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天満神社には、土居町で最古の鳥居と石燈籠がある。
1. 八幡宮鳥居(1674) →写真1,2,3
奉寄進石鳥居 願主 惣氏子中
旹延寶2甲寅年6月25日
備州御調郡尾道住大工
徳右衛門
七三郎
次郎
前報の由緒によれば、鳥居の建立年(1674)には、まだ天満宮は円蔵地にあったので、この鳥居は、八幡宮の鳥居として建てられた事になる。願主惣氏子中とあるので、氏子全員が費用を出し合い、大庄屋寺尾九兵衛成清がまとめて、尾道の石工に製作を依頼したのであろう。明神鳥居である。「天神・天満の里巡り」1)によると、土居町内で最古の鳥居である。石工は尾道の徳右衛門・七三郎・次郎であるが、3人の名は、「尾道の石造物と石工」2)の17世紀(江戸時代前期)の石工11人の中には、見つけられない。この鳥居は、尾道石工の製作した鳥居の中でも古い方に属する。昭和43年(1968)参道を緩やかな道に付け替えた際に、石段を登る手前にあった鳥居を現在地に移した。柱の高さ3.6m、笠木5.0mの一枚岩の花崗岩で、反りがあり、柱は地面に対して少し傾斜(転び)をつけて建てられている。貫と額束は移設の際、損傷したので新たな石に代えられた。
寛文7年(1667)には、坂之内池自体は築造できたので、その水を山のこちら側に導けるよう村人は祈願したであろう。延宝2年(1674)には、大庄屋役は三代成清から四代明清へ引き継いでいると思われる。
2. 八幡宮手水舎脇の石燈籠(1681) →写4
延寶辛酉9年6月25日
奉寄進 石燈籠
寺尾成清
隠居した三代成清が没する3年前に寄進した石燈籠で、土居町で最古の石燈籠である。3) 花崗岩で、下台も含めて180cm(6尺)の立派な燈籠で、刻字は整っており劣化も少ない。石工の名はないが、これもやはり尾道石工であろう。
寺尾大庄屋の墓守の庵として創建されたという観音堂(宮山の裾にある)にも似た石燈籠があるが、刻字は劣化して読めない。
まとめ
天満神社には、土居町で最古の鳥居と石燈籠がある。
鳥居は願主氏子中で尾道石工の製作であり、石燈籠は三代成清の寄進である。
注 引用文献
1. 「天神・天満学問の里巡り」26番
2. web. 尾道市日本遺産調査報告書「尾道の石造物と石工」(平成28年 2016)
3. 「天神・天満学問の里巡り」27番
写1 天満神社の鳥居
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写2 鳥居の右柱
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写3 鳥居の左柱
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写4 寺尾成清寄進の石燈籠
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1. 八幡宮鳥居(1674) →写真1,2,3
奉寄進石鳥居 願主 惣氏子中
旹延寶2甲寅年6月25日
備州御調郡尾道住大工
徳右衛門
七三郎
次郎
前報の由緒によれば、鳥居の建立年(1674)には、まだ天満宮は円蔵地にあったので、この鳥居は、八幡宮の鳥居として建てられた事になる。願主惣氏子中とあるので、氏子全員が費用を出し合い、大庄屋寺尾九兵衛成清がまとめて、尾道の石工に製作を依頼したのであろう。明神鳥居である。「天神・天満の里巡り」1)によると、土居町内で最古の鳥居である。石工は尾道の徳右衛門・七三郎・次郎であるが、3人の名は、「尾道の石造物と石工」2)の17世紀(江戸時代前期)の石工11人の中には、見つけられない。この鳥居は、尾道石工の製作した鳥居の中でも古い方に属する。昭和43年(1968)参道を緩やかな道に付け替えた際に、石段を登る手前にあった鳥居を現在地に移した。柱の高さ3.6m、笠木5.0mの一枚岩の花崗岩で、反りがあり、柱は地面に対して少し傾斜(転び)をつけて建てられている。貫と額束は移設の際、損傷したので新たな石に代えられた。
寛文7年(1667)には、坂之内池自体は築造できたので、その水を山のこちら側に導けるよう村人は祈願したであろう。延宝2年(1674)には、大庄屋役は三代成清から四代明清へ引き継いでいると思われる。
2. 八幡宮手水舎脇の石燈籠(1681) →写4
延寶辛酉9年6月25日
奉寄進 石燈籠
寺尾成清
隠居した三代成清が没する3年前に寄進した石燈籠で、土居町で最古の石燈籠である。3) 花崗岩で、下台も含めて180cm(6尺)の立派な燈籠で、刻字は整っており劣化も少ない。石工の名はないが、これもやはり尾道石工であろう。
寺尾大庄屋の墓守の庵として創建されたという観音堂(宮山の裾にある)にも似た石燈籠があるが、刻字は劣化して読めない。
まとめ
天満神社には、土居町で最古の鳥居と石燈籠がある。
鳥居は願主氏子中で尾道石工の製作であり、石燈籠は三代成清の寄進である。
注 引用文献
1. 「天神・天満学問の里巡り」26番
2. web. 尾道市日本遺産調査報告書「尾道の石造物と石工」(平成28年 2016)
3. 「天神・天満学問の里巡り」27番
写1 天満神社の鳥居
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写2 鳥居の右柱
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写3 鳥居の左柱
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写4 寺尾成清寄進の石燈籠
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