4.辻堂バイパス
小代下トンネルの南側、かつて大塔村役場のあった辻堂の集落やその前後をバイパスする「辻堂バイパス」は、2018/3/18に全線開通しました。
https://www.pref.nara.jp/secure/191247/houdouhappyou.pdf
辻堂の集落付近は川の対岸に新たに2車線道路を建設し、川を渡るユニークな形状の「夢翔大橋」は2018年度の土木学会デザイン賞2018奨励賞を受賞しました。
https://www.zenitaka.co.jp/topics/bridge/reports/yumekake.html
https://www.showa-con.co.jp/power/bridge/p5410/
夢翔大橋自体は2010年にすでに完成しており、2011年の紀伊半島大水害で付近の国道が寸断された際には迂回路として暫定供用され復旧・復興に貢献しました。
https://www.zenken.com/hypusyou/zenkensyou/h30/P18.pdf
観光特急を除く路線バスは、集落のない北半分はバイパスを経由しますが、途中の辻堂新橋を渡り旧道の辻堂集落を南下するので夢翔大橋は通りません。また、南側の閉君集落は旧道沿いにありますが、バイパス開通で旧道の一部が閉鎖されたため、路線バスはバイパスから閉君集落に立ち寄り、集落を行き過ぎたところにある折返場でUターンします。
5.宇井バイパス
辻堂バイパスの南側、五條市大塔町と十津川村の境界付近は、「宇井バイパス」として1998年に改良工事が終わっています。
付近のGoogleMapはこちら
宇井集落内の狭路は背後に「ふれあいトンネル」を建設して回避し、市村界の山塊と川に挟まれた狭路は「城門トンネル」を建設して回避しています。
https://www.mlit.go.jp/road///koka4/3/3-128.html
路線バスは、前者については旧道経由(宇井集落内にバス停あり・・・付近のストリートビューはなぜか存在せず)、後者については旧道沿いに家屋がないことからバイパス経由です。
6.長殿道路
十津川村最北部の塩鶴地区と長殿地区の集落内の狭路を回避し、さらに防災性も高めるため、十津川の対岸にトンネルを中心とするバイパスを建設します。実際この付近は2011年の紀伊半島大水害で大被害を受け長期通行止めになり、一時期は河川敷に仮設道路を敷設して対応しました。2023年4月にも被災し、一時期は仮設道路で対応しています。
https://news.yahoo.co.jp/articles/65ed24708dcd2fdfa621a04a160c5538e183fc5f
長殿道路は、国土交通省の権限代行事業として2012年に事業化されました。
https://www.kkr.mlit.go.jp/nara/jigyou/kaichiku/nagatono.html
南側の十津川を渡る1号橋については2018年に現地での工事が開始されていますが、
https://www.kkr.mlit.go.jp/plan/happyou/thesises/2021/ol9a8v000004bycl-att/anzen1-14.pdf
2023年4月時点でも橋の構造物は基礎部分のみとなっており、トンネルの南側坑口予定地もコンクリートで塗り固められているだけです。
南側のストリートビューはこちら
北側については城門トンネルのすぐ南で分岐し十津川を渡ることになっていますが、現地で工事が着工されている様子は全くありませんでした。
国土交通省のサイトに掲載されている再評価結果(平成31年度事業継続箇所)によれば
https://www.mlit.go.jp/road/ir/ir-hyouka/30sai/2_h30_041.pdf
この時点での総事業費は160億円、2018年3月末時点の事業進捗率は約13%となっていますが、これより新しい評価資料はネット上では公開されていないようです。
(つづく)