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オスが精液を作る精嚢でメスのたんぱく質を作るなんてありえない・・・

2020年04月16日 09時58分00秒 | メス化する自然

 

 

だが マクラクランらの研究チームは ここで立ち止まろうとはしなかった。

 

・・・略・・・ 1987年・・・

 

マウスはその他にも 炎症・頻尿・尿量の減少など

前立腺疾患に結び付く症状を呈していた。

これらはすべて 前立腺が肥大し変形して尿道を圧迫する

良性の前立腺肥大の典型的な前駆症状だった。

この疾患は尿の流れを妨げることから

不快感や排尿困難につながる。

その後全部のオスのマウスにこの変化が現れた。

変化は深く静かに しかし広範囲に拡大していった。
 
・・・略・・・

「我々の研究を基礎に考えれば 早い時期のエストロゲン暴露が

前立腺癌の発生に重大な役割を果たすというのは十分考えられる。

だから なんとしても 早急にもっと研究を進めなければならない」

とマクラクランは主張する。

だが 当時 この研究はほとんど注目を集めなかった。

 

これらの不気味な変化 

そして合成エストロゲンと前立腺癌とのつながりに関する懸念から

マクラクランの脳裏に拭い去れない疑問が浮かんだ。

合成エストロゲンのDESがエストロゲンになりすまして

これほど強力かつ長期的な影響を与えることができるのは

いったいどんなメカニズムによるのだろうか?

「科学を理解する最上の方法はメカニズムを知ること

私はそう確信している」と彼は言う。

だが 彼らがこの問題に深くかかわるにつれ

また一つ注目すべき事実に突き当たった。

 

「オスのマウスは もっと本質的に変化していた。

じつは 彼らは分子レベルでメス化していたのだ」

驚くべき発見だった。

「胎内でDESにさられたオスのマウスたちは

成長後に生殖器官でメスのたんぱく質の産生を示したが

これは通常ならオスでは決して起こらない現象だ」

 

ラクトフェリンは通常 エストロゲンにさらされたとき

子宮内で遺伝子によってつくられる主要な分泌たんぱく質だ。

「子宮のミルク」としても知られ 胎仔に栄養を供給し

発達を促進すると考えられている。

だが オスのマウスが分泌しているタンパク質を調べたところ

ラクトフェリンの存在は一目瞭然だった。

 

「これは驚いた オスが精液を作る精嚢で

メスのたんぱく質を作るなんてありえないからだ。

それでいて 精嚢は形の変化もなく 精液も作り

特に異常があるようには見えなかった。

だが ラクトフェリンを探して染色すると 確かに分泌されている!

オスの体内の細胞が あたかもメスの子宮の中にいるかのごとく振舞っていた。」

マクラクランはこの状態を「分子的仮性半陰陽」と名付けた。

合成エストロゲンの暴露により 何らかの方法で

オスの生殖器官でメスの遺伝子の「刷り込み」が行われ

成長後にスイッチが入って活性化するように設定されたのだ。

 

「このことは 分子レベルでの生殖器官の発生に関して

私たちは全く新しい情報をもたらした。

それによって 何らかのエストロゲンが生殖器官に対して

極めて大きく 非常に深いレベルで 実際に影響を与えている

可能性があるという重大な興味を抱いた。

なにしろ オスのマウスが分子レベルでメスの遺伝子を発現していたのだから」と

マクラクランは回想する。

長期的にどんな結果をもたらすかは さらに研究しなければならない

とマクラクランは1989年の論文で警告した。

 

https://www.pinterest.jp/pin/596515913133826146/

 


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