Hanews-はにゅうす

ウィーン歌曲歌手、「はにうたかこ」の毎日のちょっとしたことを書いています

これぞコレペティ

2007年12月14日 02時19分12秒 | Weblog
コレペティという職業がウィーンにはあります。ヨーロッパにありますの方が正しいですね。今日はコレペティ兼伴奏者の日本人Kさんのレッスンに行ってきました。

彼女は日本人なんですが、もうウィーンに来て何年になるんでしょう、私が初めて来た時にはかなり年数経っていたと思われます。入試の時にお世話になりました。彼女のレッスンなしでは合格してなかったと思います。特に日本人であることから、私たち日本人の弱点もよく知っているので、その分頼りになります。

コレペティとはピアノを弾きながら、歌い手のレッスンをするピアニストです。細かいことですが、それができないと歌にならない事を、逐一全部言ってくれます。こっちは「そうだった。」から始まり、何度も何度も直されるので「わかっちゃいるけどまだできない」になってきますが、できた時は「そうだこれだ」と思い出す。地味な作業ですが、なかなか一人ではできない練習なんです。それに付き合うコレペティさんはもっと地味な仕事ですが、なくてはならない存在です。

何の予告なしにいって、私の「今日これやります。」でさらっとモーツァルトのレッスンが始まってしまうのですから、その頭の中なのか、身体なのかわかりませんが、蓄積はすごいと思ってしまいます。

「今そこで(彼女)って思ってなかったでしょう!」「そのRは巻いて」「歌ってる最中に思いがなくなってる」「その子音をもっと早く用意して」「もっと母音を長く」「その単語は必要ないからアクセントつけない。」「単語が2つに分かれているところは、どっちを歌うか決めて」などなど、「わかっちゃいるけどできないよ~」がどんどん飛んできます。

日本では、まだまだ「伴奏しますけど、意味はわかりませんから。」という伴奏者が多い。もちろん歌っている人も「意味はわかりませんけど歌ってます。」という人も多いのでなんともいえないけど。ここまでわかっている日本人伴奏者他にいないと思います。

今日言われて「そうなんだ、でもやってるつもりなんだけど、全然できてないかぁ」と一番思ったのは、4番まであるモーツァルトの曲なんですが、「単語や意味からテンポを変えていい」ということ。淡々と進んでいるように見える演奏も、すごい山谷があって当然みたいな。これが難しいんです。ああ、頭痛い!

いきなり勉強モードに入ってしまった今週。明日はまたタンデムでウィーン語を習う。昨日からずっと辞書片手に動いているのですが、久しぶりなので、今のところはまだ、この「勉強してま~す」モードがうれしかったりする。しんどいのはこの後か?



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