さしふのき【烏草樹】
『和名抄』卷廿、木類草木部百四十七
廿巻本の古写本および〔温故堂本〕→那波道圓本〔元和版〕は、真名体漢字「佐之天之紀」で「天」字で記載、此を十巻本の「佐之夫之紀」「夫」字に補整し、慶安元年板『倭名類聚抄』棭齋書込宮内庁書陵部蔵からあとの版本類(~明治二年版まで)全て補整記述する。
棭齋が『倭名類聚鈔箋注』の当該語の語注記のなかでそのことを説く。
江戸時代の谷川士清『倭訓栞』中卷に「さしぶのき」「なんてん」の項目にて、此の「さしぶのき」を引用するが、漢名「南燭」(しやしやんぼ)と「南天竺」→「南天」(ナンテン)の語とを同一の植物と位置づけてしまっている。現代の小学館『日国』第二版では、見出語「しゃしゃんぼ【南燭】」のなかに「わくらは」と云う別名を記述するが、見出語「わくらは」は立項されていないので、ここで頓挫してしまう結果で終わってしまう。
以下、詳細は別項(チームルーム「情報言語学研究室」の「さしふのき【烏草樹】」PDF版)添付資料を参照されたい。萩原義雄識