871piano工作室

ピアノ調律修理が本業。
趣味の凧や工作の話題など。

ちんだみ雑感その6

2006年05月28日 06時20分52秒 | 三線
 みんなで楽器を演奏する、あるいは合唱する、
アンサンブルは楽しいのですが、音の高さを「ある程度」
みんなで合わさなければ、響きが濁り楽しさが減ってしまいます。

オーケストラならオーボエが「ベ~」と持続音を鳴らし、
他の楽器がその音と合うようにちんだみをする。

ピアノコンチェルトなら、ピアノを「ポ~ン」と鳴らし、
オーボエからはじまり、他の楽器へと音を移してゆく。
オーボエは不安定な楽器なので、いつも女王様のように、
ちんだみの中心に居る。

楽器なしの合唱の場合は、次に歌う曲の冒頭の1音を、
調子笛やピアノなどで静かに鳴らし、その音を覚えておいて、
みんなで声を出せば合う、というしくみ。

唄三線の場合はどうでしょう、もし笛が入るのなら、
唄者が五で唄う人なら五の笛で、三線のちんだみをする、
二の人なら二の笛というのは当たり前の事、
ただ笛もオーボエと同じように、少し不安定で、
高い目の笛や、低い目の笛があるのは事実です。
だから「チューナー」でぴったり合わせた三線とはうまく合わず、
不安定な笛に三線を合わせて欲しいのです。
でないと、「正確」なはずのチューナーで合わせても、
狂ってしか聞えない、アンサンブルは楽しいのですが、
音の高さを「ある程度」みんなで合わさなければ、
響きが濁り楽しさが減ってしまいます。
はっきり言って「気持ち悪い!」

ただ、耳で合わせる「くせ」をつけてないと、
不安定な笛とチューナーの誤差以上に、ちんだみの誤差が生じ、
もっと「気持ち悪い!」結果となるのも事実でしょう。

慣れない人は耳で聞いて合わせるのはむつかしいでしょうが、
いつもチューナーを使っていては、耳で合わせる「くせ」がつかない、
一人で練習する時に近くにオーボエ吹く人が居なければ(普通は居ません)
チューナーの発音機能があれば、チューナーの音に合わせる、
ピアノやキーボードがあればそれを利用する、
僕のおすすめは、調子笛です。

何人か集まっての練習会では、できるだけチューナーをつかわないで、
「くせ」をつける練習もしたほうがいい、と思います。

初心者からはじめ、新人賞を受ける頃までには「ある程度」の「くせ」が、
身につくと思います、「ある程度」でいいから、自分の耳でちんだみしないと、
音楽する人にはみえませんから。