勝手なあらすじです。つまり趣味で書いた文章に過ぎません。しかし情報は得ているので、一部は当たると思います。ネタバレに注意してください。ただし「もちろん、こうはなりません」。史実とも違っています。「将軍義輝の戦い」も私が勝手につけた題名です。あとちょっとふざけた内容ですよ。
さて時は桶狭間の1560年から飛んで1564年、つまり足利義輝の死の一年前、十兵衛は藤孝からの知らせで、三好長慶が死んだことを知ります。三好家が松永派と三好三人衆派で割れているとも書いてありました。十兵衛は相変わらず寺小屋経営です。ただし十兵衛の名誉を思って金を送ってこない帰蝶に代わり、信長が多少のお金、現代価値で15万円くらいを月々送ってきていました。桶狭間の「水の代金」だそうです。一族8人ぐらいでなんとか食べていけるほどの暮らしです。
次の年、1565年。十兵衛はユースケ義景に呼び出されます。京都へ行けと言います。細川藤孝が呼んでいると。
京都に行くと藤孝は暗い顔ながら喜びました。今から将軍御所で「将軍家再生会議」をやるから出席して欲しいと言います。なんで自分が?と思いますが、義輝のたっての希望だそうです。
「将軍家再生会議?はあ?」と光秀は思います。
部屋に入っていくと義輝がいます。三淵、細川がいます。そしてなんと松永久秀がいます。さらに伊呂波大夫が隅にいて、芸人姿の男が義輝の横でむしゃむしゃ魚を食べています。「なんだこいつ」と十兵衛は思います。
芸人男「だからな、義輝殿、お主は線が細いのだよ。剣豪なんだろ。将軍なんだろ。どーんとぶちかますぐらいの気合でいかないと」
義輝「関白様のようには生きられませんよ。いつもながらよく食べますね」
芸人男「ああ、ただ飯ぐらいうまいものはない」
十兵衛は「関白?はあ?」と思います。伊呂波大夫が言います。「明智様、関白近衛前久です。あたしの兄というか弟というか、将軍様にとっては義理の弟。ヒマなんで今日は芸をやると言って昼の公演に参加してたのです」
十兵衛はははーと土下座します。
近衛「そうそう関白左大臣、あれ、太政大臣かな。要するに貧乏人ということだ。そなたが十兵衛か、大夫に聞いていたぞ。いい加減顔をあげろ。話もできん」
こうしてなんとなく「将軍家再生会議」が始まります。
松永「長慶様が死んで義継様が家督に。それでわしが三好家を握っているのなら、義輝様を支えられるわけなんだが、三好三人衆という邪魔な勢力がいるのだ。いつもトリオで出てくる。一人一人の名前がわからないぐらいだ、一人は三好姓でもないし」
義輝「久秀も引退が早かったよな。家督は久通だっけ。どうもあいつは流されやすい性格だから心配だな」
近衛「だから将軍がどーんとかまえて、ばーんとやればいいんだよ」
大夫「なんです。どーんとかばーんとか、もっと具体的に言わないと」
近衛「オレとしてはあれだな。上杉輝虎(謙信)、輝虎ぐらいだろ、将軍家を心から信奉しているのは、なんなら越後に行くよ、行ってオレが説得してやる」
大夫「関白が越後に旅するって、またですか、5年ぐらい前にずっと行ってましたよね」
近衛「伊呂波ちゃんはバカにするけどね。結構オレ、活躍する可能性もあるよ。」
大夫「まあ誰かと組んで活躍するのかもね。でも誰かさんが死んで、藤吉郎が出てきてからはさっぱりでしょ」
近衛「誰だよ、藤吉郎って。まだ歴史に登場しないだろ。さっぱりとか言うな。とにかく上杉輝虎、決まりだね」
三淵「しかし、上杉はどうも関東管領扱いが気に入っているようで、結局は武田とか北条と争ってばかり。とても上洛などできないでしょう」
近衛「それを言われると弱いな」
細川「本当は六角、佐々木氏が強いといいのですが。浅井に負けてる感じだし。そもそも浅井ってなんなんだ。十兵衛殿、朝倉は」
十兵衛「そりゃ、蹴鞠は文化ビジネスだって分かってはいるんですよ。でも本気でアリっと楽しんじゃっているから。何かを狙っているような気もするんですが、どうにもつかめません」
義輝「ダメか、毛利はどうだ」
細川「毛利は、領土が大きくなり過ぎたとかで、これ以上東に行ってはいけないオキテがあるそうなんですよ、それにまだ尼子と争っているし」
近衛「なんだその変なオキテ。嘘くさいな、本当か。調べた方がいいぞ」
義輝「毛利輝元か。輝の字をやったのに薄情だな」
細川「そんなもんですよ。毛利って大江広元系とか言ってますが、小さな国人でしょ。急にあれだけ大きくなるとビビりますよ。」
近衛「毛利元就死んだ前提で話しているけど、生きてるよ。あと6年も生きるんだ。2年後、子供まで作る。どんだけ元気なんだ。それはそうと、三好三人衆といえば、足利義栄を将軍にしろと騒いでいるよ。オレ、いざとなったら断れないからね。断る力ないから」
松永「それは知ってます。三好三人衆は、なんなら義輝公を殺してしまえとも思っているようで、しかも主君の義継も流されやすいタイプで。くれぐれもご注意ください」
義輝「いっそ無能な将軍など死んだほうが良いのかも知れんな」
近衛「出た、マイナス思考。だからダメなんだよ。ぐいっと行かないと」
十兵衛「義輝様こそ武家の棟梁、世を平らかに治める方」
義輝「十兵衛、好きだよなそのセリフ、使いたいだけなんじゃないか」
十兵衛「さすが公方様、鋭い。まあそれはそれとして、京にそこそこ近くて、今最も勢いのある大名と言えば、織田信長様では」
近衛「織田信長な。桶狭間は凄かったよな。でも美濃攻めでは意外と苦戦してるだろ。もう5年もやって落とせない。桶狭間は、ありゃ偶然だろ」
十兵衛「一国取るのに5年は長くないですよ。とにかく信長様しかいないと思いますよ。なんというか、褒められ好きなんですよ。褒めて伸ばすタイプ。義輝様とか、近衛公がおだてれば、きっと張り切りますよ、サイコっぽいけど、基本善人です」
一同「織田ねー」
義輝「一度会ったけど、丸顔で善人っぽかった。でも目つきがなー、なんか怖いんだよ、急に目の光を消すだろ」
という感じで会議は終わりました。光秀は御所に三日ほど滞在することになります。
近衛は自宅へ、細川、三淵は領地へ、松永は奈良へ、それぞれ帰っていきました。
三日目の朝、外の様子が変です。光秀が見ると将軍御所が兵に取り巻かれています。兵は三好義継、三好三人衆、松永久秀の息子、久通のものたちです。
義輝「これは御所巻というものだ。しかしわしは屈する気はない。十兵衛、今日よりそちを幕府奉公衆とする。わしの命を受けよ」
光秀「なんなりと」
義輝「奈良へ行け、奈良へ行って一乗院門跡の覚慶を助けよ。弟じゃ」
光秀「わたしはここで上様とともに討ち死にを」
義輝「ならぬ。覚慶を次の将軍にせよ。わしは実は悪人だったが、覚慶は善人じゃ。善人の十兵衛と覚慶で次の幕府を作るのだ、それと善人かも知れない信長で」
光秀「いまなら落ち延びることも可能では。降伏すれば命までは取りますまい」
義輝「いや殺す気だな。それにもう逃げるのは飽きた。わしの一世一代の晴れ舞台だ。堀の上からでも見物し、後世に伝えよ。やっと剣が振れるぞー、アハハハ」
こうして光秀は御所を脱出します。御所の塀に上って見ていると、将軍義輝が戦っています。
庭の砂に何本もの名刀を突き立て、とっかえひっかえ相手を斬っていきます。
が最後は力尽き、討たれます。
奈良に急行した十兵衛は松永久秀を問い詰めます。なんでお前がついていながら、こうなったのだ。
久秀は黙って銃を十兵衛に渡します。これで自分を殺せと言います。十兵衛は言葉も出ませんでした。
さて時は桶狭間の1560年から飛んで1564年、つまり足利義輝の死の一年前、十兵衛は藤孝からの知らせで、三好長慶が死んだことを知ります。三好家が松永派と三好三人衆派で割れているとも書いてありました。十兵衛は相変わらず寺小屋経営です。ただし十兵衛の名誉を思って金を送ってこない帰蝶に代わり、信長が多少のお金、現代価値で15万円くらいを月々送ってきていました。桶狭間の「水の代金」だそうです。一族8人ぐらいでなんとか食べていけるほどの暮らしです。
次の年、1565年。十兵衛はユースケ義景に呼び出されます。京都へ行けと言います。細川藤孝が呼んでいると。
京都に行くと藤孝は暗い顔ながら喜びました。今から将軍御所で「将軍家再生会議」をやるから出席して欲しいと言います。なんで自分が?と思いますが、義輝のたっての希望だそうです。
「将軍家再生会議?はあ?」と光秀は思います。
部屋に入っていくと義輝がいます。三淵、細川がいます。そしてなんと松永久秀がいます。さらに伊呂波大夫が隅にいて、芸人姿の男が義輝の横でむしゃむしゃ魚を食べています。「なんだこいつ」と十兵衛は思います。
芸人男「だからな、義輝殿、お主は線が細いのだよ。剣豪なんだろ。将軍なんだろ。どーんとぶちかますぐらいの気合でいかないと」
義輝「関白様のようには生きられませんよ。いつもながらよく食べますね」
芸人男「ああ、ただ飯ぐらいうまいものはない」
十兵衛は「関白?はあ?」と思います。伊呂波大夫が言います。「明智様、関白近衛前久です。あたしの兄というか弟というか、将軍様にとっては義理の弟。ヒマなんで今日は芸をやると言って昼の公演に参加してたのです」
十兵衛はははーと土下座します。
近衛「そうそう関白左大臣、あれ、太政大臣かな。要するに貧乏人ということだ。そなたが十兵衛か、大夫に聞いていたぞ。いい加減顔をあげろ。話もできん」
こうしてなんとなく「将軍家再生会議」が始まります。
松永「長慶様が死んで義継様が家督に。それでわしが三好家を握っているのなら、義輝様を支えられるわけなんだが、三好三人衆という邪魔な勢力がいるのだ。いつもトリオで出てくる。一人一人の名前がわからないぐらいだ、一人は三好姓でもないし」
義輝「久秀も引退が早かったよな。家督は久通だっけ。どうもあいつは流されやすい性格だから心配だな」
近衛「だから将軍がどーんとかまえて、ばーんとやればいいんだよ」
大夫「なんです。どーんとかばーんとか、もっと具体的に言わないと」
近衛「オレとしてはあれだな。上杉輝虎(謙信)、輝虎ぐらいだろ、将軍家を心から信奉しているのは、なんなら越後に行くよ、行ってオレが説得してやる」
大夫「関白が越後に旅するって、またですか、5年ぐらい前にずっと行ってましたよね」
近衛「伊呂波ちゃんはバカにするけどね。結構オレ、活躍する可能性もあるよ。」
大夫「まあ誰かと組んで活躍するのかもね。でも誰かさんが死んで、藤吉郎が出てきてからはさっぱりでしょ」
近衛「誰だよ、藤吉郎って。まだ歴史に登場しないだろ。さっぱりとか言うな。とにかく上杉輝虎、決まりだね」
三淵「しかし、上杉はどうも関東管領扱いが気に入っているようで、結局は武田とか北条と争ってばかり。とても上洛などできないでしょう」
近衛「それを言われると弱いな」
細川「本当は六角、佐々木氏が強いといいのですが。浅井に負けてる感じだし。そもそも浅井ってなんなんだ。十兵衛殿、朝倉は」
十兵衛「そりゃ、蹴鞠は文化ビジネスだって分かってはいるんですよ。でも本気でアリっと楽しんじゃっているから。何かを狙っているような気もするんですが、どうにもつかめません」
義輝「ダメか、毛利はどうだ」
細川「毛利は、領土が大きくなり過ぎたとかで、これ以上東に行ってはいけないオキテがあるそうなんですよ、それにまだ尼子と争っているし」
近衛「なんだその変なオキテ。嘘くさいな、本当か。調べた方がいいぞ」
義輝「毛利輝元か。輝の字をやったのに薄情だな」
細川「そんなもんですよ。毛利って大江広元系とか言ってますが、小さな国人でしょ。急にあれだけ大きくなるとビビりますよ。」
近衛「毛利元就死んだ前提で話しているけど、生きてるよ。あと6年も生きるんだ。2年後、子供まで作る。どんだけ元気なんだ。それはそうと、三好三人衆といえば、足利義栄を将軍にしろと騒いでいるよ。オレ、いざとなったら断れないからね。断る力ないから」
松永「それは知ってます。三好三人衆は、なんなら義輝公を殺してしまえとも思っているようで、しかも主君の義継も流されやすいタイプで。くれぐれもご注意ください」
義輝「いっそ無能な将軍など死んだほうが良いのかも知れんな」
近衛「出た、マイナス思考。だからダメなんだよ。ぐいっと行かないと」
十兵衛「義輝様こそ武家の棟梁、世を平らかに治める方」
義輝「十兵衛、好きだよなそのセリフ、使いたいだけなんじゃないか」
十兵衛「さすが公方様、鋭い。まあそれはそれとして、京にそこそこ近くて、今最も勢いのある大名と言えば、織田信長様では」
近衛「織田信長な。桶狭間は凄かったよな。でも美濃攻めでは意外と苦戦してるだろ。もう5年もやって落とせない。桶狭間は、ありゃ偶然だろ」
十兵衛「一国取るのに5年は長くないですよ。とにかく信長様しかいないと思いますよ。なんというか、褒められ好きなんですよ。褒めて伸ばすタイプ。義輝様とか、近衛公がおだてれば、きっと張り切りますよ、サイコっぽいけど、基本善人です」
一同「織田ねー」
義輝「一度会ったけど、丸顔で善人っぽかった。でも目つきがなー、なんか怖いんだよ、急に目の光を消すだろ」
という感じで会議は終わりました。光秀は御所に三日ほど滞在することになります。
近衛は自宅へ、細川、三淵は領地へ、松永は奈良へ、それぞれ帰っていきました。
三日目の朝、外の様子が変です。光秀が見ると将軍御所が兵に取り巻かれています。兵は三好義継、三好三人衆、松永久秀の息子、久通のものたちです。
義輝「これは御所巻というものだ。しかしわしは屈する気はない。十兵衛、今日よりそちを幕府奉公衆とする。わしの命を受けよ」
光秀「なんなりと」
義輝「奈良へ行け、奈良へ行って一乗院門跡の覚慶を助けよ。弟じゃ」
光秀「わたしはここで上様とともに討ち死にを」
義輝「ならぬ。覚慶を次の将軍にせよ。わしは実は悪人だったが、覚慶は善人じゃ。善人の十兵衛と覚慶で次の幕府を作るのだ、それと善人かも知れない信長で」
光秀「いまなら落ち延びることも可能では。降伏すれば命までは取りますまい」
義輝「いや殺す気だな。それにもう逃げるのは飽きた。わしの一世一代の晴れ舞台だ。堀の上からでも見物し、後世に伝えよ。やっと剣が振れるぞー、アハハハ」
こうして光秀は御所を脱出します。御所の塀に上って見ていると、将軍義輝が戦っています。
庭の砂に何本もの名刀を突き立て、とっかえひっかえ相手を斬っていきます。
が最後は力尽き、討たれます。
奈良に急行した十兵衛は松永久秀を問い詰めます。なんでお前がついていながら、こうなったのだ。
久秀は黙って銃を十兵衛に渡します。これで自分を殺せと言います。十兵衛は言葉も出ませんでした。