが、最終的には公的補助を増強した上で大半の路線を会津バスが引き継ぐ(元の鞘に収まる)ことになるのかも。会津バスは2013年にみちのりホールディングス傘下となり、猪苗代管内からの全面撤退当時に比べると経営状況は良くなっているかもしれませんが・・・
<5/26追記>
磐梯東都バスが最初に運行していた喜多方駅と裏磐梯高原を結ぶ路線は、1年あまり前の2022/5/1から会津バスが引き継いで運行しています。