島根県出雲地方を走る地方私鉄・一畑電車は、10月1日にダイヤ改正を行います。
https://www.ichibata.co.jp/railway/topics/202109091340.html
注目なのは、このご時世にもかかわらず、平日ダイヤ・土休日ダイヤとも運行本数が増えることですね。(さすがに最終電車は繰り上げられますが)
平日ダイヤの場合、16時以降の運転間隔が昼間と同じく最大55分間隔だったのが、改正後は最大43分間隔となり、1日の運転本数の合計は4本増えます。
そして、土休日ダイヤの場合、電鉄出雲市~出雲大社前間を直通する特急電車が現在の1往復から4往復半に増便されます。所要時間は16~17分、運賃は500円です。
電鉄出雲市発=9:45,10:50,12:50,14:50
出雲大社前発=9:36,11:45,13:45,15:45,17:45
出雲大社は近年でもインバウンド客が非常に少なく、その面では他の観光地より恵まれているものの、このタイミングでの増便は異例ですね。
その背景ですが・・・
JRを利用して出雲大社に参拝する方は、出雲市駅から出雲大社に向かう一畑バスを利用するのが一般的です。
https://www.ichibata.co.jp/bus/rosen/pdf/time_hinomisaki-simple_0.pdf
https://www.ichibata.co.jp/bus/rosen/pdf/time_hinomisaki-simple_1.pdf
こちらは昼間30分間隔、所要時間は30分前後、運賃は510円(出雲市駅から出雲大社正門前のバス停までの場合)です。
一方、電車の場合、運賃はほぼ互角、所要時間は20分強とバスより短いのですが、上記直通列車以外は途中の川跡駅で乗り換えが必要であり、バスを選ぶ方が多数派です。
ただ、コロナ禍以降はバスの混雑が問題視されており、地元としては鉄道へのシフトを推進しています(今春には企画乗車券による交通実験が実施されました)。今回の直通列車の増便は、この考え方に則ったものでしょうね。
ちなみに、一畑バスでは今春からICOCAやSuicaなど全国相互利用対象の交通系ICカードが使えるようになりましたが、一畑電車はお預けです。やはり、電車のICカードシステムがバスに比べて複雑で、導入費用も公的補助が出るといえ割高だからなのかも。