企業で身につくスキル/経験について反省する

2008-06-18 | Weblog
コンサルタントによるが、日本のベンチャー企業の多くが、本来のベンチャーというより零細企業だとのことではあるが、そのような会社に勤めて6年を過ぎた。

将来職務経歴としてスキルの欄に書けることは、確かに、一般の上場大企業とは異なる面が出てくると思う。

使用するツールが違う。
チームの構成・動き方が違うことや、経験者の出入りが相対的に多いことに起因する
一貫したコア技術の伝承が、特定個人だけに限られる。

そもそも、市場展開が拡大する前のベンチャーは社長のマイカンパニーであり、アワーカンパニーではないので、社長の自己実現に協力する能力のあるものだけが、経験値を真に上げることができるので、そこでスキルアップを図ろうと考えていること自体が、ナイーブであるとも言える。

新卒でその分野の知識も経験も殆ど無い状態で入社した場合は、社会経験値を大企業にいる人間以上に上げることにはなると思うし、修士・博士(MS・Phd)以上の専門性を極めつつある新卒の場合はそもそも、そのジャンルのエキスパートとして、技術的な提案がどんどん可能であるから、そのまま自己実現の一歩を進めることにもなると思う。その過程では、重要なスキルを自己開発することができるに違いない。

しかし、ごく普通のサラリーマンエンジニア(そういう定義ができるとして)が、ベンチャー企業に入社しても、市場を満足させるスキルアップは、運がよくないと一般には難しいものなのかもしれない。

通常とは異なる技術・マーケッティング・流通の方法を開拓しつつあるのだから、確立した技術・方法を伝授・継承していくのとはわけが違うのだ。

市場での自分の価値は下手するとどんどん落ちていくことにもなる。
そういったリスクも認識して、キャリアプランを自己責任で実施してゆくしかない。
ベンチャー企業とはそういった修行の場であるともいえる。

誰しもいつかは自分の認識をブレークスルーして、キャリアパスや方法を自己修正しなくてはならないときが来るのだから、その方が自己認識も加速して要求されるので。
今の時代逆にお勧めかもしれない。
どんどんいろんな意味で挑戦する人が増えるといいかもしれませんが、日本の場合、受け皿が小さいので避ける人が多いような。

ふと立ち読みした本に書かれた考え方を知り、スキルに対する甘い期待が払拭されたおもいであった。

そういえば、日経サイエンスの記事に紹介された”量子暗号”の開拓者のひとりは、
子供のころから数学が得意で、暗号作りが趣味だった。それが、大学生のころにはそのジャンルのプロ顔負けのレベルに達していたくらいで、量子力学的法則を暗号に使えないかと自ら編み出すことになった。
彼のような場合が、ベンチャーで伸びる自己実現型の原型のひとつだろう。
「応用で儲けなくても、基礎でも儲かる」そんなものの場合は、彼くらいのスキルアップ経歴が必要なんだと思う。

私にはそんなものが無いのは言うまでも無い・・・

最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。