関連ブログ記事・・・2023/4/17付「東北地方のタクシーの営業区域一覧(完全版)」
この機会に、東北各県のタクシーの営業区域について順に考察していくこととします。営業区域一覧の完全版はこの資料の中にあります
<青森県>
青森県では、三大都市の青森市・弘前市・八戸市、そしてそれに次ぐ地域の中心都市たる五所川原市・十和田市・むつ市をそれぞれ中心とした地域に交通圏が設定され、他は基本的に平成の大合併の前の市郡単位で営業区域が設定されています。
青森交通圏は、平成の大合併前の青森市域、および東隣の東津軽郡平内町・北隣の東津軽郡蓬田村からなります。2005年に青森市と合併した南津軽郡浪岡町は以前と同じくタクシーの営業区域は「南津軽郡」となっています。浪岡町はもともと弘前市を中心とする経済圏・文化圏に属し、青森平野とは山並みで隔てられており(GoogleMap参照)、その山並みを越える国道7号の鶴ヶ坂付近は交通の難所となっています。1950年代の昭和の大合併時点ではこのような合併は考えられなかったはずですが、交通網の整備が寄与したのかも。
弘前交通圏は、弘前市および隣接する中津軽郡西目屋村からなります。現在の弘前市は2006年にもともとの弘前市と中津軽郡岩木町・相馬村が合併して成立しましたが、西目屋村以上に弘前市と密接な関係があった両町村はもともと弘前交通圏に含まれていました。
八戸交通圏および「三戸郡」についてはこちらのブログ記事で触れたとおりです。
五所川原交通圏は、平成の大合併前の五所川原市・北津軽郡に、五所川原市の西隣で同じ生活圏を持つ西津軽郡柏村を合わせた区域でした。ただ、柏村は2005年に五所川原市の西隣の木造町を中心として成立したつがる市に加わっています。平成の大合併の結果五所川原市には壮大な飛び地が出現しましたが(GoogleMap参照)、飛び地(旧市浦村)も元々北津軽郡のためタクシーの営業区域としては一体です。
十和田交通圏は、平成の大合併前は「十和田市および西隣の上北郡十和田湖町」でした。十和田湖町が2006年に十和田市と合併して新しい十和田市が誕生したため、交通圏といいながら単一の自治体で構成されています。
むつ交通圏は、平成の大合併前は「むつ市および東隣の下北郡東通村」でした。東通村は下北半島の北東側の広大な領域を占めており、村内相互間を結ぶ道路の整備が遅れていたため1988年まで村役場は(村内のどの地域からも行き来しやすい)むつ市内にありました。このことを踏まえての交通圏の設定だったのかも。むつ市は2005年に下北郡川内町・脇野沢村・大畑町と合併しましたが、これら旧3町村は以前と同じく「下北郡」の営業区域に属します。
黒石市・三沢市は平成の大合併に関与しておらず、昭和の時代から変わらず単独の営業区域を構成しています。
「西津軽郡」は、平成の大合併前の西津軽郡のうち五所川原交通圏に属していた柏村以外の全域に相当していました。西津軽郡のうち木造町・森田村・柏村・稲垣村・車力村は2005年に合併してつがる市となりましたが、旧柏村はタクシーの営業区域としては別個のままです。ちなみに、旧柏村には1992年にイオンの大型ショッピングセンターがオープンしており、2023年時点でも健在です。
「南津軽郡」は、平成の大合併前は南津軽郡の郡域と一致していました。うち尾上町・平賀町・碇ヶ関村は合併して平川市となり、浪岡町は上で書いた通り青森市の一部になったので、現時点では不一致になっています。
「上北郡」は、平成の大合併前の上北郡の全域ではなく、百石町・下田町は八戸交通圏に、十和田湖町は十和田交通圏に属していました。十和田湖町は消滅しましたが、百石町と下田町は合併して上北郡おいらせ町になっています。
「東津軽郡」は、実際の東津軽郡の自治体のうち、青森市から遠く離れた今別町および外ヶ浜町(平成の大合併前は蟹田町・平舘村・三厩村)のみから構成されます。