唐津市北部の市街地を回避する国道204号唐房バイパスが、事業開始から18年の歳月を経て2023/11/12に開通しました。
https://news.yahoo.co.jp/articles/951ef8efa6e83db1aa5ed6a1b6b286c6352baf6e
https://trafficnews.jp/post/128641
2005年の新規事業採択時の評価結果はこちら
全長約2kmのうち、唐津市街地寄りの約500mのトンネルは、1970年代に工事が進められ土木構造物のほとんどが完成しながら、国鉄改革のあおりでついに開通することがなかったいわゆる「未成線」である呼子線のトンネルを拡幅の上転用したものです。1978年の完成から40年余りを経てようやく日の目を見たことになります。
https://k-keikaku.or.jp/%E4%B9%9D%E5%B7%9E%E6%8A%80%E5%A0%B169-%E8%AB%96%E6%96%877/
未成線は呼子の集落の南方まで続いていましたが、高架橋部分のほとんどは壊されてしまいました。
さて、このバイパスですが、実は唐津と呼子を結ぶメインルート上にはありません。
東松浦半島一帯のGoogleMapを見れば一目瞭然ですが、海岸沿いを通る国道204号よりも、半島の内陸部を縦断する県道23号唐津呼子線に入り、さらに唐津市鎮西町岩野から県道340号鎮西唐津線を通る<現地の交差点形状は県道340号が直進・県道23号が左折>ほうが距離が短く、道路の整備状況も良好なので所要時間も短くなっています。実際、唐津市中心部を回避する国道204号佐志バイパスの北端にある唐房入口交差点の標識は、2019年11月時点のストリートビューでは直進する県道23号がメインで国道204号が右折(しかも地名は呼子の手前の海岸沿いの集落である「湊」のみ)となっています。また、唐津バスセンターと呼子を結ぶ昭和バスの路線の所要時間は、県道23号~340号経由の「呼子線」が30分なのに対し、国道204号海岸まわりの「湊・呼子線」は40分と長く、便数も後者の方が少なくなっています。
https://www.city.karatsu.lg.jp/koutsuu/machi/kotsu/jr/documents/5-1.pdf
なお、佐賀県による唐房バイパスの令和4年度再評価委員会資料にあるとおり、唐房バイパスは唐房入口交差点の手前で国道204号(佐志バイパス区間)から左折で分岐するようになっており、唐房バイパス側からだと合流形式ではなく「突き当たりの交差点を右折」となります。この付近のストリートビューは当ブログ記事を書いている時点でも2019/11時点が最新で、この分岐付近は唐房バイパス部分の道路が施工済なだけで交差点化の工事は全く行われてませんでした。上記で紹介したサガテレビの動画の26秒目あたりに分岐点およびそこに設けられた標識が映っていますが、左折側の地名は「湊(呼子)」となっており、佐賀県の想いは「観光の車が海岸沿いの国道204号を通ってくれれば、その分だけ唐房入口交差点の交通量が減り渋滞が少なくなって、地元関係者にとっては万々歳」だったりして・・・
余談ですが、このブログ記事を書いている時点のWikipediaには「佐賀県道340号鎮西唐津線」という記事は存在しません。マイナーな県道で記事が存在しないことはよくありますが、東松浦半島の交通のメインルートを構成するにもかかわらず存在しないというのは意外ですね。