D-1と缶コーヒーのD1

2007-11-03 | CMOS
昨年実施したアイデアが、新たに特許公開されていました。

JPA_2007288419.pdf
これが、例のD-1特許で、スターバックスで証明方法を思いついて、その場で正しいことを証明したもの。従来から使用されていて誰でも知っている有名な回路を組み合わせると、製品としては非常に歩留まりの高い出来上がりになる。

JPA_2007279957.pdf
こちらは、超低消費電力で起動させる起動回路で、従来のものに微妙な安全確実動作の工夫をしたもの。電源が急激に低下すると電流源がしばらくダウンしたりする。これに適応的に対処する動作をするようにしました。電源IC出力の起動時オーバーシュートを抑える実施例も可能でしょう。

いずれも、2社共同出願であり出資社の担当が筆頭の発明者になっていますが、私達の連名も一番後ろにありますね。

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昨年の記事より:
詳細に特許案が、CMOSプロセスに依存せず、どこのCMOSFabで作っても通用するものであることを、近似式で計算し、理論的に厳密に正しいと確認できた。Scilabの関数定義を使って、2つの関数を計算。また、これらの関数の比を計算させた。このとき、割り算のさせ方に一苦労したが、どうにか正しく計算してくれた。


あるCMOS特性関数y=f(Vthn)


あるCMOS特性関数y=g(Vthn)


gとfの比の計算結果


gとfの比の計算結果:いくつかのβについて


gとfの比の計算結果:3D版


現実的なCMOSパラメータを代入しているときに、この比は見事に定数1に非常に近い値となった。


(W/LはMOSのジオメトリで、グラフでは、μCox/2を掛けて百万倍した単位で計算しています。)

よかった、よかった。

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写真は発明した発振回路の応用試作サンプルにて、回路定数を調整して、約30MHzで発振しているところ。消費電流はこの周波数あたりは約500uA。
この発振回路は、D-1なので、MOSのVthでばらつかない!
温度でも、±50℃で±7,8%の変動以内だ。

実際に製品に使う時は、独特のノウハウが必要となるが、
そこは特許には書いていません!

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いつかは、材料物質の性質、または分子の性質を活用したアイデアをひとつ世に残すのが、
夢でしょうか・・・・

ヒット件数 7 件

1. 特開2007-288419 発振器
2. 特開2007-279957 電流源回路、およびこれを含むコンパレータ
3. 特開平07-283321 半導体集積回路装置
4. 特開平07-282596 半導体記憶装置
5. 特開平06-309879 半導体記憶装置
6. 特開平06-243698 半導体記憶装置
7. 特開平06-140575 半導体装置

288419は、ちょっと良く勉強して(洋書やIEEEの論文で発振回路を学ぶ)、回路シミュレーションすると、余分なノイズによるジッタを削減した実施例も可能です。(この実施例も、クレームのなかから容易に類推できますが、特許そのままだと高周波時にはいまいちです。)
さらに発振周波数をパッケージ化後に調整可能にする工夫も可能です。どうすれば周波数を調整可能となり、それに伴いどんな問題が発生するかわかったやる気のある学生等の方は、即弊社に採用間違いなし!?
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