こんにやく【蒟蒻】
『和名類聚抄』巻十九「古迩夜久」
『本草和名』巻下「古尓也久」
三巻本『色葉字類抄』〔前田本〕「蒟蒻(クジヤク)」
観智院本『類聚名義抄』「蒟蒻」「蒟頭」コニヤク。
棭齋は、訂本から箋注へとその『和名抄』本文研究を継続していくなかで、「クジヤク」二音の表記を「䀠弱」〔十卷本〕、下總本・天文本「枸弱」から「栩弱」〔廿巻本〕へと変改していく。此の変改した理由については何も記述されていない。
此の「蒟蒻」なるインドネシア原産地下茎の珠根類がどのように渡来したかについては全く語られていないのだが、『本草和名』そして、『和名類聚抄』に此の語が所載されていて、真名体漢字表記で「古尓也久」「古迩夜久」として平安時代以前に日本語化していて、馴染みのある植物となって、今日にあっても健康食品として重宝されるに至っていることについて注目せねばなるまい。