三重県伊賀市内を走るローカル私鉄「伊賀鉄道」で、2024/3からICOCAなどの全国相互利用対象ICカードが利用可能になります。
https://www.igatetsu.co.jp/igatetsu/wp-content/uploads/2023/07/20230726ICOCApress.pdf
伊賀鉄道はかつて近鉄の支線(伊賀線)でしたが、乗客が少なく赤字が嵩むことから経営が分離されることになり、2008年10月から運行が近鉄と地元伊賀市が共同出資する新会社「伊賀鉄道」に移管され、さらに2017年に鉄道施設が近鉄から伊賀市に移管されています。
一方、ICOCA導入のリリース文は伊賀市・伊賀鉄道・JR西日本の連名になっており、伊賀鉄道の株の75%を保有する近鉄は含まれていません。近鉄は鉄道線全線でPiTaPaおよびICOCAを導入済みですが、ICOCAのシステムはあくまでもJR西日本のものであり、ソフトもハードもJR西日本グループが導入するからです。
伊賀上野駅ではJR関西線(既にICOCA導入済)と伊賀鉄道が改札内でつながっていますが、関西線を運行するディーゼルカーはバスの如く車内にICカード対応機器を設置しており、伊賀上野駅自体にはICカード改札機は設置されていません。伊賀鉄道が導入するシステムはごく一般的な「各駅にICカード改札機を設置」なので、2024年3月以降は「JR西日本の駅なのに、ICカード処理機は伊賀鉄道用のみ」ということになりそうです。
ちなみに、上記リリース文によれば、伊賀鉄道内で完結するICOCA定期には伊賀鉄道区間の定期券の情報は印字されず、連絡定期の場合も連絡先の他社線の情報のみが印字されるとのこと。
これは、2021/8/21からICOCAを導入した同じ三重県内を走る四日市あすなろう鉄道(こちらも伊賀鉄道と同様の経緯で近鉄の不採算支線を経営分離)の場合と全く同じです。共通のシステムを利用することにより、コスト削減が図られますね(定期券情報をICOCAカード上に印字しないこと自体もコスト削減策ですが)。