鹿児島県北部にある長島町は、黒之瀬戸大橋を介して九州本土と陸続きになっています。この町の公共交通は長年南国交通の路線バスが担ってきましたが、乗務員不足のため2024/9/30限りで廃止となりました。
町ではこれを受けて、もともと公用車として保有している小型バスに降車ボタンを取り付けて代替バスを走らせることとなり、2024/10/1から運行を開始しました。運行業務は「NPO法人ながしま地域活性化推進機構」に委託しており、運賃は当面無料です。
https://373news.com/_news/storyid/199979/
https://www.yomiuri.co.jp/local/kagoshima/news/20240823-OYTNT50166/
その代替バスですが、このブログ記事を書いている時点の長島町公式サイトの「交通アクセス」のページにはまだ反映されていません。一方、「広報ながしま令和6年9月号」には掲載されているので、こちらで紹介します。
https://www.town.nagashima.lg.jp/wp-content/uploads/2024/09/06090800.pdf
黒之瀬戸大橋の長島側のたもとにある道の駅「だんだん市場」前のバス停が南国交通バスとの乗り継ぎ点になっており(出水市街地・阿久根市街地とだんだん市場の間の時刻表はこちら)、島の東側を経由する便・西側を経由する便の2路線をそれぞれ平日4往復・土曜3往復します。
なんですが・・・
実は、2024/10/1以降も長島町内を経由する路線バスは運行されています。しかし、それは長島町民のためのものではなく、九州新幹線と天草地方南部を結ぶアクセス手段としての「出水・天草ロマンシャトルバス」です。
天草地方南部の中心地である牛深(かつては「牛深市」という独立した市でした)と県都熊本を直結する路線バスは存在せず、途中の本渡バスセンター(天草最大の市街地にあります)で乗り継いで4時間以上かかり、便数も年々減少しています。しかし、長島の北西の端にある蔵之元港と天草南端の牛深港の間にはフェリーが1日9往復運航されており、所要時間は僅か30分です。九州新幹線鹿児島ルート全線開業を機に、天草市がこのフェリーとともに最短ルートを形成する「九州新幹線出水駅と蔵之元港を結ぶシャトルバス」の運行を企画し、以来1日5往復運行中です。こちらを利用すると出水駅~牛深間は僅か1時間45分で、熊本駅~出水駅間は新幹線で僅か30分余りです!
このバスは南国交通が運行しています。そして途中乗降不可というケチなことはしておらず、長島町民が通学に利用できる時間帯こそ設定はないものの、蔵之元港のほか町内の「だんだん市場前」「指江庁舎前」「温泉センター前」での乗降が可能です。