2024/9/18付ブログ記事「日本海沿岸東北自動車道・山形秋田県境付近の進捗が芳しくなくなった理由は・・・ <9/19追記あり>」の続報です。
東北地方整備局はついに県境区間の吹浦IC~小砂川IC間について「2026年度開通予定」を白紙に戻すことを発表しました。遊佐鳥海IC~吹浦IC間は2026年度開通予定を堅持しています。
https://www.thr.mlit.go.jp/bumon/kisya/kisyah/images/102128_1.pdf (2024/12/19付記者発表資料)
こちらでは、前回記事同様にこの2つの要因を解説します。
1.2024/7の豪雨等による施工計画の見直し
小砂川ICのすぐ南側の観音森跨道橋は現在下部工施工中ですが、南側の現場に通じる道路が被災し全面通行止めになり、工事用道路としての活用断念を余儀なくされました。このため現場へは北側ルートのみとなり、当初予定の施工効率の確保は困難となりました。
さらに、隣接する切土区間(より県境に近い一帯)では、当初想定より浅い位置から硬い岩の発生が確認されており、施工期間の増加が想定されることとなりました。
2.史跡保存内容の変更
当初計画では、史跡に指定されている本殿と大鳥居の間の参道と遊佐象潟道路が交わる部分について「道路通過部の復元は函渠とし、上部は平場として保存する計画」でした。しかし、設計を進めるにあたって行われた史跡調査の結果、史跡範囲外の「旧登拝道」(付近のGoogleMap航空写真において麓の布倉集落の奥側と大鳥居を結ぶ道に相当)が史跡としての価値を構成するものとして評価されるに至り、「旧登拝道を含む地形を函渠上部に復元して保存する計画」に変更することとなりました。これに伴い、追加の現地調査や設計、施工において対応が必要な状況となっています。