全国交通ニュースブログ

日本海沿岸東北自動車道・山形秋田県境付近の進捗が芳しくなくなった理由は・・・ <9/19追記あり>

2024/5/12付ブログ記事「続:日本海沿岸東北自動車道・山形秋田県境付近の状況について」の続報です。

日本海側のミッシングリングの1つである日本海沿岸東北自動車道の遊佐象潟道路区間(遊佐鳥海IC~吹浦IC~小砂川IC~象潟IC間)ですが、これまでは

 ・秋田県内の小砂川IC~象潟IC間が2025年度開通予定

 ・県境区間の遊佐鳥海IC~吹浦IC~小砂川IC間が2026年度開通予定

となっていました。

しかし、2024/9/12付の東北地方整備局からの記者発表によれば、

https://www.thr.mlit.go.jp/Bumon/kisya/kisyah/images/101294_1.pdf

小砂川IC~象潟IC間については順調なものの、県境区間では今年7月の豪雨による影響や史跡保存のための関係機関協議等に時間を要しております。とのことです。ただ、開通時期に与える影響については、今後検討してまいります。としており、現段階では開通予定を白紙に戻すまでの状況ではないようです。

こちらは、この2つの要因を解説します。

1.2024/7の豪雨による影響

小砂川ICのすぐ南側の観音森跨道橋は現在下部工施工中ですが、現場に通じる道路が被災し全面通行止めになっています。この道路は市道ですが現場より奥には居住者はなく(農地は存在するようですが)、復旧工事の優先度が低くなっているようです。

2.史跡保存のための関係機関協議

リリース文で「国指定史跡「鳥海山」」と記載されている箇所は鳥海山大物忌神社・吹浦口ノ宮の境内となっており、本殿と大鳥居の間の参道(現在通れるかどうかは不明ですが)と遊佐象潟道路が交わる形となるため、特段の配慮が必要となります。

付近のGoogleMap航空写真はこちら

2022/9/26に開催された東北地方整備局の令和4年度第1回事業評価監視委員会における評価資料ではこの点には言及されていません。おそらく、この評価終了後に実際に現地で土工工事に着手するにあたり、その前に必須となる神社や文化庁など関係機関との協議が、整備局側で予想していたよりも長引いているものと推測されます。上記航空写真を見ると、神社の東方で地肌がむき出しになっている箇所(=道路工事が現在進行形の部分)があるものの、それ以外は緑の山が広がるばかりです。中間部に予定されている延長122mの布倉橋は工事に着手できていません。

1に関しては工事用道路が復旧されれば一件落着ですが、2に関しては場合によっては道路構造の変更を迫られる可能性もあります。

<9/19追記>

酒田河川国道事務所のサイトで遊佐象潟道路の工事状況写真が公開されていますが(概ね1か月単位で更新)、

https://www.thr.mlit.go.jp/sakata/road/nitiendo/pdf/map_yk_top.pdf

「令和6年9月1日現在」を見ても、布倉橋や鳥海山大物忌神社吹浦口ノ宮境内付近が工事に着手できていないことはわかりません。

名前:
コメント:

※文字化け等の原因になりますので顔文字の投稿はお控えください。

コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

 

  • Xでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

最新の画像もっと見る

最近の「幹線道路(東北)」カテゴリーもっと見る

最近の記事
バックナンバー
人気記事