歴史とドラマをめぐる冒険

大河ドラマ・歴史小説・歴史の本などを中心に、色々書きます。
ただの歴史ファンです。

麒麟がくる・第二十一回・「決戦!桶狭間」・感想

2020-06-07 | 麒麟がくる
「信長公記」によれば信長が人間五十年を舞ったのは「桶狭間の時」なのですね。で、私は染谷信長に「舞わせるか」に注目してたのです。舞って欲しいが、普通には舞わないだろうなと予想していました。

結果としては「まず口ずさむ」、しかも「有為の雲に隠れ」という「人間五十年のちょっと前」から口ずさむ。一たび生をうけ、で本格的に舞おうとするが、そこで止める。つまり滅せぬもののあるべきか、の部分はやらない。その代わり会話で「死のうは一定」を入れてきました。

でも満足です。さすがにやってもらわないと。父親の位牌に抹香投げつけなかったのだから、ここは少しはサービスしてほしい所です。

しかも「桶狭間」、ちゃんと「桶狭間山」と「山」としたのに、義元の位置はちょっと谷になった部分でした。だから「坂を下って攻撃」です。「逆落とし」というほど急な坂ではないし、騎馬で逆落としではないけど、坂を下ってくれました。「わ、逆落としだ」と喜んでいました。

片岡さんはよく戦いました。2分ぐらいの殺陣だったけど、2分も戦った義元はいなかったと思う。中村勘九郎さんの死に方は壮絶でしたが、殺陣はほぼやっていません。ちゃんと鎧兜はつけてましたが。できれば死に方もやって、勘九郎さんと競って欲しかった。

あとは今井翼君の最後のひと槍。思いっきりハイジャンプ。あれは初めて見ました。ハイジャンプはどのドラマでもなかったでしょう。首をとったあと、自分で驚き、興奮しているさまもよかった。


あとは思ったことのみ
・松平元康が急に「徳川家康」になった。怒ると怖いタイプだな。

・佐久間信盛、、、なんでクールでニヒルなんだろう。むしろワルに近い顔。伏線なのかな。でも黒幕論は採用しないと思うけど。知っているぞ、君の運命は。君の息子の運命も。

・数にやけにこだわっていた。そう、数しかないのだよね。正面攻撃説だとすると数を「拮抗」させるしかない。3000対6000程度。数式まで出してこだわっていた。「数が拮抗していた」としないと、いくら雨が降って運があっても勝てるわけない。

・時間だけなら大河「信長」の方が時間をかけている。桶狭間に90分かけている。スケールもはるかに大きい。金かけている。しかし、「人間ドラマ」がない。しかもスモークたきすぎで戦闘シーンがよく見えない。信長の事績を追いかける歴史の勉強なら圧倒的に大河「信長」の方が勉強にはなるが、人間ドラマがなく、何やってかよくわからない。煙しか見えない。実に惜しいドラマだ。でも信長の事績を追うには本当に良い作品。

・奇妙丸がでてきた。光秀とも会った。悲しい出会いだ。茶筅、三七と男の子だけで11人もいる。そのたびに帰蝶に謝るのかな。