関連ブログ記事・・・2022/12/4付「尼崎宝塚線・拡幅工事ストップの背景(その5)」
この尼崎宝塚線阪急立体区間(武庫之荘駅の西側で阪急神戸線をオーバークロスする部分)の拡幅工事ですが、2023年秋以降に再始動するようです。
2023/3/8の兵庫県議会令和5年度予算特別委員会で、「尼崎宝塚線(阪急立体工区)の今後の見通し」について地元尼崎市選出の議員が質問しています。
(議事録の速報版=35が質問、36が兵庫県道路街路課長の答弁)
答弁によれば、
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・2021年度までに一部の擁壁工事を実施済み
・2022年度は地元の要望を受け、横断通路の追加や、仮設道路の構造、施工方法などの見直しを実施
・完成までの課題については、工事期間中の通行の確保、また、工事中や完成後の騒音低減などの環境対策であると認識
・2023/3/28に地元説明会を開催し、計画の変更や工事方法などを丁寧に説明した上で、工事発注手続に入り、2023年度後半の工事契約を目指す
・工事の期間については、線路をまたぐ橋梁工事が時間的な制約を受けること、また、大規模となる仮設道路の構築や交通の切替えを段階的に行う必要があることから、工事着手から約5年程度を見込む
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とのことです。つまり、阪急立体工区の拡幅完成は、今後順調に進んだとしても2028年以降になるわけです。
このブログを書いている時点で「尼崎宝塚線 阪急立体」とか「尼宝線 阪急立体」で検索するとトップに出てくるのは、2015年時点での新規事業評価調書です。
https://web.pref.hyogo.lg.jp/ks04/documents/h27s-1-toshikeikakudoro-amagasakitakarazukasen.pdf
こちらによれば、「現道路区域内で施工が可能であるため、用地補償は不要」なことから、2017年度後半に設計を終えた後すぐに拡幅工事に入り、橋梁部分は2022年度半ば・取付道路部分については2023年度末に完成予定となっており、現時点で数年単位での延伸となります。
おそらく、当初時点では兵庫県の担当部署としては「単純に法面を利用して拡幅すれば問題なく、既に多くの交通量のある道路なので沿線住民も騒音について理解があるはず」との認識だったのが、実は沿線住民の認識と大きく乖離しており、それがこの状況を生んだのでしょう。そもそも、当初スケジュールには仮設道路の工事について考慮していなかった気配がします。当然、工事費用も当初見込みより大幅に増大していることでしょう(いかなるメディアも報じた形跡がないので詳細は不明ですが)。