CMOS回路設計にも、Scilabが使えた

2006-12-24 | CMOS
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さらに詳細に特許案が、CMOSプロセスに依存せず、どこのCMOSFabで作っても通用するものであることを、近似式で計算し、理論的に厳密に正しいと確認できた。Scilabの関数定義を使って、2つの関数を計算。また、これらの関数の比を計算させた。このとき、割り算のさせ方に一苦労したが、どうにか正しく計算してくれた。


あるCMOS特性関数y=f(Vthn)


あるCMOS特性関数y=g(Vthn)


gとfの比の計算結果


gとfの比の計算結果:いくつかのβについて


gとfの比の計算結果:3D版


現実的なCMOSパラメータを代入しているときに、この比は見事に定数1に非常に近い値となった。


(W/LはMOSのジオメトリで、グラフでは、μCox/2を掛けて百万倍した単位で計算しています。)

よかった、よかった。
一時はどうなることやらと、焦った・・・
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この特許は来年公開の予定らしい。

学問的には、MOSの閾値Vthに関し、ある特性をCMOSの方程式から定式化した関数を偏微分したものがgとfです。このgとfが等しいことを示すには、
差を取って、ゼロを示すか、比が1であることを示すかの二通りありますが、前者は計算誤差を増やすので、むしろ後者がいいと考えました。

因みに回路設計時には、g,fの代わりに回路の電流や電圧に置き換えて考えることもできるのです。この辺は、ノウハウですね。受託設計指導をした提携大企業のエンジニアはご自身で工夫されて回路シミュレーションを上手にやっておられました。具体的詳細については来年の公開特許をお楽しみに!

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